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塩で味付けされた言葉

ある大学の宗教主事の方が書かれた記事を読みました。

聖書の中の次のような文について書かれたものです。

Let your speech always be gracious seasoned with salt, so that you may know how you ought to answer each other.

(いつも、塩で味付けされた快い言葉で語りなさい。そうすれば、一人一人にどう答えるべきかが分かるでしょう。)

塩で味付けされた言葉とは、どのように解釈すればいいのかと、記事を読み進めました。

言葉で何かを伝えるときには、塩で味付けすることが大事だということです。 素材の味わいが一番大切ですが、その味わいを塩はさらに引き立てさせると書かれています。

多すぎても少なすぎてもいけない。 よい塩加減には修練、熟練が必要だということです。

言葉を塩で味付けするということは、tolerance (寛容)、thankfulness (感謝)、kindness (親切)などで味付けした表現ということのようですね。

批判をしたり、文句を言うことは簡単ですが、その前に一呼吸置いて、ちょうどよい塩加減で味付けしてみることも大事かもしれません。

私はクリスチャンではありませんが、聖書には、よい言葉がたくさん含まれているように思います。


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突然のひらめき

5月の末から6月にかけて、こちらでは卒業式がありますが、息子が通っている高校の卒業式も終わり、卒業生に向けた校長先生の言葉が、新聞に載っていました。

Principal advised graduates to learn from their failures, which often lead to epiphanies that may lead to future success.

(校長先生は、卒業生たちに、失敗から学ぶこと、そこから突然ひらめいて悟ることがよくあり、それが将来の成功へと導いてくれるかもしれないとを助言した。)

epiphany が、ひっかかりました。

これは、「(事の本質、意味についての)突然のひらめき、直観、悟り」などと訳されています。

I've just had an epiphany. (突然ひらめいた。) のようにも使えます。

そして、大文字で、the Epiphany となると、キリスト教において次のような意味があるようです。

キリスト生誕の際に、東方の三博士が、Bethlehem を訪れたことを記念する日(1月6日)ということです。

クリスマスは、キリストの誕生を祝う日ではありますが、実際の誕生日は、分からないようですね。

epiphany というのは、語源的には、「出現、現れ、明示」という意味があり、超自然的なものの出現ということですが、宗教的な意味ではない悟りという意味でも使われるようです。

校長先生がおっしゃるように、失敗など、何かをきっかけに悟ることは、多々あるように思います。 それを前向きにとらえて、前進することは大事なことだと思います。


the salt of the earth とは、どんな人か

先日、ケンタッキー州の高校での銃乱射事件のことを書きましたが、亡くなった生徒についての記述の中に、次のような文がありました。

She was simple, easy to love and the salt of the earth.
(彼女は、飾り気がなく、誰からも愛されやすく、正直で信頼できる生徒だった。)

the salt of the earth は、聖書の言葉で、辞書には、「世人のかがみ」と載っていますが、「正直な、信頼できる」という意味で、人の善良さを表すことができる表現のようです。

salt (塩)というのは、料理をするにも、なくてはならないものですが、昔は、もっと価値のあるものだったようで、古代ローマでは、兵士は、salt (塩)をお金として受け取っていたそうです。

そのお金のように受け取っていた塩は、ラテン語で、salarium と言い、これが、英語の salary (給料)の語源のようです。

現在の生活では、塩と給料には、何の関係もないように見えますが、こんな風に言葉の歴史を知ると楽しくなりますね。

the salt of the earth というのは、基本的なものではあるけれど、価値があるということで、それが、人間の善良さということになるのでしょうか。 

the salt of the earth という表現の深さ、重さを感じます。


the Golden Rule

アメリカの南部は、Bible Belt (聖書地帯)と言われますが、確かに、会話でも、文章の中でも、聖書に関連する言葉が、入っていることがあります。

the Golden Rule (黄金律)というのもその一つで、よく見かけるのですが、昨日の新聞の記事の中にも次のような文がありました。

Schools are the easiest target for what's wrong with our world, but it is in the intact, traditional family, demonstrating and teaching the Golden Rule, that children have the best chance for succeeding in the world.
(学校を世の中の悪に対しての攻撃対象にするのは簡単なことだが、実は、変わらない従来の家族というものが、黄金律を説明し、教えることにより、子供は世の中で成功する機会を見つけるのです。)

the Golden Rule とは、聖書には、次のように書かれています。

Mathew 7:12
Therefore, whatever you want men to do to you, do also to them, for this is the Law and the Prophets.
(それゆえ、あなたは、自分にしてほしいことを、他の人にもしてあげなさい。 これが、律法と預言者=旧約聖書の教えだから)

the Golden Rule は、「黄金律、行動規範」などと訳されていますが、要するに、自分がされて嫌なことは、人にもしない。自分にしてほしいことを人にもしようという、道徳の基本ですね。

日本の学校は、道徳の時間がありますが、こちらでは、聖書を通して学ぶということでしょうか。

アメリカでは、 the Golden Rule として知られていますが、日本では、孔子の「己の欲せざるところ、他に施すことなかれ」という言葉の方がよく知られていますね。

学生の頃、キリスト教学を一般教養として、取ったことがありますが、宗教としてではなく教養として聖書を読むのは、おもしろかったように記憶しています。 

敬虔なキリスト教徒の友人からもらった聖書があるのですが、たまには読んでみるのもいいかなと思ったりしています。

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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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