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恥ずかしがり屋な花?

BSニュースで、 アメリカ大統領選挙の民主党候補 Michael Bloomberg のインタビューを聞いていて、ひっかかった表現がありました。

家族のことを聞かれて、答えていた中の一文です。

My daughters are very dedicated and have their own views. Neither one is a shrinking violet. They stand up and fight for what they believe.

(私の娘たちは、とても献身的で、自分たちなりの考えを持っています。 どちらも引っ込み思案ではありません。 彼女たちは、自分たちが信じることのために、立ち上がって戦います。)

shrinking violet という表現は、初めて聞きましたが、「恥ずかしがり屋、引っ込み思案な人」 という意味があるようです。

shrinking violet の他に、as shy as a violet という表現もあるようです。

violet は、「スミレの花」 ですが、辞書には、「謙譲、貞節、薄命」 の象徴と載っています。

また、「スミレ色」 = 紫という意味で使われることも多いですね。

shrink は、「縮む」 という意味ですが、「ひるむ、しり込みする」 のようにも使える語です。

イギリスの野生のスミレは、地に這うように、葉っぱの中に隠れて、ひっそりと咲いているようで、そのようなスミレの特性から、shrinking violet という表現が生まれたようです。

ところで、同じような花に、viola や、pansy があり、これらは、同じスミレ科に属するようですが、violet が、野草であるのに対して、園芸用に品種改良されたものだそうです。

また、言葉的には、violet は、ラテン語 viola の diminutive (小型)ということで、violet の方が、viola よりも小さいようです。

book と booklet (小冊子)のような関係ですね。

余談ですが、viola というと、楽器の 「ビオラ」 という意味もありますね。 そして、その小型が、violin (バイオリン)ですね。

公園などでよく見かけるカラフルなパンジーは、とても恥ずかしがり屋には見えませんが、野草のスミレは、また趣が違うようですね。


ご参考までに、パンジーについての記事は →こちら


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アジサイについて考える

昨日、花の名前について書いた後、アジサイについて思い出したことがあります。

アジサイを英語で言うと、hydrangea ですが、これは、理にかなった名前です。

ギリシャ語で、hydro- (水の) + angeion (器)ということで、水を好むアジサイの名前にはふさわしいですね。

これで、納得していると、息子が別の解釈をして、これもおもしろいなあと思いました。

hydrangea は、hydra のような花だからそう呼ぶのかもしれないと、半分冗談のように言うのです。

hydra とは、ギリシャ神話に出てくるウミヘビのことで、9つの頭をもつと言われています。 ひとつの頭を切ると、ふたつの頭ができると言われています。

小さい花がいくつもくっついるアジサイが、ウミヘビの頭のようだというわけです。

Percy Jackson and the Olympian という本のシリーズがあり、ギリシャ神話の神々が登場する冒険物語ですが、子供が楽しくギリシャ神話にふれることができ、私も3巻めぐらいまでは読みました。 ギリシャ神話の神々のつながりなどを理解するのにも役立つ本だと思います。

そのシリーズに、hydra が、出てきたようですが、たくさんの不気味なウミヘビの頭ときれいなアジサイとでは、全然違うもので、息子の考えは間違ってはいるのですが、hydra も、ウミヘビということで、「水」と関係がないこともないなあと思いました。

hydrant は、「消火栓」のことですね。 また、hydrate は、「体内に水分をたくわえる」ことです。

雨にしっとり濡れたアジサイは、美しいもので、やっぱりウミヘビは、一緒に想像したくないなあと思います。


花の名前

友人のメスの犬の名前が、「カナ」なのですが、カナって日本の女性の名前みたいだと、私が言うと、友人は、カナというのは、花の名前だと言います。

そこで、私は、カナという名前の花を知らなかったので、彼女にカナのスペルを聞き、辞書を引いてみました。

すると、canna (カンナ)と載っていました。

カンナは、英語では、カナになるわけですね。 またひとつ覚えました。

バラは、rose、ひまわりは、sunflower のように、それぞれ、日本語があるものと違って、カンナのように、英語をカタカナ読みで覚えていると、実際の英語の発音を聞いたときに、分からないことがあります。

チューリップが、tulip で、テューリップという発音になるのは想像できても、カナがカンナだとは、少しの違いなのに、見当がつきませんでした。

花の名前で、思い出しましたが、かわいくて気に入っている名前があります。

baby's breath (赤ちゃんの吐息)で、カスミソウのことです。

小さい白い花で、よく花束の中に、脇役のように入っているかわいい花ですね。 

Gypsophila elegans という学名もあるようですが、一般には、baby's breath と呼ばれています。

小さいかわいい花の名前にぴったりな、すてきな名前だなあと思います。


mum とは、どんな花か

夫が妻に花をプレゼントしている一コマ漫画がありました。

夫が、I got you a mum. と言い、妻は、あきれた顔をしています。

mum というのは、イギリス英語では、「お母さん」の意味にもなりますね。 アメリカでは、mom ですが。

私は、この mum というのが、どんな花なのか分からず、辞書を見ると、なんと、chrysanthemum (菊)のことだったのです。

chrysanthemum は、長くてスペルも発音も難しいですね。 でもこの単語は知っていたのですが、chrysanthemum の最後の三文字、mum も菊のことだとは、知りませんでした。

そして、菊をプレゼントすることが、どうして漫画になるのかと言うと、mum には、「黙っている」という意味があり、「しっ、静かに!」や「沈黙」という意味もあるのです。

Keep mum about it. (そのことは、黙っていなさい。)のように使われます。

Mum the word. (他言無用だよ。)という慣用句もあります。

この漫画の中の、奥さんは、おしゃべり好きで、夫が、「静かにして」というメッセージを託して、菊を贈ったということです。

普通は、「黙れ」というメッセージをこめて、菊をプレゼントする人は少ないと思いますが、mum に、「菊」と「静かに!」という意味があることは覚えておいてもいいですね。

パンジーについて

以前に読んだ新聞の記事の中に、pansy について書かれたものがありました。

pansy は、パンジー、三色すみれとも呼ばれますね。

pansy という花の名前の語源など、考えたこともなかったのですが、記事によると、pansy は、フランス語の pensée (パンセ)から来ているようです。 パンセとは、英語では、thought になり、「思考、考え、思想」というような意味です。

シェイクスピアが、ハムレットの中で、次のように pansy を使っているようです。

There is pansies, that's for thought.
(パンジーがある。 それは思考するということだ。)

余談ですが、この文の pansies (複数形)に対して、動詞が is になっているのが、どうしてなのかはよく分かりません。 複数形に合わせると are であるべきなのではと思いますが、何か他のルールがあるのか気になりますが、ここではあえて追究しないことにします。

この記事を読んだ後、パンジーという花が、小さくてかわいいだけでなく、何か高尚なイメージがしていたのですが、そういう意味ばかりでもないようです。

最近は、少しのことで傷つきやすい人が多いということが書かれたカジュアルな文の中で、その理由のひとつとして、Because he is a pansy. (傷つきやすいのは、彼がめめしいからだ。)というのがありました。

この pansy は、「弱々しい、めめしい男」という意味になります。

確かに、パンジーは、デリケートな弱いイメージもありますね。

男性にとっては、パンジーは、言われたくない言葉ということになりますね。

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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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