fc2ブログ

消毒、殺菌にもいろいろある

インフルエンザが猛威を振るっているようで、ニュースなどでも、さかんに、手洗い、うがいをするようにと伝えられています。

ニュースの中で、学校の机などを、殺菌スプレーを使って拭いている場面が映っていました。

アメリカの学校は、日本のように生徒が自分たちで教室を掃除することはないので、放課後に、清掃員の方が、掃除しています。
自分たちの教室を自分たちできれいにするという感覚は、こちらの生徒には、あまりないように感じ、この点は、日本の教育は、すばらしいと思います。

ところで、殺菌スプレーですが、私も、洗面所やトイレ掃除などに使いますが、これは、disinfectant spray と言い、disinfect は、「殺菌する、消毒する」という意味です。

また、消毒するというと、切り傷などを消毒することもありますね。

私は、消毒液は、オキシドールと呼んでいましたが、オキシドールは、Oxydol という商標のようですね。

こちらでは、Oxydol という洗剤はあるようですが、傷口の消毒剤は、antiseptic と言います。

これは、傷口から菌が侵入して炎症を起こさないようにするためですが、炎症は、infection なので、傷口の消毒、殺菌も disinfect という言葉でもよさそうに思うのですが、そうではないのです。

infect は、「感染させる」、septic は、「細菌に感染した」に、dis と anti という否定語がついて、どちらも殺菌、消毒という意味になるのですが、

家具などの、ものを殺菌する場合 → disinfectant (spray)
人間などの皮膚を消毒する場合は → antiseptic (cream)  を使うということです。

disinfectant は、菌を取り除くもので、antiseptic は、菌が入らないようにするものでもありますね。

また、antibacterial soap なども見かけますが、antibacterial は「抗菌性の」ということで、こちらは、石鹸のような皮膚に使うものにも、台を拭くためのウエットティッシュなどにも、使われています。

ついでに、antibiotic(s) は、「抗生物質」ですね。

どれも、菌を殺す、抑えるものですが、状況により使う単語が違うものですね。

ところで、お店で殺菌スプレーを見ると、どれも、kills 99.9% of germs (99.9%のばい菌を殺す)と書かれています。
100%とは、言い切れないんでしょうね。

まだまだ寒い日が続きますが、風邪、インフルエンザには気をつけたいものですね。


スポンサーサイト



the salt of the earth とは、どんな人か

先日、ケンタッキー州の高校での銃乱射事件のことを書きましたが、亡くなった生徒についての記述の中に、次のような文がありました。

She was simple, easy to love and the salt of the earth.
(彼女は、飾り気がなく、誰からも愛されやすく、正直で信頼できる生徒だった。)

the salt of the earth は、聖書の言葉で、辞書には、「世人のかがみ」と載っていますが、「正直な、信頼できる」という意味で、人の善良さを表すことができる表現のようです。

salt (塩)というのは、料理をするにも、なくてはならないものですが、昔は、もっと価値のあるものだったようで、古代ローマでは、兵士は、salt (塩)をお金として受け取っていたそうです。

そのお金のように受け取っていた塩は、ラテン語で、salarium と言い、これが、英語の salary (給料)の語源のようです。

現在の生活では、塩と給料には、何の関係もないように見えますが、こんな風に言葉の歴史を知ると楽しくなりますね。

the salt of the earth というのは、基本的なものではあるけれど、価値があるということで、それが、人間の善良さということになるのでしょうか。 

the salt of the earth という表現の深さ、重さを感じます。


笑ってしまう名前

昨日、夫が新聞を読んでいて、おもしろいと、見せてくれた記事の見出しがあります。

Robert Burns Supper at Texas Tech Tonight

これは、「ロバート バーン夕食会、テキサステック大学で、今夜(開催)」ということで、Burns は、苗字なのですが、Burns を、動詞として、燃やす、焦がすの意味でも読めますね。

そうすると、「ロバートが、今夜、テキサステック大学で、夕食を焦がす。」になってしまい、そんな夕食会には行きたくないということになってしまいます。。

こんな風に、ここで、この名前を使うと、おかしいという場合がよくあり、以前、テレビの番組で、そういう名前を紹介するコーナーがありました。

例えば、歯医者さんの名前が、Dr. Fang というのが、ありました。 

fang は、「牙、犬歯」のことで、歯医者さんには、ぴったりの名前ですね。 
また、Dr. Hurt というお医者さんには、行きたくないですね。 hurt は、「痛い」ですね。

また、urologist (泌尿器科医)の名前で、Dr. Leak というのもありました。
leak は、「もらす」ということで、これも病気が治りにくそうなイメージがしてしまいます。。

次のような名前の二人が結婚するという記事もありました。

MacDonald - Berger (マクドナルドさん と バーガーさん)

これらは、本当の名前ですが、いろいろな名前が、ある状況で使われることによって、おもしろくなったり、気の毒になったりするものですね。

結びつきが強い close-knit

close-knit という形容詞をよく見聞きします。

close-knit neighborhood
close-knit community
close-knit town
close-knit family   のような形です。

close は、動詞(閉じる)もありますが、ここでは、形容詞で、「親密な、緊密な」という意味です。

knit は、「編む」ですが、「人を結びつける」という意味もあります。

そして、close-knit は、隙間なく編まれたセーターのように、「緊密に、密接に結びついた」ということです。

先日、ケンタッキー州の高校で、また、銃の乱射事件があり、2人が亡くなり、12人が銃撃による重軽傷を負ったようです。

この学校のある町の人たちもショックを受け、次のように、新聞に載っていました。

They could not believe a mass shooting would happen in their small, close-knit town.
(彼らは、自分たちの小さな緊密に結びついた町で、銃乱射事件が起こるということが信じられなかった。)

close-knit town とは、皆が知り合いのような町で、お互いを助け合うような結束の強い町という感じです。

隙間なく編まれているはずが、ぽつんと穴が開いていたのでしょうか。 事件を起こした生徒の動機については、現在取り調べ中のようです。

亡くなった生徒さんの冥福を祈りつつ、 また、重軽傷を負った生徒たちの一日も早い回復を祈ります。

one-way-street と two-way-street

車が、一方向へしか進めない道は、one-way-street ですが、二方向へ進める道は、two-way-street です。 

また、これらは、道路の話だけではなく、「一方通行」というのは、二者間でするやりとりなどが、一方からだけなされる場合など、比喩的にも使われますね。

日本語では、一方通行は、聞きますが、二方通行という言い方はしませんね。 

two-way-street は、辞書には、次のような定義が載っています。

a situation or relationship requiring give-and-take
(ギブアンドテイクを必要とする状況または関係) つまり、相互的な関係ですね。

先日の新聞の人生相談のコーナーで、結婚記念日のプレゼントは、お互いにするものか、男性が用意するものなのかという質問があったのですが、下記はその答えの一部です。

Celebrating should not be the responsibility of just one person. Gift-giving should be a two-way-street.
(お祝いをするのは、一人の責任でするものではありません。 贈り物をするのも相互にすべきです。)

Marriage is a two-way-street.
(結婚は、相互的な関係だ。)  ということですね。。


出場取り消し と 棄権

テニスのオーストラリアオープンを、見たいと思いつつ、時間帯が悪く、ニュースを見たり、新聞を読んでいるだけですが、有力選手が、次々と怪我で、負けたり棄権したりしています。

下記は、ラファエル ナダルが棄権した記事の一文です。

Top-seeded Rafael Nadal retired Tuesday because of an upper right leg injury.
(トップシードのラファエル ナダルは、火曜日に、右脚上部負傷のため試合を棄権した。)

retire は、「退職する、引退する」以外にも、このように、「選手が、負傷などで退場する、試合などから棄権する」という意味もあります。

retire の基本的な意味は、「引き下がる」ということですね。

また、アンディ マリーは、オーストラリアオープンには、出場を取り消しました。

Andy Murray withdrew so he could have surgery on his hip.
(アンディ マリーは、腰の手術をするため、試合出場を取り消した。)

withdraw は、draw (引く)という語が入っていますが、銀行からお金を引き出すのも、withdraw で、take back (取り消す、返品する、取り出す)などの意味があり、ここでは、「競技などの出場を取り消す」ということです。

アンディ マリーが、withdraw するということは、オーストラリアオープンから自分自身を remove (取り去る)ということですね。

ところで、エルトン ジョンも 今度のコンサートツアーを最後に、retire するようですが、彼のリタイアは、もちろん引退のことですね。

Goodbye yellow brick road を懐かしく想いながら、retire という語の意味の幅も一緒に覚えておけばと思います。。

Let me ask you this は、使い過ぎ?

去年の新聞に載っていたことですが、年に一度、ミシガン州の Lake Superior State University は、誤用、使い過ぎ、乱用、無用な言葉リストを発表するそうです。

そして、そのリストの一部が載っていて、その中に、Let me ask you this がありました。

確かに、よく聞く表現ですが、無くてもよいようなものかもしれません。

Let me ask you this は、直訳すると、「これを聞かせて」ですが、「ちょっと聞くけど」という質問をする前の前置きのようなものですね。

Let me ask you this. 以外にも、 Let me ask you something. また、May /Can I ask you something ? のような似た表現もありますね。

考えてみると、「ちょっと聞くけど」という前置きを言って、「こういうことなんじゃないの?」と質問をしながら、相手に自分の考えを言うような場合もあるように思います。

例えば、次のような場合です。

A: I just can't lose weight.
 (体重がなかなか減らないんだ。)

B: Well, let me ask you this. Do you eat dinner late at night?
(ええっと、ちょっと聞くけど、夜遅く夕食を食べてるんじゃない?)

さらに、Do you do enough exercise ? (十分運動してる?)などと、続けていき、質問をしているようで、実は相手に提案したり、説得しているような場合もあるように思います。

私は、個人的には、このようなクッション的な表現は、悪くないと思うのですが、Let me ask you this と言われると、何を聞かれるんだろうかと相手を構えさせることもあるのかなあとも思います。

Le me ask you this は、使い過ぎなのでしょうか。 私にはよく分かりませんが、皆さんはどう思われるでしょうか。。


pleasantry は、pleasant ?

pleasant は、「感じがいい、楽しい」という形容詞で、よく見聞きしますが、先日、pleasantry という名詞に遭遇しました。

新聞の記事で、セールスの仕事では、pleasantry は、誰もがうっとうしいと思うのでやめた方がいいという意見が載っていたのですが、これは状況や人によるだろうとも書かれていました。

pleasantry は、辞書を引くと、「当たりさわりのない話、くだけた話」と載っています。

実際には、次のようなものです。

Beautiful weather, isn't it ?
(いいお天気ですね。)

I like your shirt. It's a nice color, too.
(すてきなシャツですね。 色もすてきです。)

つまり、small talk (世間話)ですね。 

pleasant という語が入ってることもあり、相手に感じよくていねいに交わすやりとりのようなものだと思います。

ビジネスの相手の場合、感じよく pleasantry をしてから、本題へ移るということなのでしょうが、これが、わざとらしくなるとpleasant ではなくなるということでしょうね。

また、いろいろな場面で、多くの人が、So nice to meet you. So nice to see you. などと言い、もちろん、本当に会えてうれしい場合もたくさんあるのでしょうが、とりあえず挨拶として言っておくという場合もあるように思います。

とはいえ、世の中、親しい人ばかりと話すわけでもないので、相手をなごませるような pleasantry を、さらっとこなせればいいですね。

the fourth estate は、どんな階級か

The fourth estate clings to the truth (言論出版界は、真実に執着する。)という新聞の見出しを見つけました。

estate という言葉は、ラテン語系の言葉で、state (状態)や status (身分)とも関連のある語です。 

フランス語の esprit (エスプリ)が、英語では、spirit になるように、ラテン語系の言葉は、e が付く語がありますが、これは、古代ローマ人が、s や他のいくつかの子音ではじまる単語は、発音しにくいということで、e を付けたものもあるようで、estate もその影響を受けた言葉だろうと推測します。

real estate と言えば、「不動産」のことで、estate は、「財産」という意味もありますが、the fourth estate の estate は、「社会、政治上の階級」という意味になります。

the fourth estate は、「第四階級」ということになりますが、「新聞社などの出版界」のことです。

clergy (聖職者)
nobility (貴族)
commoners (庶民) 
という伝統的な身分に次いで、四番目に大事なものであるということです。 

実は、昨日、スティーブン スピルバーグ監督の The Post という映画を見に行きました。

これは、ワシントンポスト(新聞社)が、政府の機密文書を暴露した実話で、興味深い内容でした。

映画の最後の方で、主人公のメリル ストリープが、次のように言います。

News is the first rough draft of history.
(ニュースは、歴史の最初の大ざっぱな下書きだ。)

これは、ワシントンポストの 故 Phil Graham が言った言葉だそうですが、本当にそうだなあと思います。

新聞を読むということは、歴史を読んでいるということなのかもしれません。

最近は、フェイクニュースという言葉もあり、報道機関にとって厳しい状況でもありますが、この映画の中では、ワシントンポストが、政府に潰されるかもしれないという危険を覚悟で、真実を伝えたという勇気ある行動の話で、報道機関の重要性をあらためて認識しました。

technically と technicality

actually と同じように、「実際は」という意味で、technically もよく使われています。

例えば、次のように言えます。

People think a tomato is a vegetable, but technically it is a fruit.
(トマトは野菜だと思っている人がいるが、実際は果物だ。)

また、離婚を前提に別居している男女は、次のように言うこともできます。

Technically, we are still married.
(実際は、まだ結婚していることになっている。) 

これは、戸籍上は、結婚した形になっているということですね。

technically は、そのように思われていないかもしれないけど、規則や法律上から言うと、ということで、「正式には、厳密に言うと」という意味ですね。 

では、technicality はどうでしょうか。

こちらは、「細かい規則、専門的事項」という意味で、一カ月ほど前の新聞で次のように使われていました。

北朝鮮のミサイル問題で、アメリカが冬季オリンピックに選手団を送るべきかどうかという内容の記事でした。

We are going to bring a team to Pyeongchang unless it's legally or physically impossible to do that. We don't want to get into a discussion of what the technicalities might be.

(我々は、法律的にまた物理的に不可能でない限り、平昌にチームを送る予定だ。 厳密な細かい規則がどんなものかという議論はしたくない。)

北朝鮮と米国の国際関係などの政治的な問題事項はあるだろうけれど、アメリカのオリンピック委員会としては、そういう細かい事項よりも、アスリート個人の意志を尊重し、オリンピック委員会が出場するかどうかを決定するということです。

そして、次のようにも言えます。

Technically, the decision about whether to participate in the Olympics depends on the USOC and the individual athletes.

(厳密には、オリンピックに参加するかどうかの決定は、アメリカオリンピック委員会とそれぞれのアスリートによる。)

料理、美容などの technical school のように、専門技術を極める学校という意味で使われる technical とは少し意味がずれますが、technically、technicality もよく使われる言葉なので、覚えておくといいですね。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

日本ブログ村に登録しています
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
ご訪問ありがとうございます。
リンク