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kimono

Today という朝のテレビ番組の中で、水着の上に羽織る cover-up の紹介をしていました。

その中で、袖が広くてレースののような生地の上着を kimono として紹介していて、こういうのも kimono なんだなあと、所変われば品変わるということわざが浮かびました。

kimono には、次のような定義が載っています。

a long, loose robe with wide sleeves and tied with a sash, originally worn as a formal garment in Japan and now also used elsewhere as a robe.

(長くてゆったりとした衣服で袖が広く帯で結び、元々は日本のフォーマルな衣装として身に着けるもので、現在は他の場所ではローブとしても使用される。)

ところで、robe と言えば、シャワーの後やパジャマの上に羽織るローブという意味もあれば、皇室の女性が着るようなフォーマルなドレスもローブと呼ばれますね。

夫や義母も kimono をローブとして使っていますが、これは正確に言うと浴衣ですね。 

浴衣という漢字を見ると、robe として湯上りに着るのにぴったりです。

yukata という語も英和辞書に載っていますが、kimono ほど知られている語ではないように思います。

着物という語は、着る物ということなので、元々は単に衣類を表す言葉だったようですね。

それがお風呂上りに羽織るローブとして使われたり、水着の上に羽織る上着になったり、フォーマルな衣装になったり、kimono という語の使われ方が、robe という語の使われ方と似ているなあと思いました。


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fast fashion と slow fashion

フードロスについてはよく耳にしますが、古くなったり着なくなった大量の衣料品もゴミとして捨てられることが問題となっているようです。

息子の大学から、定期的に大学内の活動や情報についてのメールが送られてきて、その中に古くなった衣類のに再利用に関する研究に取り組んでいる教授や学生の紹介記事がありました。

その記事の中に、fast fashionslow fashion という言葉がありました。

fast food や slow food という言葉は知っていましたが、ファッションにも fast / slow があるのですね。

それぞれの定義は次の通りです。

fast fashion:

inexpensive clothing produced rapidly by mass-market retailers in response to the latest trends
(最新の流行に応じて量販店によって急速に作られる安価な衣類)

slow fashion:

clothes with trendless designs and premium, long-lasting quality
(流行のないデザインで上等な長持ちする良質の衣類)

トレンディだけれど、一つの季節が終われば着なくなったり捨ててしまうような服が fast fashion ですね。

それに対して、slow fashion は、飽きの来ない質が良い服のことですね。

安く買ってすぐに捨てるというよりも、良質なものを何年も着る方が環境にも優しく、sustainable と言え、slow fashion は、sustainable fashion とも言われるようです 。

衣類に使用される様々な種類の繊維を細かく切り裂いて、再利用する方法などについての研究が進んでいるようですが、繊維によってアプローチの仕方が違い単純なものではないようです。

例えば綿など一種類の材料で作られた服は再利用もしやすいのでしょうね。

どんな材料で作られているか、再利用されやすい材料かなどを確認してから服を買うと理想的なのかもしれませんが、まずは長く着ることができる服を買うことも大事なことかもしれません。

プラスティック容器と同様、disposable fashion についても一人ひとりが考えてみたいものですね。


前掛けエプロン

近所の友人のお義母さんが縫った前掛け(エプロン)がたくさんあり、私の母にどうかと聞かれて、喜んでいただきました。

私は上半身も下半身もカバーする長いタイプのエプロンは使いますが、あまり前掛けを使うことはありません。 80代の私の母は、今も台所に立ち料理を作るのに、前掛けの方がさっと使いやすいと言います。

前掛けも長いタイプのエプロンも apron には違いないのでしょうが、apron と言えば、長いタイプのエプロンを思い浮かべてしまうのは私だけでしょうか。

別の友人に、前掛けを見せた時に、half apron と言っていました。 

他にも、short apron と言ったり、腰につけるので waist apron とも言うそうです。

これらに対して、長いタイプのエプロンは、long apronbib apron という表現もオンラインショッピングのサイトで使われています。

bib と言えば、マラソンランナーなどが胸につけるナンバーや、子供が胸につけるよだれかけという意味がありますね。

bib は、ラテン語 bibere (飲む) と関係があるようで、よだれかけというのは、赤ちゃんがミルクなどを飲む時につけるためのものということなのかなあと思ってしまいました。

apron の語源は、ラテン語 mappa = napkin で、古フランス語 naperon (小さいテーブルクロス) から変化したようで、布を意味する語なのですね。

きれいな柄の布で縫われた前掛けエプロンを見ながら、最近は、エプロンをつけるほどの料理もしていないなあと思う今日このごろです。。


ダウンジャケット

この寒い時期でも、ダウンジャケットを着るとやっぱり暖かいねと夫と話していました。

黒のダウンジャケットを持っているのですが、違う色のも買おうかなあ、そのうちに値段も下がるだろうしというようなことを言うと、夫は笑みを浮かべつつ、次のように言いました。

Of course, the price goes down. It's a down jacket.
(もちろん、値段は下がるだろう。 ダウンジャケットなんだから。)

そうでしたね。ダウンジャケットの down も、下への down も同じ発音、スペルでしたね。

そこで、夫に、じゃあ この二つの down は語源的に関連するのかと聞いてみると、もちろん知らないと言うので調べてみることにしました。

まず、ダウンジャケットの down は、 8世紀ごろからスカンジナビア半島で使われていた古ノルド語由来の語で、the soft feathers of a young bird (ひな鳥の柔らかい羽) という意味です。

下への down は、古英語 ofdune = downwards が語源で、of dune は、from the hill (丘の上から) ということのようです。古英語 dun は height, hill, moor (高さ、丘、荒れ地) という意味です。

なので、これらの二つの down は、別の歴史がある語ですね。

down (下へ)が、dune (砂丘、砂の小山) と関連するとは想像もしませんでした。

dune という語は、それほど見かける語でもありませんが、鳥取砂丘のことを、Tottori sand dunes と聞くことがあるかもしれません。

また、ニューメキシコ州には、White Sands National Park (ホワイトサンズ国立公園)があり、私も何度か行きましたが、真っ白できれいな砂丘がとても幻想的です。

息子が小学生の頃、そこへ遠足に行き、私を含め何人かの親もボランティア chaperon (付き添い)として行き、子供たちが白い砂丘をそりにのって滑るのを見ていました。

Visitors were sledding down the sand dunes.
(観光客たちは、砂丘をそりで滑っていた。) 

dunedown している光景から、down (下へ) という語、意味が生まれたのだろうか、もしそうなら、それはどこの dune なのだろうといろいろと想像してしまいます。

2019年に、家族で鳥取の三朝温泉に泊まり、鳥取砂丘に行ったことも懐かしく思い出します。

ダウンジャケットという言葉から、つい話が広がってしまいましたが、何でもない会話から思いもよらなかったことを考えたり、学ぶきっかけになったりするものですね。

コロナ禍で気が滅入ることもありますが、そんなちょっとした時間を楽しんでいます。


サッシ と サッシュ

「はちまき」 は、headband でいいのでしょうが、 駅伝のランナーがかけている 「たすき」 はどうでしょう。

sash と言うようです。

He handed his sash to the next runner.
(彼は次の走者にたすきを渡した。)  のように言えます。

今月初めに伊勢で行われた大学駅伝を見ながら、sash と言えば、「窓枠、サッシ」 という意味もあるなあと思い出しました。

窓のガラスや網戸を支える枠の部分も sash と言いますね。

英語では、たすきも窓枠も sash なのですね。

たすきには、卒業式などに斜めにかけたり、両肩から腰のあたりまでかけるものもあります。

また、腰に付ける幅の広い帯も sash(サッシュ) なので、着物の帯も sash と呼んでもよいのかもしれません。

ところで、① たすきや帯という意味の sash と ② 窓枠という意味の sash は、語源が違うようです。

① は、アラビア語の shash = muslin cloth (モスリン生地)、② は、フランス語の châssis (シャスィと発音)= frame (枠)ですが、英語では、どちらも sash となったのですね。

まったく異なる意味の外国語が、英語ではたまたま同じスペルに落ち着いたということですね。


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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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