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rude と crude

朝のワイドショーに、ある俳優が出演していたのですが、彼について、crude and rude というキャプションが付いていました。

何でもずばずばと言う人のようで、rude (失礼な、無作法な)ということなのでしょう。

crude と rude は、韻を踏んでいて、発音もスペルも似ていますね。 意味の方はどうでしょうか。

crude と聞いて、まず思い浮かぶのは、crude oil (原油)です。
crude は、「加工していない、天然のままの」という意味があります。 ラテン語の crudus = raw(生の)、rough(荒い) ということから、人間の性質、態度などに使う場合は、「無礼な、粗野な」という意味になります。

crude を辞書で引くと、すぐ近くに cruel (残酷な)という単語が載っていますが、この二つの単語も関係があるようです。

生(なま)の→ 粗野な → 荒々しい → 残酷な というようにつながっているようです。

こういう感じの人とも、時には出会うこともありますね。
悪気はないのかもしれませんが、歯に衣を着せないような態度という感じなのかなあと思います。

では、rude は、どうでしょうか。

rude の語源 rudis というラテン語も、raw、unlearned (無知な)を意味するようです。

crude も rude も、どちらも、生(なま)というところから、無礼な、という意味へ発展するようです。

rude は、例えば、先生に対してそんな言い方は失礼だというような、マナーが悪いという意味でもよく使われるように思います。

crude は、自然のままであるが故、粗野な態度になるという感じかなあと思います。

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ボレーもバレーも volley

テニスの記事を読んでいるときに、volley (ボレー)という単語が出てきたのですが、ボレーと、バレーボールのバレーは、どちらも同じ volley というスペルだったんだと気づきました。

テニスの volley は、次のように使われていました。

Anderson began trying to end points quickly with a volley.
(アンダーソンは、ボレーで、ポイントをすばやく終わらせようとした。)

ボレーというのは、テニスやサッカーで、ボールが地につかないうちに、打ち返す、けり返すということですね。

そして、volleyball も、もちろん、ボールが地につかないように、相手コートへ返すゲームです。

このように、volley という単語は、スポーツでも使われますが、それ以前から、a volley of bullets、a volley of arrows のような表現があり、次のように使われます。

A tank was hit by a volley of bullets.
(戦車は、一斉射撃された。)

volley は、「弾丸、矢などの一斉射撃」という意味があります。また、「質問や悪口などの連発」という意味もあり、次のような用法もあります。

I was overwhelmed by a volley of questions.
(私は、矢つぎばやの質問に、圧倒された。)

volley は、一斉に何かが飛んでくるということと言えそうで、ラテン語のvolare = fly が語源のようです。

日本語では、ボレーとバレーのように、カタカナで使い分けていますが、どうしてその必要があったのか気になるところです。

不気味な空

ここ何日か雨が降ったり止んだりの天気で、ずっと曇り空が続いています。

普通の曇り空と言うだけでは、言い表せないような、今にも雨が降り出しそうな、不気味なほどの暗い空になることがたまにありますが、そういう空をどのように英語で表せばよいかというのが、夕食のときに話題になったことがあります。

私が思い出したのが、gloomy (薄暗い、陰気な)という単語だったのですが、夫が言ったのは、ominous で、息子もそうだなあと、うなずいていました。

ominous (発音は、アマナス)と耳で聞いても、最初は何のことか分かりませんでした。

私がポカンとしていると、omen の ominous だと言われて、なるほどと思いました。

omen の形容詞形が、ominous で、「不吉な、不気味な、縁起の悪い」というような意味です。 それで、比喩的に、ominous sky, ominous weather のように暗い空や天気についても使われる表現のようで、先日の新聞でも見かけました。

昔、omen という名前の映画もありましたが、omen は、「前兆、縁起、予感、虫の知らせ」というような意味です。

ominous は、悪い意味で使われますが、omen は、よい意味にも悪い意味にも使われるようで、an omen of success (成功のきざし)のような用法も辞書に載っていました。

ominous sky は、嵐の前ぶれのような暗い空ということですね。

余談ですが、omen という映画と一緒に、nightmare on Elm Street (エルム街の悪夢)という映画もあったなあと思い出しました。
とは言え、私はホラー映画は苦手なので見ていませんが、名前を知っている程度です。
実は、私の友人の家の近くにも Elm street があり、なんとなく通るたびに、不気味な感じがしていたのですが、Elm street というのは、アメリカではよくある通りの名前のようです。
elm とは、「植物のニレ」のことで、棺おけの材料にされるので、墓場を連想させることがあると辞書に載っていました。
そういう面でも、映画の名前になったのでしょうか。。

ナイフ、フォークなどの総称

英語では、ナイフやフォーク、スプーンなどをまとめたものを表す cutlery という単語がありますが、日本語ではどんな訳がふさわしいのでしょうか。

cutlery は、辞書を引くと、「食卓用金物」という訳語が載っていましたが、なんとなくぴったりこないように感じてしまいます。

cutlery という言葉よりもよく耳にするのは、silverware や flatware という単語で、同じようにナイフやフォーク類をまとめて言う言葉です。

例えば、何人かでレストランに行って、ナイフやフォークのセットが足らないときなどに、ウエイトレスの人に、Can I have silverware ? のように言えます。

先日、新聞で、I want to purchase new flatware. (私は、新しいナイフ、フォーク類を買いたい。)という文を見たときに、ふと、どうしてナイフやフォークが flat (平ら)なんだろうと気になりました。 

考えてみれば、銀製ではなくステンレス製でも silverware でよく、平らとは言えないナイフ、フォークやスプーンが、flatware というのもおかしな話です。

昔はもっと銀製のものを使っていたからかもしれませんね。 夫の祖母が昔使っていたという銀製のナイフ、フォーク類を義母にいただきましたが、これらは、もちろん食洗器にも入れられず、定期的に磨いたり手間もかかるようで、普段使いには適さないようです。

flatware の語源を調べると、もともとは、「平皿類」という意味のようで、そういう意味でも使われるようですね。 これなら flat でも納得できます。

そして、平皿類が、flatware と言うのに対して、深皿、コップなどは、hollow ware と言います。
hollow は、「へこみ、くぼみ、穴」という意味です。

もともとお皿を意味していた言葉が、ナイフ、フォーク類も意味するようになったようで、なんだか不思議な感じです。

もうひとつ、tableware という単語もありますが、これは、グラスやナイフ、フォーク類を含む食器類全般を表す言葉です。

余談ですが、ステンレス製のものは、silverware でも問題ないのですが、さすがに、ピクニックなどで使うプラスチック製のナイフやフォークは、silverware とは言わず、plasticware という言葉があるようです。。

textbook は、形容詞でも使われる

教科書という意味ではない textbook が、先日の新聞で使われていました。

トランプ大統領が、国連演説で、北朝鮮を完全に破壊する(totally destroy)と言ったことに関しての記事の一文です。

Though he used bellicose rhetoric rare for a U.S. president at the rostrum of the United Nations, the speech was textbook Trump, a stark depiction of good vs. evil and a broadside against America's foe.

(彼は、国連の演壇で、アメリカの大統領にはまれな、好戦的な言葉を使ったが、その演説は、典型的なトランプであった。 善対悪、そしてアメリカの敵に対して一斉攻撃するということをはっきりと描写していた。)

この文の textbook は、typical 「典型的な」という意味で使われています。

他にも次のような例もあります。

It is a textbook example of how the game should be played.
(それは、どのように試合をすべきかという模範例だ。)

このように、textbook には、「典型的な、模範的な、的確な、標準の」などの意味があり、形容詞としても使われています。

お口くちゅくちゅを英語で言う

一年に二回、歯医者さんで定期健診とクリーニングをしてもらっていますが、アメリカの医療費は高く、毎回、虫歯がありませんようにと祈りながら行っています。

先日の健診では、幸い虫歯はなく、やれやれでしたが、歯科衛生士の人に、マウスウォッシュを使ってうがいすると歯や歯茎の健康によいと勧められました。

Swish with Listerine for 10 to 30 seconds and then spit.
(リステリンで10秒から30秒くちゅくちゅして、吐き出してください。)のように説明してくれました。

swish という単語で、まず思い出すのが、バスケットボールで、ネットの周りのリングや後ろのボードに当てずにシュートすることです。 その時ボールがネットに直接当たると、シュッという音がしますが、そういう音が swish (発音はスウィシュ)だということです。

swish は、「ヒュッ、シュッなどの軽い音を立てて動く」という意味があるうようです。

それで、「口の中でくちゅくちゅする」のも swish でよいようです。
スウィッシュとくちゅくちゅは、なんとなく音的に違うようにも感じるのですが、マウスウォッシュを口の中で音を立てながら動かすということで、swish ということになるようです。

ハエをハエたたきで、たたいたときの音も swish です。
また、A kite swishes through the air. (凧が、ヒューッと風を切って飛ぶ。)のようにも使えます。

swish は、その音から意味がついてきた単語のようです。

diagnosis と prognosis

昨日、オリビアニュートンジョンの乳がん再発に関するインタビューについて書きましたが、その中で、prognosis という単語が使われていて、前から diagnosis との違いが気になりながら、はっきりと分かっていなかったので調べてみました。

diagnosis は、「医者の診断」という名詞で、diagnose 「診断する」という動詞でもよく使われています。

She was diagnosed with cancer.
(彼女は、がんだと診断された。)のように言います。

では、prognosis は、どうでしょうか。

prognosis は、辞書には、「病気の予後、経過予想」と載っています。

diagnosis は、現在の症状を見て診断されたもので、prognosis は、その現在の状態が、将来その患者の健康にどのような影響を及ぼすかという予想ということになります。

diagnosis は、病気の現在の状態、prognosis は、将来どのように経過していくかということです。

pro にもいろいろな意味があり、a pro golfer (プロゴルファー)もあれば、pros and cons (よい点と悪い点)もありますね。

そして、prognosis の pro は、before (前の、先の)を意味し、prognosis は、fore knowledge (予知)ということになるようです。

prognosis で、余命何年と言われても、それをはるかに超えて長く生きる人もいます。 

統計や prognosis を気にしすぎると、気がめいるので、オリビアニュートンジョンのように、自分は大丈夫だと言い聞かせて日々楽しく生きていけるなら、すばらしいことだと思いました。

cancer "thriver"

オリビアニュートンジョンが、乳がん再発についてのテレビインタビューで、自分は、cancer survivor ではなくて、cancer "thriver" だと言っていました。

thriver は、正式な単語ではないのか、辞書には載っていませんが、thrive という動詞は、よく耳にする言葉です。
survive / survivor のように、thriver は、thrive する人ということで使われています。

survive は、「災害、危機、逆境などを切り抜けて生き残る、耐える」、thrive は、「すくすくと成長する、うまくやっている」というような意味です。

オリビアニュートンジョンは、次のように、survivor と thriver の違いを説明しています。

Survivor sounds like someone clinging onto a lifeboat. Thriver is someone that's already off the boat and on land.
(survivor は、救命ボートにしがみついているような人に思えるが、thriver は、もう救命ボートから降りて、陸にいる感じがする。)

survive は、苦しいことに耐えたということですが、ここでの thrive というのは、苦しさに耐えて、その後もうまくいっているという感じがします。

彼女は、次のようにも言っています。

I think you can live with cancer like you can live with other things if you take care of yourself.
(他のことを背負って生きるのと同じで、自分の世話をきちんとしていれば、がんと共に生きることができると思います。)

suffer from cancer (がんに苦しむ)ではなく、live with cancer (がんと共に生きる)という前向きな態度が、とてもすてきで、力強く見えました。 

OK は、K だけでもいい?

おなじみの OK という言葉は、その時の状況により、発音にバリエーションがあるように思います。

標準的には、「オウケイ」と O と K を平らに発音しますが、例えば、相手がしつこく同じことを頼んでくるような状況で、「わかった、わかった、今やるから。」というような OK は、アクセントが O の上についたり、K の上についたりする場合もあります。

そして、テキストメッセージでは、OK のことは、K だけを書く人もいるようですね。
特に、若い世代の人たちに多いのか、私がテキストメッセージを送る人たちは、OK と省略せずに書く人ばかりなので、どの程度使われているのかは、よく知りません。

昨日の新聞で、この K が、話題になっている、おもしろい漫画がありました。

老夫婦の会話です。 奥さんが娘をランチに誘ったら、こんなメッセージが来たと、旦那さんに言っています。

I got a text back from her. All it said was "K". What is that supposed to mean?
(返事が来たんだけど、K としか書いてないのよ。 いったいどういう意味かしら。)

Maybe she wants to go somewhere that serves potassium.
(たぶん、カリウム= K を出してくれるお店に行きたいんじゃないか。)

この老夫婦は、K が、OK として使われることを知らないので、K をカリウムの K と言っているのが、おもしろいですね。

もし、K というメッセージをもらったら、どんな感じがするでしょうか。

その方が、速く簡単にメッセージを送れるということですが、OK という、たった二文字のうちのひとつまでも省略してしまうということで、相手が若い世代ではない場合は、少し失礼になるのかもしれません。

ただ、考えてみると、日常、OK と言う場合にも、はっきりと オウケイ という発音になっている場合もあれば、軽く相槌をうつときなどの OK は、K だけしか聞こえないような場合もあり、単に発音の問題なのかもしれないと思ったりもします。

単に了解という場合もあれば、わかった、わかった、という場合もあり、K 一文字のニュアンスを感じるのは、相手次第ということでしょうか。

ついでに、OK の語源説で、私が学生時代に聞いたのは、all correct の頭文字 AC であるはずだったのが、間違って、oll korrect と書いたため、その頭文字 OK となったというものです。

pancake は、動詞でも使われる

pancake (パンケーキ)は、アメリカでもワッフルやクレープに並んで、人気の朝食メニューのひとつですが、この pancake という単語は、動詞でも使われています。

昨日またメキシコで大きな地震がありましたが、そのニュースの中でも何度か聞きましたが、次のように使われます。

He was looking at the pancaked apartment building.
(彼は、ぺしゃんこに破壊されたアパートを見ていた。)

The car had been pancaked by the bus.
(その車は、バスによって破壊されていた。)

pancake は、「何かの衝撃などで、ものをぺしゃんこにする」ということで、パンケーキのように、flatten (平らにする)ということです。

余談ですが、我が家では、パンケーキは、ホットプレートで焼きますが、ホットプレートは、英語では、griddle です。
それで、パンケーキは、griddle cake と言われることもあります。

pancake は、おいしくて、多くの人に愛される食べ物のひとつのように思いますが、こういう単語が、地震の悲劇のニュースの中で使われるのが、何かそぐわないように感じてしまいました。

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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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