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stadium の複数形

テレビでサッカーワールドカップを見ていた時に、解説者が使った単語に興味を持ちました。

次のように言っていたように思います。

All the stadia are close together.
(すべてのスタジアムは、それぞれがすぐ近くにある。)

試合に使われるスタジアムはいくつかあるようですが、stadium の複数形として stadia という語が使われるのは初めて聞きました。

一緒に見ていた夫や息子も stadiums の方が普通だろうと言い、私もそう思いました。

それで、辞書を引いてみると、stadiumsstadia も両方 stadium の複数形と載っています。

stadium という語は、ラテン語では長さの単位(約600フィート)、または競争する場所という意味の語のようです。

またギリシア語でも stadion という語があり、同じく長さの単位、競走用のトラックで特にオリンピアのトラックを意味していたと語源辞書に載っています。そしてその長さは one stadion であったようです。

その後、stadium は現在のスタジアム(競技場)という意味で使われるようになりました。

ちなみにスペイン語で stadium は estadio です。

datum と data では data の方が一般的に使われますが、stadia は現在では一般的な語ではないようです。

stadium の場合は複数形として stadia という形が残っていますが、実際のニュース記事などもほとんどは stadiums が使われています。

なので、stadia を使う必要はないと思いますが、ラテン語を会話に入れるとちょっと知的な響きが出るのかもしれませんね。

ところで、日本はドイツに勝ってよかったですね。また次も応援しようと思っています。


(訂正)長さの単位を6フィートと書いていましたが、600フィートが正しく訂正しました。失礼しました。
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molasses について

以前に molasses という 「糖蜜」 について書いたことがあります。→ 1月の糖蜜

この糖蜜は、ジンジャーブレッドクッキーの材料に欠かせないものです。

クッキー型のほとんどは船便の荷物の中にあり、今年はジンジャーブレッドクッキーを焼くのはあきらめようかと思ったのですが、こちらにいくつか置いてきたクッキー型のことを思い出し、それが見つかったので久しぶりに焼いてみました。

買ってきた molasses の瓶に書いてあるスペルを見て、これは液体で不可算名詞のはずなのに複数形のような形になっているなあと不思議に思いました。

調べてみると、ポルトガル語 melaço の複数形で英語に入ってきて、それがそのまま単数形のように使われ molasses という形となっているようです。 

ラテン語で mellaceus は、 resembling honey = 蜂蜜に似ている という意味があるようです。

「蜂蜜」は、ラテン語で mel で、そう言えばフランス語では miel です。

何となく使っていた molasses ですが、蜂蜜と関連した語だったわけですね。

では、honey という語はどうなのでしょうね。

ラテン語系ではないとすると、ゲルマン語系かなと、ちらっと調べると、蜂蜜はドイツ語で Honig だそうで、英語はこちらから入ったようですね。

久しぶりにジンジャー、シナモン、クローブなどスパイスがきいたジンジャーブレッドクッキーのを食べながら、アメリカにもどってきたことを実感しています。


thesis の複数形

先日、読んでいた書類の中に、スペルミスに見えるような単語があったのですが、もちろん私の間違いでした。

How to write academic theses
(学術論文の書き方)

theses は、thesis (論文)の複数形だったのですね。

発音は、カタカナで書くと、theses = シーシーズ、thesis = シーシス となります。

theses は、this の複数形の these にも似ていますが、These theses are....... (これらの論文は........) のように書くことも可能ということになりますね。

thesis - theses のように、crisis (危機) の複数形も crises となるようです。

ところで、大学の卒業論文や修士論文には、thesis / theses が使えますが、博士論文は、通常、dissertation という語を使います。

dissertation の複数形は、単に s を付けて dissertations となります。

私の友人で、妻であり母であり、そして学生にもどり、dissertation を提出し、博士の学位を取った人がいて、その努力には刺激を受けたものです。

私はそこまでのエネルギーはありませんが、細々とは勉強を続けていければなあと思います。。


chiefs について考える

アメリカンフットボールのスーパーボウルを、BSチャンネルで見ました。

私は用事をしながら、ちらちらと見ていただけですが、いい試合だったようで、夫は楽しんでおりました。

Kansas の Chiefs が、San Francisco の 49ers に勝利し、50年ぶりに優勝しました。

Chiefs のQB(クォーターバック)のマホームズは、私たちがテキサスで住んでいた時、近所にあったテキサス工科大学のアメリカンフットボールチームに所属していたのですが、大学を中退してプロへ行った選手で、どこでプレーしていても、全米で一位になれるものだと、感動しました。

と、前置きが長くなりましたが、私が気になったのは、チームの名前である Chiefs です。

chief の複数形は、chieves ではなく、chiefs です。

leaf の複数形は、leaves ですし、wolf は、wolves ですね。

不規則なので、覚えるしかないと言ってしまえばそれまでですが、ちょっと気になったので調べてみました。

f で終わる単語の複数形は、3種類あるようです。

① f が ves に変化するもの → thief (thieves)、leaf (leaves)、wolf (wolves)

② f が、ves でも fs でもよいもの → dwarf (dwarfs、dwarves)、roof (roofs、rooves)

③ fs になるもの → chief (chiefs)、belief (beliefs)、cliff (cliffs)

chief の語源を見ると、古フランス語の chief で、現代フランス語では、chef に当たります。

chef は、英語では 「料理人」 のことですが、フランス語では、英語の chief に当たり、「集団、組織などの長、頭(かしら)」 ということで、ラテン語 caput = head に遡ります。

フランス語の名詞の複数形は、s を付けることが多いので、その影響もあるのでしょうか。

でも③グループの名詞が、全てフランス語系の単語ではありませんし、一概にはそう言えません。

belief (beliefs) は、動詞の believe に s が付く形 believes もあるので、混乱を避けるということもあるのかもしれませんがどうなのでしょう。

①グループは、古英語の単数、複数が基になっているようです。

②グループは、発音は ves となり、書く場合には、fs とする場合もあるようです。

なかなか複雑なものですが、単語の成り立ちや歴史を見ることで、説明できることもあるようです。


数学は複数形?

前回、イギリス英語でソーセージのことを banger とも言うということを書きました。

そこで、以前何かの記事で読んだイギリス英語とアメリカ英語の違いについて思い出しました。

イギリス英語とアメリカ英語の単語の違いについて、よく聞くところでは、lift (イギリス英語)とelevator(アメリカ英語)などがありますね。

lorry(イギリス英語)とtruck(アメリカ英語)もそうですね。

私がおもしろいと思ったのは、mathematics の省略形 math という言葉はアメリカ英語というところです。

イギリス英語では、maths となるようです。

へぇーと思って、息子にも知っているかと聞くと、学校の数学の先生がイギリス人なので、 その先生は maths とおっしゃるそうなので、math との違いには気づいていたと言います。

maths というのは、発音しにくそうな音ですね。カタカナであえて書くなら マスス という感じでしょうか。

そこで mathematics は複数形なのだろうかと疑問が起こります。

通常は下記のように、単数として扱いますね。

Mathematics is my son's favorite subject.
(数学は私の息子が大好きな科目です。)

単数として使うのに形が複数形であるのは、mathematics という語が、ラテン語の mathematica という語が基になっていて、ラテン語で -a は複数形を示すので、英語になってもそのまま複数形が使われたという理論が語源辞書に載っていてなるほどと思いました。

そして、省略形の方は、先に math の方が使われ始め、 約20年後ぐらいに、イギリス人が maths と省略形も複数としたそうです。

mathematics が複数形なら、省略形も maths と語形として複数形に合わせるという考えも理解できますね。

イギリス人の方が論理的ということでしょうか。。




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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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