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人を表す接尾辞

Today という朝のテレビ番組の中で、次のようなキャプションが出ていました。

9-year-old fashionista goes viral
(9歳のファッショニスタがネット上で話題となる)

fashionista という語が目に留まりました。

定義は次の通りです。

someone who is very interested in fashion or who works in the fashion industry
(ファッションに興味がある、もしくはファッション業界で働いている人)

意味は容易に想像できますが、語尾の -ista の部分が気になりました。

X fashioinist ではなく、〇 fashionista ですね。

でも、スタイリストは、〇 stylist で、X stylista ではないですね。
( stylista というテレビ番組はあるようですが)

他には、barista という語があり意味は次の通りです。

a person whose job is to make coffee in a café
(カフェでコーヒーを作る仕事をしている人)

barista は、bar (バー)+ ista で、イタリアではバーテンダーということになります。

-ist や -ista の両方があるのは、フランス語、スペイン語、イタリア語などのラテン系の言語の影響ですね。

例えば、アーティストは次のようになります。

artist (英語)
artiste (フランス語)
artista (スペイン語、イタリア語)

先日、私が barista (発音:アクセントは i の上です)について夫と話をしようとしたら、発音の仕方が悪く、barrister (発音:アクセントは a の上です) と間違われてしまいました。

barrister は 「弁護士」 という意味で、bar には、「バー」 以外に 「法廷、裁判」 のような意味もありますね。
英語には、他にも 「弁護士」 を意味する lawyer や attorney という語もあり、なかなか複雑なものです。

形の上では、bar + 人を表す接尾辞ですが、barista (コーヒーをいれる人) と barrister (弁護士)では意味は大きく異なりますね。

-ister も古フランス語の影響のようです。

-ist -ista -ister など、英語はいろいろな外国語に影響されていて複雑ですが興味深い言語だなあと思います。

ご参考: 語尾についての記事
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gymnastics の選手

オリンピックに関する記事を読んでいて、「体操選手」 は、gymnast であることに気づきました。

gymnastics (体操)の選手なので、gymnast というのは分かるのですが、私は gymnist (誤)だと思っていました。

人を表す名詞語尾としては、- ist の方が一般的ですね。

pianist artist journalist などのたくさんの例がありますね。

psychology → psychologist

economics → economist  などもあります。

また、physics → physicist (物理学者) もあれば、physician (医者、内科医) という語もありますね。

ちなみに、フランス語 physicien は、物理学者という意味になるので混乱しないよう注意が必要です。

politics → politician のように、-ian も名詞を作る接尾辞ですね。

こんな風に考えると、gymnast は、特殊な語のように思いました。

他にも -ast で人を表す名詞はあるのかと考えてみましたが、あまり思いつきません。

調べると、enthusiastic → enthusiast (熱心な人) があり、baseball enthusiast (野球ファン、野球狂) のように、一般的に使われる語ですね。

gymnastenthusiast は、gymnastist (誤)やenthusiastist (誤) よりも発音的に効率がよかったのかもしれません。

ふと思いましたが、pianist の他に piano player と言う場合もあり、ニュアンスが少し異なるように思います。

pianist の方がレベルが高く、piano player は、ピアノがある程度弾ける感じがしますがどうなのでしょう。

とりとめなく書いてしまいましたが、人を表す名詞語尾にも様々な種類があり、一筋縄ではいかないものです。


coachable な人

He is very coachable. のように言うのを聞くことがあります。

coach (コーチ)はよく知っている語ですが、coachable は、どうでしょう。

私の持っている英和辞書には載っていない語ですが、capable of being coached (指導される能力がある) ということは想像できます。

coachable についてハフポストの記事に次のような文がありました。

Being coachable means you're open to listening to feedback, able to receive constructive criticism without taking it personally, willing to take a look at your own performance in order to improve it, and generally a super-badass-enthusiastic go getter type of person.

(指導される能力があるということは、評価や意見に耳を傾けて進んで学ぼうとし、建設的な批評を個人への攻撃ととらえずに受け入れることができ、自分自身のパフォーマンスを向上させるために前向きに見ようとし、一般的に超優秀で熱心な自発的に仕事ができるタイプの人であるいうことだ。)

coach と言うと、まず 「スポーツのコーチ」 を思い浮かべるかもしれませんが、「指導者、指南役」 という意味もあり、coachable は、スポーツの世界だけではなく、学校や会社、職場など、学んだり成長するための場で大事な性質だと言えそうです。

物事を謙虚に素直に受け入れて学んでいくことで、自分自身の成長につながっていくのでしょうね。

coachable な人でありたいものです。


人騒がせな人

少し前に、トランプ大統領が、アメリカ国立アレルギー、感染症研究所のファウチ所長のことを、alarmist と言ったことがありました。

alarm は、「警報、びっくりさせる」 のような意味があり、alarm clock は、「目覚まし時計」 ですね。

alarmist は、そのまま 「警報を発する人、びっくりさせる人」 という想像はできますが、次のような定義が載っています。

someone who makes people worried by telling them about bad or dangerous things when it is not necessary or helpful
(必要でなくまた役に立たない時に、よくないことや危険なことについて伝え、人々を心配させる人)

「(虚偽の警報を発する) 人騒がせな人」 という訳も載っています。

alarmist rumors (人騒がせな噂) のように、alarmist は、形容詞としても使えるようです。

alarmist と言われたファウチ所長は、次のように返答したようです。

I consider myself more a realist than an alarmist.
(私は自分自身を、人騒がせな人というより現実を重んじる人間だと考えている。)

ところで、alarm は、イタリア語 all'arme が語源で、to the arms (武器を取れ) ということのようですね。 alarm の a が to で、l は冠詞です。

alarm の中の arm が武器ということで、warning = 警報ということになるわけですね。

同じように、alert も、イタリア語 all'erta = to the height (高台へ) = on the watch で、「警戒した、注意を怠らない」 ということになるようです。

とりあえず音として覚えた言葉の語源が分かると、なるほどと思いますね。

alarmist は、語源的に強い警報を発するという感じはありますが、不必要に人を心配させるというニュアンスがついてくるということも知っていないといけませんね。


アクチュアリー

息子が数学が好きなので、数学を専門とした職業には、どんなものがあるのだろうかと友人と話していた時に、 actuary はどうかなあという話になりました。

私は、数学を使う職業は、数学を教えるぐらいしか思いつかず、actuary と聞いた時に、そんな言葉があるとは知らず、actually (実際には)と混乱したぐらいです。

actuary とは、「ビジネスにおける将来のリスクや不確実性の分析、評価等を専門とする専門職」 ということで、 「保険数理士」 などと訳されているようです。

この夏にアメリカの大学を訪問した時にも、数学科の中で、actuary を目ざすコースがありました。

actuary は、clerk (事務官)や account-keeper (簿記係)や short-hand writer(速記者)を意味するようなラテン語 actuarius、 actus を語源とし、act (行動する) と同じ語源で、何かをするという基本的な意味があるようですが、現在では、保険料などの計算をする保険数理士という意味で使われるようです。

カタカナでアクチュアリーとも言うそうですが、どれほど知られている言葉なのでしょう。

私が間違いそうになった actually とも同源ということですね。

そして、次のような質問をすることも可能ですね。。

What does an actuary do actually
(保険数理士は、実際には何をするのでしょうか。)

ちなみに、息子は、保険数理士には、それほど興味はなさそうで、もう少し物理系の方を目ざしているようです。

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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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