先週、一冊の本を読み終えました。
The Dinnerというタイトルで、著者は、Herman Kochというオランダ人です。
英語に翻訳されて、New York Times bestsellerのようです。
心理サスペンスものですが、読んだ後、考えさせられるよい本でした。
この本の表紙に、次のように書いてありました。
chilling, nasty, smart, shocking, and unputdownable
(ぞっとする、ひどい、抜け目のない、ショッキングな本で、おもしろくてやめられない)
最後の単語、unputdownableは、un + put + down + able(ものなどを下に置くことができない)と分解すると分かりやすいですね。
「本などが、おもしろくてやめられない」という意味になります。
この単語につられて、手に取ってしまいましたが、読んでいると確かにunputdownableな本でした。
本屋さんに、足を運ぶと、目的以外の本を買ってしまうことがよくあります。 世の中には、多くのよい本がありますが、一生のうちに読める本は限られていて、本も人と同じで、出会いだなあと思います。
これからも人も本も、よい出会いをしたいものです。
Jacuzzi(ジャグジー)は、日本語にもなっていますが、商標名だったことを、テレビドラマThe Big Ban Theoryの中で知りました。
では、ジャグジーのような泡風呂の一般名詞は、何と言うでしょうか。
答えは、hot tubです。 tubは、バスタブのタブで、hot tubは、温水浴槽と訳せます。
Jacuzziとは、イメージするものが違ってしまいそうですね。
ウィキペディアには、whirlpool bath(渦流浴槽)とも載っていました。
ドラマの中で、主人公が、次のように言っていました。
Jacuzzi is a commercial brand, hot tub is the generic term. All Jacuzzis are hot tubs but not all hot tubs are Jacuzzis.
(ジャグジーは、商標名で、ホットタブが、一般的な呼び名だ。 すべてのジャグジーは、ホットタブと言えるが、すべてのホットタブはジャグジーとは言えない。)
日本語では、ジャグジーとグが濁音ですが、英語では、ジャクージーとクは濁らず、クの上にアクセントがつきます。
日本語で、フェミニストと言うと、「女性に優しい男性」というイメージがあります。
国語辞典を引くと、二つ意味が載っていました。
①女性解放論者 ②女性を大切にする男
英語ではどうでしょうか。
someone who supports equal rights for women
(女性の同等の権利を主張する人)
つまり、男女同権主義者ということです。 女性解放論者と同じような意味ですね。
注目すべきことは、英語のfeministには、上記の②女性を大切にする男という意味はないということです。
また、男女に関係なく用いられる言葉だということです。
femmeは、フランス語で女性を意味しますが、考えてみれば、女性を意味するfeministやfeminismという単語が、男女同権主義(者)という意味になるのが、おもしろいですね。
traffic light、stop light、traffic stopと並べて書くと、紛らわしいのですが、最初の二つ、traffic lightとstop lightは、信号機のことで、よく知られている単語かと思います。
ではtraffic stopは、どうでしょうか。
スピード違反などをしている車の後ろを、警察の車がライトをピカピカさせながら追ってくる場合がありますが、そういう場合は、車を道路の片側に寄せて、止まらなければいけないという法律があります。
そこで、警察官にいろいろ質問をされたり、traffic ticket(交通違反切符)を切られたりすることになるのですが、そのように警察に車を止められることを、traffic stopと言います。
車を道路の片側に寄せて止めることは、pull overと言い、次のように使えます。
The police officer pulled over the driver who went through the red light.
(その警察官は、赤信号を通り過ぎた運転手の車を道路の片側に止めさせた。)
警察の車がサイレンを鳴らして、ライトをつけて走っている場合は、他の全ての車は、止まらなければいけないことになっています。
traffic lightを無視したり、スピード違反で、traffic stopされないようにしたいものです。
harvestという単語は、「収獲、取り入れ」という意味ですが、最近まで、畑でとれる農作物にのみ使われる単語だと思っていたのですが、そうでないことを知りました。
一週間ほど前の新聞に、七面鳥のハンティング時期だとういう記事が載っていたのですが、下記はその記事の一文です。
Hunters are required to report harvest of eastern turkeys electronically to Texas Park and Wildlife Department within 24 hours of harvest.
(ハンターは、東部の七面鳥を収獲したら、収穫後24時間以内にテキサス公園、野生生物課にメールで報告する義務がある。)
なるほど、日本語では、農作物の「収穫」と動物や魚の「収獲」と、漢字が違いますが、英語では、どちらもharvestでいいようです。
漁獲などは、簡単にcatchを使って表す場合もあるようです。
また、日本語で、「よい収穫を得た」というように比喩的に使うことがありますが、英語も同じように使え、次のような例が載っていました。
She reaped a rich harvest from her study abroad.
(彼女は、留学して、豊富な成果を得た。)
一度覚えた単語でも、使い方を十分理解していないことが、よくあります。
私は、ハンティングに興味があるわけではないのですが、あまりよく知らない分野の記事に目を通すと、見慣れない単語に出くわすこともあり、よい収穫になりました。。。
attitudeは、「態度」、situationは、「状態」、weatherは、「天気」という中立的な意味の単語ですが、これらが、単独で使われるときに、よくない意味で使われることに気づきました。
She has an attitude.
(彼女は態度が悪い。) attitudeには、「けんか腰」という意味もあります。
We have a situation here.
(私たちは、今、難しい状況にいる。) situationには、「難問、難局」という意味があります。
We have a weather coming our way, so we had better leave now.
(嵐が私たちの方向へ来ることになっているので、もう帰った方がよい。) weatherには、「悪天候、嵐」という意味があります。
これらは、日常よく耳にする表現ですが、もともとは中立的な意味だった単語が、中立ではなく使われているのが、おもしろいなあと思っていました。、
bad weatherと形容詞を入れなくても、weatherだけで、悪天候を意味するというのは、どちらかと言うと、悪い天気の方が話題になりやすいからなんでしょうか。
よくわかりませんが、このように使われるわけですから、素直に覚えていくしかありませんね。
昨日、類似のnearについて、書いたところなのですが、今朝のニュースを聞いていたら、near standstillという表現が出てきて、そういう使い方もあったなあと思い出し、もう少しだけnearについて書いてみます。
私の住んでいるテキサスは、花も咲いてすっかり春のような気候になっているのですが、ニューヨーク近辺では、かなりの雪が降って30センチ以上積もっているようで、当然、学校も休みになり、道路では車が動けず、飛行機もキャンセルが続いているようですが、そういういろいろなことが停止してしまう状態のことをnear standstillと表現していました。
standstillは、「動きや活動の停止、休止、行き詰まり」のことで、Snow storm brought NY to standstill.(吹雪でニューヨークが停止した。)のように使えます。
near standstillのnearは、程度を表すnearで、almost(ほとんど...同然、もう少しで...するところだ)ということです。
程度や状態、状況が、近いということですね。
near standstillは、完全な停止ではないけれど、ほとんど停止した状態に近いということです。
また、日本語でも「ニアミス」と言うことがあり、なんとなく和製英語っぽく聞こえてしまうのですが、これは、near missとして辞書にも載っている英語です。「もう少しのところで失敗する、航空機の異常接近」などという意味で、このnearも程度を表すものですね。
ついでに、standstillという一単語の名詞ではなく、stand still 「じっとしている、現状維持する」という使い方もよく聞きます。
例えば、小さい子供に洋服を着せようとしているときに、その子供が動き回って、うまく着せられないときなどに、お母さんが、stand still.(じっとしていなさい。)と言ったりします。
考えてみると、nearは、場所や時間の近さから、程度や類似の近さなど、いろいろな場面で使える単語ですね。
日本の友人から、”出川のはじめてのおつかい”という番組が話題になっていると教えてもらったのですが、見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
イノシシという単語boarを引き出すために、pig near animalと言っていたそうですが、こういう英語でも通じるものだろうかという質問をその友人からいただきました。
もちろん、nearではなく、like(...のような)やsimilar to(...に似た)などを使うべきで、通じないだろうねえという答えをしたところなのですが、状況を説明して、英語のネイティブである夫に実験してみたところ、nearは、通常は距離的に近いということだけど、と言いながら、少し考えてboarを引き出せたのです。 nearでもなんとか通じるもんだと、ちょっとびっくりしました。
それから、nearについて気になってしまい、少し調べてみました。
辞書を引くと、なんと、「類似」のnearがあり、次のような例が載っていました。
Her opinion is very near mine.(彼女の意見は、私の意見ととても近い。)
ところが、animal near pigだと、ブタの近くにいる動物と考えるのが普通で、ブタに似た動物とは、考にくいのは、どうしてでしょうか。
nearを類似として使うのは、何か定規のようなものがあって、その中で近いという場合なのではないかと私なりに考えてみました。
例えば、緑色にもいろいろありますが、色のグラデーションの中で、この緑とこの緑は近いという場合には、類似のnearが使えるのではないかと思います。
opinionという単語も、いろいろな意見がある中で、自分の意見と彼女の意見は近いということで、類似のnearが使えるように思います。
ブタと動物は、ひとつのものさし上にはないものなので、おかしくなるのではないでしょうか。
ブタにもいろいろな品種があるかと思いますが、ブタの品種の中で、このブタとあのブタは、近いという場合にはnearでいいように思います。
これで、一応私の頭の中は、すっきりして、夫も私の意見に同意してくれましたが、これで完全に割り切れることなのかは、分かりません。 もし他の考え方、ご意見などあれば、喜んで伺います。
ついでに、辞書を読んでいると、nearには、「原物に近い」という意味もあるそうで、near silk(ほんものそっくりの絹)や、near translation(原文に忠実な訳)という例が載っていました。
また、親友というと、close friendという方が普通だと思いますが、辞書によると、nearでも間違いではないようです。
私は、個人的には、言葉のことを考えるのが趣味なので、いろいろ書いていますが、実際の会話では、考えている時間がないので、ピントのはずれた単語を使って会話していることも多々あるように思います。
それでも何とか暮らせるものです。 ちょっとおかしいかなと思う単語でも、使って相手を分からせてしまえる度胸も外国語を話すときには必要かなあと思います。
今回、友人からの質問によって、nearについて考える機会ができて、感謝しています。
dog fightって何か知っているかと、息子に聞かれて、「犬のけんか」じゃないのかと答えたのですが、そういう意味もあるけど、違う意味もあると教えてもらいました。
世界史の授業で習ったようですが、dog fightには、戦争での「戦闘機の空中戦」という意味があるようです。
国語辞典にも、カタカナでドッグファイトと載っていたので、日本語でも使われる語彙なのかもしれませんが、私は知りませんでした。
He was shot down in a dog fight over enemy territory.(彼は、敵の領域で、空中戦により撃ち落とされた。)のように使えます。
また、dog fightには、「激戦、乱闘」という意味もあり、次のような例も載っていました。
The election has turned into a real dog fight. (選挙は、本当に激戦になってきた。)
また、cat fightという表現もあるのですが、こちらは、「女性同士の取っ組み合いのけんか」のことです。
ネコが、ひっかいたり、ひっぱったりする様子が、女性のけんかのようだということなのでしょうか。
cat fightは、あまり見かけることはないように思うのですが、学校などでは、ののしり合いから取っ組み合いになるケースが、たまにあるようです。
同じfightでも、dogとcatで、まったく違う状況を示す言葉になりますね。
男の子っぽい女の子のことを、boyish(ボーイッシュ)と言ったりしますが、他にも日常よく耳にするishが付いた単語がたくさんあります。
そういえば、Englishにもishが付いていますが、これは、「国籍や人種」などを表すishです。
子供っぽいという意味で、chilldishという単語がありますが、これは、「性質」などを表すishで、boyishもこのishに含まれます。
また、色を表現するときに、例えば、はっきりとした紫ではなくて、紫っぽいというときに、purplishと言えます。 このishは、「...がかった」という意味です。
また、年齢や時間などが「およそ...の、...頃」という意味で使え、よく会話で聞くことがあります。
例えば、How old is she?と聞かれて、She is about 40-ish.(彼女は、だいたい40才ぐらいだ。)と答えたり、I will arrive at about 6:30-ish.(だいたい6時半ごろ着きます。)と言えます。
こちらの日常生活では、車で移動することがほとんどで、はっきりした到着時間が言えないときなどに、こういう幅をもたせた時間表現は、とても便利で私もよく使っています。