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teller と listener

次のような銀行の広告を見つけ、なかなかおもしろい広告だなあと思いました。

Every bank has tellers.
We have listeners, too.

teller は、「銀行の窓口係」 のことですね。

tell は、「言う」 という意味があるので、それに listen 「聞く」 を対比させています。

上記の広告文は、「どんな銀行にも窓口係はいるが、我々の銀行にはよい聞き手もいる」 という感じでしょうか。

銀行の窓口係を 「言う人」 ととらえているところがおもしろいですね。

次のような補足説明が載っています。

We'll listen to you and recommend products that fit your specific financial needs.
(お話を聞いて、あなたの特定の金融上のニーズに合う商品をお薦めします。) 

今まで teller = 銀行の窓口係と覚えていましたが、あらためて、どうしてなのか気になりました。

オンライン語源辞書に tell は、古英語 tellan 由来の語で、 reckon, calculate, number などの意味があり、元々は「計算する、数える」 という意味の語だそうです。

なので、teller というのは、 one that reckons or counts (計算する / 数える人) ということになりますね。

なるほどそれで銀行の窓口係となるわけですね。

tell の用法も変化して、現在は 「言う、伝える、見分ける」 などの意味で使うことが多いですが、teller という語には、古い英語の意味が残っているわけですね。


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卒業おめでとう

3月は卒業式の季節で、次のように、お祝いのカードを書いたり、プレゼントを贈ったりすることがあるかもしれません。

Congratulations on your graduation.
(卒業おめでとう。)

congratulationsgraduation は、発音もスペルも少し似ていますね。

私が、友人の娘さんの卒業のお祝いカードを書こうとしていると、夫が、Congraduations とまとめて書いたら、おもしろいよと言います。

なるほど、卒業のお祝いには効率のよい表現ですが、今のところ、正式には認められていない語のようなので、言葉遊びということです。

私のような英語のネイティブではないものが、congraduations と書くと、単なるスペルミスだと思われてしまうと言うと、それなら、Con Graduations ! と分けて書けばよいと言います。

確かにおもしろいので、採用することにしました。

congratulation は、 com = together, with (一緒に、共に)+ gratulari =give thanks, show joy (感謝する、喜びを示す) で、「祝うこと」 という意味ですね。

gratuity は、レストランなどで払う tip (チップ) の改まった言い方です。

No gratuities accepted in this restaurant.
(当レストランではチップを頂いておりません。)  のように言えます。

チップは、サービスに対して感謝の気持ちを表すものですね。

graduation は、「卒業」 の他に、「目盛り」 という意味もあり、gradus = a step (toward something) が基になっています。 一歩ずつ進んで、卒業するイメージですね。

ご参考までに、かなり前に書いた記事はこちらです → graduated cylinder

congraduations という言葉遊びは楽しいですが、congratulationgraduation という、本来のスペルは間違えないようにしなければいけませんね。


バッカ二アーズ

昨日はBSで、アメリカンフットボールのスーパーボウルを夫と息子が見ていたので、私も少し一緒に見ていました。

Tampa Bay Buccaneers が、昨年優勝した Kansas City Chiefs を破って、優勝しました。

buccaneer は、バッカニアとカタカナで書くと、馬鹿のようでインパクトがある名前ですが、「カリブ海周辺の海賊」 という意味だそうです。 

フランス語 boucaner は、「肉を燻製にする」 という意味があります。

boucan は、肉を薫製するための木枠のことで、boucanで薫製にした肉を船乗りに売る強盗団がおり、後に海賊になったために、buccaneer の語源となったようです。

試合を見ながら、息子が buccaneer を使ったなぞなぞ?だじゃれ?を言いました。

How much does corn cost in Tampa Bay?
(トウモロコシは、タンパベイではいくらでしょうか。)

夫はすぐに、笑っていました。

私はちょっと時間差がありましたが、何とか分かりました。

答えは、(a) buck an ear (1本1ドル)で、 これが、Buccaneer と発音が近いからです。

ear には、「トウモロコシの穂」 という意味があり、an ear of corn は、「トウモロコシ1本」 です。

これはちょっと難しいですね。

buck は、俗語で 「1ドル」 ですね。

19世紀中頃に、開拓者の物々交換に、buckskin (雄のシカ革)を単位として使っていたのが語源だそうです。

我が家では、こういうなぞなぞ、だじゃれが、いつ飛んでくるか分からず、いつもよい頭の体操になっています。。


関わるレベルが違う

物事を達成するために、いろいろな人が関わることがありますが、それぞれ関わり方の程度が違うということを表す表現を夫から聞き、おもしろいなあと思いました。

朝食にトーストと一緒に bacon and eggs を食べることがあります。

bacon は豚の肉で、egg は、鶏が産み落とすものですね。

そこで、次のようななぞなぞがあるようです。

In a bacon-and-egg breakfast, what's the difference between the Chicken and the Pig ?
(ベーコンエッグの朝食で、鶏と豚の違いは何か?)

少し考えれば、分かるかもしれませんね。

答えは次の通りです。

The Chicken is involved, but the Pig commits !
(鶏は関与しているが、豚は全てをささげている。)

鶏は豚ほど犠牲を払っていないということですね。

鶏と豚の関わるレベルは違いますが、鶏と豚の両方がいて、ベーコンエッグというおいしい朝食ができるわけですね。

何かを達成するためには、チームワークが大切だということを示したり、スポーツの分野で、勝ったチームが自らを豚に例えて、献身レベルの高さを言うのに使ったりするそうです。

全てをささげられるほどの何かに出会えることも幸せなことかもしれませんが、チームの一員として、できることで貢献することも大事なことかもしれませんね。


言葉遊び

夫は、シャワーを浴びる前に、よく次のように言います。

I will go shake a tower.

take a shower と言う代わりに、頭音転換させる言葉遊びのようなものです。

shake a tower (塔を揺する) と take a shower (シャワーを浴びる) とは意味的には何の関係もなく、音を入れ替えて楽しんでいるわけです。

これは、spoonerism と言い、「頭音転換、スプーナー誤法」 のように訳されています。

もともとは、イギリスの Spooner 牧師が、このように単語の先頭の音の入れ違いをよくしていたことから付けられた名前のようです。

- jelly beans → belly jeans (お腹ジーンズ)

- show you to a seat → sew you to a sheet (紙にあなたを縫い付ける)

ただ、これらは、現代の Spoonerism であり、Spooner 牧師のオリジナルではないようです。

Spoonerism のオリジナルとしては、次のような例が載っていました。

Is it kisstomary to cuss the bride?"

これは、customary to kiss the bride (新婦にキスをするのは慣習)の言い間違いで、kisstomary という語は存在しませんし、cuss the bride (新婦を罵る)となっているのが、おかしいですね。

日本語でも舌がもつれたり、マイケル ジャクソンをジャイケル マクソンと言い間違ってしまうことはありますね。 

このような間違いで有名になったのが、Spooner 牧師のようですが、ちょっと笑える楽しい間違いですね。 

間違いからできた spoonerism ですが、頭の体操にもなり、いい言葉遊びになるかもしれませんね。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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