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鉛と配管工

またブログの更新が遅くなり失礼しております。

スペイン語の職業の語彙の中で、plomero という語を習いました。 英語ではplumber (配管工、水道業者)です。

plomero は plumber の cognate (他言語の同語源語) で形が似ているので覚えやすいのですが、最初に聞いた時には pomelo にも似ているなあと思いました。

pomelo は、grapefruit に近いと思いますが、日本ではポメロという名前で売っているのかどうか覚えていません。 グレープフルーツよりも少し大きい果物ですね。 

夫とそんな話をしていると、plumber の語源の話になり、鉛という語と関係があると聞きました。

元素周期表の中の lead (鉛) は覚えた記憶もないのですが、調べてみると 82番 Pb という記号が載っています。

ラテン語で plumbum = lead となり、plumber は、ラテン語 plumbarius = worker in lead から来ており、鉛を扱う職人という意味の語のようです。

夫は水道管に鉛が使われていたからだろうと言います。

plumber はスペルや発音に注意すべき語ですが、語源についてはあまり考えたことがなかったので、久しぶりに元素周期表を眺めつつ、また一つ勉強になりました。

ところで、pomelo の方は、もちろん鉛とは関係なく、ラテン語 pomum = fruit, apple と関係するようです。古英語では apple を表す語はりんご、また果物全般を意味していたようです。

フランス語では pomme はりんごで、pomme de terre = 土の中のりんご→ じゃがいも となりますね。

私が知らないだけで、言葉には小さな歴史が詰まっているんだろうなあと改めて思いました。


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細かいことにうるさい

A gate at the stairs という小説を読み始めました。

主人公の女性がベビーシッターの面接のために訪問した家で靴を脱ごうとすると、その家の女性が次のように言いました。

Oh you don't have to take off your shoes. There is too much of that prissy Japanese stuff going on in this town.

(あら、靴は脱がなくていいのよ。 この町は細かいことにうるさい日本的なことが多すぎるわよねえ。)

prissy という語は初めて知りました。

このように使われていると大体の意味は想像できますが、次のように載っています。

fussily and excessively respectable
(小うるさく過度に礼儀正しい)

家の中では靴を脱ぐという日本人には普通の習慣がこんな風に小説の中で使われているのがちょっと気になりました。

prissy を語源辞書で見てみると次のような可能性が載っています:

1.precise (きちんとした、気難しい)が変化したもの
2.prim (堅ぐるしい、とりすました)+ sissy (めめしい、弱虫)

どちらもうなずけますね。

実は、先日友人とコーヒーショップでお茶を飲みながら話していたのですが、周りを見ると一人で読書している人やコンピュータで何か作業をしている人などとても静かな雰囲気で、私たちの会話がとても大きく聞こえていた感じだったので、もう少し静かにした方がいいかもねと言うと、友人に You are too Japanese. と言われ笑われてしまいました。

この too Japanese は too polite ? 周りを気にし過ぎ? というような感じでしょうか。

そこでこの prissy という語を思い出し、自分は prissy なんだろうかと思ってしまいました。

家に帰って夫に、Am I prissy ? と聞いてみると、No と言うので、もう少し prissy という語について聞いてみました。

「丁寧すぎる、細かいことにうるさい」 というような意味と、女性に使う場合は 「上品ぶった、とりすました」 という意味になるようで、私は当てはまらないようでよかったです。

物事をきちんと丁寧にするということの度が過ぎると上品ぶったという意味へ広がっていくのでしょうか。

よく分かりませんが、人の迷惑にならないように気をつけたり、物事のルールを守ってきちんとしようと思うのは悪いことではないですね。

何年アメリカに住んでも、自分が very Japanese だなあと思うことはよくありますが、prissy というわけではないようです。。


チェリーピッカー

我が家のリビングルームの窓から教会の尖塔が見えるのですが、その高い塔に時計を付けようとしているようでした。

人が高い所で作業できるような作業台が付いた移動クレーンが見えました。

移動クレーンと言えばよいのか高所作業車と言えばよいのかよく分かりませんが、夫はそれを cherry picker と呼んでいました。

サクランボ狩りをしているわけではないのに cherry picker なんですね。 機械の名前にしてはかわいい名前だなあと思いました。

理由は想像できますが、ウィキペディアに次のように次のように載っています。

cherry pickers were initially developed to facilitate the picking of cherries. Jay Eitel invented the device in 1944 after a frustrating day spent picking cherries using a ladder.

(チェリーピッカーは当初はサクランボを摘むことを容易にするため開発された。 Jay Eitel がはしごを使ってサクランボを摘む日々に不満を持ち1944年に発明した。)

cherry picker は、 aerial work platformbucket truckmobile elevating work platform など複数の呼び方があるようです。

また cherry pick には 「自分が気に入ったものだけを選ぶ、入念に選ぶ、バーゲン品ばかりをあさる」 という意味もあります。

ご参考までに以前に書いた記事はこちらです→ cherry picking

日本はだんだんと桜の季節が近づいて来ているのかもしれませんが、こちらは今週末はまた雪の予報で春が待ち遠しい今日この頃です。


職場での shadowing

スペイン語学習の方についつい時間を取られている中、ブログを書くことからしばらくく遠ざかってしまっているうちにさぼり癖がついてしまい失礼を重ねております。

またぼちぼち書いていこうと思っています。

先日、友人と電話で長話していた時に、shadow という語が出てきました。

友人は最近、仕事が変わり、先輩について仕事を習っているようなのですが、次のように言っていました。

I have been shadowing her.
(私は彼女のそばで仕事を学んでいる。)

ここでは shadow が次のような意味で使われています。

to follow someone else while they are at work in order to learn about that person's job
(他の誰かが仕事をしている時に、その人について行きそばで仕事を学ぶこと)

そう言えば、レストランでも次のように言うのを聞いたことがあります。

She is shadowing me. She is new.
(彼女は私のそばで仕事を学んでいるの。 新入りなので。)

新しい職場で先輩のそばで仕事を学ぶ on the job training (実地研修)のような感じですね。

Someone is shadowing me. と言えば、「誰かが私の後をつけている」 という意味にもなり、shadow (影)のようにぴったりくっついているイメージなのでしょうね。

職場で人について行き仕事を学ぶのも、教えてくれている人の影のようについて行くということですね。

職場で新人として仕事をしていたことを懐かしく思い出します。


udderly smooth ボディクリーム

明けましておめでとうございます。

年末には家から1時間半ほどの所にあるアジア食料品店に買い出しに行き、何とかおせち風の料理を作ることができ、家族三人でお正月を迎えることができました。

今年もよろしくお願いいたします。

私はいつもお風呂上りにボディローションを塗っているのですが、先日夫が 牛の白黒の柄が付いた Udderly Smooth という名前のボディクリームを買ってきました。 

これを見た息子はおもしろいと言うのですが、私には意味が分からず説明してもらいました。

udder は、「牛やヤギなどの垂れた乳房」 という意味だそうです。

調べてみると次のように載っています。

Udderly Smooth® was originally developed to keep the udders of dairy cows hydrated and prevent chapping.

(アダリースムースは元々は、乳牛の乳房が肌荒れしないよう水分を行き渡らせるために開発された。)

牛の乳房に使っていたクリームですが、乳を搾っていた農夫の手もスムースになり、1978年に売り出されたということです。

乳を搾るというのは milk を動詞で使えばいいのですが、udder のような語はなかなか見かけることがなく知りませんでした。

ところで、udderly smooth というのは、utterly smooth との言葉遊びです。

utterly は、totally, completely (まったく、完全に、すっかり) という意味ですね。

完全に肌がスムーズになるクリームということですね。

utterly という語は、utterly smooth のように例外はありますが、否定的な意味を持つ語と一緒に使われる傾向があります。

She is utterly bored with his idea.
(彼女は彼の考えにまったくうんざりしている。)

また 形容詞の utter (まったくの、完全な) も次のように使えますね。

That was an utter failure.
(それは完全な失敗だった。)

そして、動詞の utter (言葉などを発する) もありましたね。

She was so surprised she couldn't utter even a single word.
(彼女は驚きのあまり、ひと言も発することができなかった。)

横道にそれてしまいましたが、udder (牛の乳房) のために開発されたクリームなので Udderly Smooth という名前になっていますが、udderly という英語はありません。 

しばらくこの Udderly Smooth を使ってみようと思います。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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