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フィーナム

先日は WBC 侍ジャパンの準決勝、決勝の試合を見て感動しました。 才能ある人たち同士の素晴らしい試合でしたね。

私は普段はメジャーリーグの試合はあまり見ないのですが、これを機会にちょっと見てみようかなと思ってしまいました。

佐々木朗希投手のことを、解説者が 21 year-old phenom と言っていました。

phenom と見ると、phenomenal (驚くべき、驚異的な) という形容詞と関係があるのは分かりますが、耳から入るとまったく別の語のように聞こえました。

phenom (fínɑ̀m ) フィーナム*

phenomenal (fənɑ́mənəl) フェノメナル

phenom の定義は次のように載っています。

One who is extremely talented, able, or skilled; specif., in sports, a young, exceptionally gifted or promising player.
(非常に才能、能力、スキルがある人で、特にスポーツにおいては若くて並外れて優れた前途有望な選手のこと)

phenomenon (奇才、逸材、驚異的な人) という名詞もありましたね。

phenom は、phenomenon の短縮形で、a person of phenomenal ability ということですね。

語源辞書には phenom は、U.S. baseball slang だと載っていました。

baseball phenom の佐々木選手の今後も楽しみです。


* phenom はイギリス英語では finɔ́m フィノムとなり、他の発音の仕方もあるようです。


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Lights were lit !

ニューヨーク Rockefeller Center の約 25 メートルの高さのクリスマスツリーのライトが点灯されたとテレビで伝えられていました。

いつもテレビで見るあの大きなきれいなツリーを一度はニューヨークに行って見てみたいなあと思ってしまいます。

NBC の Today という朝の番組の中で、この Lighting ceremony の映像があり、笑いながら次のように言っていました。

The lights were ①lit. We get ②lit.
(ライトは点灯された。 人は酔っぱらう / 楽しい時間を過ごす。)

二つの lit を並べて使って、ちょっとした言葉遊びのようなものでおもしろいなあと思いました。

どちらの lit も、light (動詞) の過去形 / 過去分詞形ですが、意味は違います。

① の lit は、「点灯する」 という意味です。

light の過去形 / 過去分詞形には lighted もありますが、lit の方がよく使われるように思います。

ただ、形容詞的に使われる場合は lighted の方が普通のように思います。

例えば、クリスマスツリーが二つあり、一つはライトが点灯しているもの、もう一つは点灯していないもので、どちらが欲しいかと聞かれた場合、I want the lighted Christmas tree. と言えます。

しかし、副詞が付くと well-lit room (照明の行き届いた部屋) のように lit ですね。

そして、②の lit は、スラングで次のような意味があります。

intoxicated, exciting, excellent
(酔って、わくわくした、優れた)

酔うと、顔の表情が明るくなるから lit なのでしょうか?

そして、酔っぱらうとハッピーな気分になってうきうきする感じなのかもしれませんね。 でもドラッグでハイになる場合にも使える表現のようなので、このようなスラングは私たちが使うこともないのですが、意味は知っておいてもいいですね。

クリスマスのライトが点灯されて、人々は酔ったようにうきうきしているのかもしれません。


NASA 打ち上げ再延期

NASA が月探査のためのロケット打ち上げを先月延期し今日打ち上げの予定でしたが、再延期ということになりました。

テレビを見ていた夫が次のように言いました。

They scrubbed the launch again.
(打ち上げがまた中止になった。)

scrub と言えば 「ごしごしみがく」 ことですが、次のような意味もあります。

to decide not to do something you had planned to do
(計画していたことを、しないことに決めること)

cancel, abandon (中止する、諦める、断念する) ということです。

また、scrub の意味として、次のように書かれたオンライン辞書もありました。

to cancel or call off (esp. a rocket launch before or during the countdown)

(中止したり取りやめること、とりわけカウントダウン前やカウントダウン中のロケット打ち上げについて言う)

なるほど、テレビのニュースや記事にも scrub がよく使われているわけですね。

Artemis launch was scrubbed
(アルテミス打ち上げは中止 / 延期された。)

postpone (延期する) という語は、post = after + pone = put なので、中止というよりも先送りするという意味の語ですね。

scrub は、こすって消してしまうという感じですね。

ごしごしみがいて汚れを取り除くように、計画していたことを取り除くということなのでしょうね。

日本語に訳す場合は、中止、延期のどちらでもいいように思います。

次の打ち上げ予定は決まっていないようですが、今度こそ三度目の正直で成功してほしいものです。


以前、scrubs には 「医療関係者の制服」 という意味があることを書きました。ご参考までに記事はこちら


食べすぎた後の眠気

息子を大学へ送りに行く途中で入ったレストランでの食事の量がとても多く、通常は持ち帰り用のボックスをもらって半分は次の日のランチに食べることがあるのですが、その日はホテルに宿泊したので、無理してアメリカサイズの量を食べてしまいました。

お腹がいっぱいになると眠くなると言いますが、まさにそういう状態でホテルの部屋でうとうとしてしまいました。

息子が food coma という表現を聞いたことがあると言います。

オンライン辞書に次のような定義が載っています。

a colloquial term for the sleepiness or drowsiness that follows a large meal, often the Thanksgiving feast.

(大量の食事後の睡魔や眠気という意味の話し言葉で、感謝祭のご馳走について言うことが多い。)

coma というと 「昏睡状態」 というのは知っていましたが、このようなちょっとシリアスな医学的な語を food coma のように食べ過ぎで眠くなる時に使うのがおもしろいなあと思いました。

I was in a food coma after eating the huge meat loaf and mashed potatoes.

(巨大なミートローフとマッシュポテトを食べた後、眠気に襲われていた。)

food coma というのは Merriam Webster 辞書には 2020年に追加されたそうで新しい言葉のようです。


かわいいキャベツ

愛情を示す呼びかけ語として honey や sweetheart などがあるのはよく知られています。

また、お母さんが子供に、pumpkin と呼んでいるのも聞いたことがあります。

pumpkin はパイを作ったり甘くてかわいい感じがするので、それほど違和感がなかったのですが、cabbage はどうでしょう。

今、私が読んでいる本 The dictionary of lost words の中で、子供への呼びかけ語として、cabbage が下記のように使われると載っています。

この本は事実を含んだオックスフォード辞書についての歴史小説で、たまたま空港の書店で見つけてメモしておいて、図書館で借りて読んでいます。

Come here, my little cabbage, and give me a hug.
(かわいい子、ここに来てハグしてちょうだい。)

夫も pumpkin は聞いたことがあるけれど cabbage は聞いたことがないと言うので、イギリス英語なのでしょうね?

それにしても、cabbage は甘いかわいい感じではないように思い、どうしてキャベツなのだろうと思い調べてみると、フランス語 mon chou (私のキャベツ = かわいい人)と関係するようです。

シュークリームのシューはフランス語の chou で、キャベツの形をしていますね。

シュークリームという言葉は、英語の cream puff と フランス語の chou à la crème を組み合わせたのでしょうね。

ということで my little cabbage というのも甘いお菓子のイメージなのだと分かって納得しました。

アメリカでは sweetie pie という呼びかけ語はよく聞きますが、そのようなものかもしれませんね。


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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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