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比べものにならない

元ファーストレディのバーバラ ブッシュさんが92歳で亡くなったニュースが伝えられています。

バーバラ ブッシュさんと言えば、きれいな白髪を思い出します。 白髪と言うと、あまりきれいなイメージでもありませんが、彼女の髪は、snow white hair (雪のような白い髪)のように表現されています。

彼女の夫であるブッシュ元大統領が、彼女のことを次のように述べているのが、新聞に載っていました。

I have climbed perhaps the highest mountain in the world, but even that can not hold a candle to being Barbara's husband.

(私は、おそらく世界で最も高い山に登ったが、それでも、バーバラの夫であるということとは、比べものにならない。)

can't hold a candle to というイディオムは、「足元にも及ばない、比べものにならない」という意味です。

このイディオムは、直訳すると、「キャンドルを持つことができない」となりますが、もともとは、職人と見習いの関係を表す表現のようです。

職人が仕事をするのによく見えるように、見習いの人が、キャンドルを持っていたようで、職人と見習いの上下関係が分かりますが、そのキャンドルを持つことさえできない見習い以下ということで、.......よりも劣るということになるようです。

ブッシュ元大統領は、世界の最も高い山に登ったと言われますが、これは、大統領であるということを意味しているのでしょう。

大統領執務室は、highest office in the world などとも言われます。 

大統領であることよりも、バーバラさんの夫であることをより大事に思っているということですね。

そんな風に思われていたバーバラさんは、幸せな人生を歩まれたことと思います。

いつまでもよい刺激や影響を与え続けられる夫婦関係というのは、すばらしく美しいものだと思います。

トイレが近い

冬の寒いときなどは、トイレが近くなることがありますが、英語ではどのように言えばよいでしょうか。

I often need to go use the bathroom these days.
(最近は、たびたびトイレに行く必要がある=トイレが近い) のように言えばよいかと思います。

トイレが近い人の薬のコマーシャルを、テレビでたまに見るのですが、トイレが近いということを、次のように表現しています。

You may have overactive bladder.
(あなたは、過活動膀胱なのかもしれません。)

overactive bladder という名前が、活動しすぎる膀胱ということで、トイレが近いということになるのが、おもしろいなあと思いました。

そして、薬を飲むと、その症状が和らぐのでしょうが、次のように表現されています。

Botox may calm your bladder.
(ボトックスが、あなたの膀胱を落ち着かせるかもしれません。)

膀胱は、overactive になったり calm になったりするわけですね。

頻尿という言葉がありますが、これは、そのまま frequent urination となるようですが、あからさまに尿という単語を使うよりも、その前の段階の膀胱の状態を述べる方が、少しやわらかい表現になるのでしょうか。。

いずれにしても、頻尿で薬のお世話にはなりたくないものです。。


消耗させる draining

シンクやお風呂場の床にある水が排水するところは、英語では、drain、drainage と言います。

排水とは、水や液体を流し出す、水気を切るということですが、比喩的な意味で使われているのも耳にします。

例えば、次のように言えます。

Spending all day with a two-year-old is draining.
(一日中2歳の子供と過ごすのは、体力を消耗させる。)

Running a marathon is draining.
(マラソンを走るのは、体力を消耗させる。)

水分を流してドライになってしまうということで、人から精力などを奪ってしまうという感じなのでしょうね。
精神的、肉体的両方の消耗について使える表現です。

また、次のような直接的なイディオムもあります。

All your hard work will go down the drain.
(あなたの努力はすべて水の泡になるだろう。)

down the drain は、「浪費されて、無価値になって、無駄になって」という意味になります。

せっかくの努力が、排水されて下水道へ流れてしまう感じがして、無駄になるというのがわかりやすいですね。

水気を切るということが、体力などが徐々に尽きるという意味にもなり、排水口へ流すということは、無駄になるということになるわけですね。


思い出にふける

テレビのニュースの中で、dementia (認知症)などに効果があるreminiscence therapy (回想法)という心理療法が紹介されていました。

reminiscence (レミニッセンス)は、「思い出、思い出されること、回想」などの意味があります。 

少し難しい単語に見えますが、remember と意味もスペルも少し似ているので覚えやすいかもしれません。

ニュースの中では、昔の町の様子をを再現したり、昔流行った音楽を流したり、品物を並べたりしている博物館のような施設があり、認知症の人が、そこでしばらく過ごして、昔の思い出にふけり、自分の人生を振り返ることなどで、その時の記憶を刺激して、精神的によい効果があるようです。

ところで、reminiscence の動詞は、reminisce (思い出にふける)で、日常たまに見聞きします。

例えば、部屋の片づけをしていて、長い間忘れていたような写真や物が見つかって、懐かしむような場合は、次のように言えます。

I reminisce about the picture I found while cleaning my room.
(部屋の掃除をしていて見つけた写真を懐かしむ。)

自分の人生を振り返り、いろいろなことを思い出して懐かしむことは、誰にでもあることですね。

そういう時には、reminisce が、ぴったりの言葉です。

Mercury のような性格とは?

ポール ライアン下院議長が、来年早々に引退するというニュースがありましたが、彼とトランプ大統領の性格の違いについて、次のような文が載っていました。

He has been a steady force in contrast to the president's more mercurial tone.
(大統領が、予測できない気まぐれな調子に比べて、彼は安定した勢力だった。)

ここで、mercurial という単語が、ひっかかりました。

mercurial は、mercury の形容詞です。

mercury には、「水星、水銀」などの意味がありますが、ローマ神話の商業の神 Mercury (マーキュリー)のことでもあります。

そして、mercurial の定義は、次のように載っています。

Someone whose mood or behavior is changeable and unpredictable or someone who is clever, lively and quick
(気分や行動が変わりやすく予測がつかないような人、または、頭がよく、生き生きとして、機転がきくような人)

トランプ大統領が、ローマ神話の商業の神マーキュリーの性格に似ているということなのでしょうね。 

mercurial は、必ずしも否定的な意味ばかりというわけでもなさそうですが、周りの人が、振り回されそうな感じがしてしまいます。

また、mercury は、商業に関連した単語、merchandise (商品)や market (市場)などとも関連しているようです。

速さ、適応性、不安定の象徴でもある水銀や水星の性質なども mercurial ということです。

水星、水銀、商業には、つながりがあるのがわかりました。


知らんけど

関西の方では、何か言った後で、「知らんけど」と言うことがあります。

例えば、「そろそろテストあるんちゃう。知らんけど」という感じです。

これは、私の関西の友人や家族の間では、普通に使われる言い方ですが、関西圏以外では通じないものなのかどうかは、よくわかりません。

いろいろな状況から、そろそろテストがあるのではないかと思うけど、あくまで私が思うだけで、責任は持たないよというのが、この「知らんけど」で、表せるわけです。

そこで、前から気になっていた英語の表現があります。

(but) what do I know ?

これも、何か言った後で、文末に付けますが、次のように使います。

I think boys are better at math than girls, but what do I know?
(男の子の方が、女の子より数学が得意だと思う。 でも本当のところは知らないけど。)

What do I know? は、文字通り訳すと、「私は何を知っているのか。」となりますが、反語的な表現で、「いや何も知らない。」ということなのでしょうね。

証拠があるきちんとした知識ではなくて、想像で言っている場合に使われるという面でも、「知らんけど」に近いように思います。

また、「知らんけど」にも、what do I know? にも、自分の意見を押し付けているわけではなく、控えめな態度が見られるようにも思います。

多少のニュアンスの違いはあるのかもしれませんが、関西人の私としては、but what do I know ? は、理解しやすい表現です。


plogging とは?

新聞に付いてくる薄い情報誌の中で、見慣れない単語を見つけました。

記事によると、plogging と呼ばれるエクササイズがあり、どんなエクササイズかと言うと、pick up trash while running (走りながら、ゴミを拾う)ことのようです。

このエクササイズは、スウェーデンで始まり、他のヨーロッパの国やアメリカにも進出してきているようです。

スウェーデン語の plocka upp = pick up とjogging とを組み合わせて、plogging だそうです。

Runners beautify the streets while they burn calories.
(ランナーは、カロリーを消費しながら、道を美しくする。) ということで、いいことづくめですね。

ゴミを拾うために、体を曲げたり、しゃがんだりするのも、体にはよいエクササイズだと書かれていました。

これが世界中に広がると、地球のためにも素晴らしいことだなあと思います。。

泡の大きさ

泡というと、まず foam / foamy という単語を思い出すでしょうか。

foam 以外にも、froth / frothy もよく耳にする言葉です。

例えば、カプチーノのミルクの小さい泡は、froth /frothy と言うことがあります。
froth は、foam よりも小さい泡を表す言葉のようで、カプチーノについて次のように言えます。

I love how creamy and frothy they are.
(それらが、とてもクリーミーで泡立っているのが大好きです。)

ただ、frothy と foamy を同じように使っている人もいるので、泡の大きさについて、深く考えずに話している人も多いかもしれません。 そして、どちらも液体の上に浮かんでいるような泡です。

また、suds / sudsy という単語もあり、これは、主に石鹸の泡を表す言葉ですが、ビールの泡にも使えると言う人もいて、人や地域により使われ方が違うようです。

大きさとしては、froth < foam < suds なのかなと思いますが、反論もあるかもしれません。

foam は、ビールにもカプチーノにも石鹸にも使えて、無難で万能な言葉です。

でも、シャボン玉には使えませんね。シャボン玉は、blow bubble(s)(シャボン玉をする / とばす)のように、bubble を使います。 

bubble は、泡のひとつひとつを表す言葉です。

そして、大きなひとつの見えない泡というイメージの personal bubble という表現も聞いたことがあります。

これは、「個人空間、パーソナルスペース」のように訳すようですが、他人に入ってきてほしくないスペースのことです。 文化によっても違うのでしょうが、あまり人が近づいてくると、なんとなくぎこちなくなりますが、そういう自分だけのスペースのことです。

自分がバブルの中にいて、そこには入ってほしくないという感じですね。

このように、泡は泡でもいろいろあるものです。。


犬と一緒に横たわると .....

トランプ大統領が、ポルノ女優と関係を持ち、その口止め料として、13万ドル支払ったというニュースがありますが、トランプ大統領自身は、そのお金のことを知らないということです。

1週間ほど前の新聞のオピニオン欄に、このニュースに関して書かれた記事があったのですが、その中で、トランプ大統領とポルノ女優の関係についてのおもしろいことわざを見つけました。

If you lie down with dogs, you get up with fleas.
(犬と一緒に横たわると、ノミと一緒に起き上がることになる。)

なんとなく意味は分かりますが、次のように英語で説明が載っていました。

If you associate with bad people, you will acquire their faults.
(悪い人と付き合うと、その人たちの悪いところを身につけてしまう。)

そして、悪い人と付き合っていると、ひどい目に遭いますよという感じですね。

日本語では、「朱に交われば赤くなる」や「身から出た錆」に当たるようです。

ただ、「朱に交われば赤くなる」というのは、よい意味の場合もありますね。

トランプ大統領とポルノ女優は、どっちもどっちのように思います。。


乱用する

買い物したものをサイズが小さすぎるなどの理由で返品することもありますが、先日、ニュースで返品乱用について伝えられていました。 

あまり何度も返品すると、ブラックリストに載り、返品できなくなるお店もあるようです。

返品乱用とは、例えば、ブラウスを買って、それを一度着て出かけた後、返品し、はじめから買うつもりはなくフリーレンタルのようなものや、盗まれた品物やレシートを使って返品し、現金と交換することのようです。

このような返品の乱用ということを return abuse/abusive return のように言っていました。

abuse と聞くと、つい「虐待」のイメージが強く、親が子供を虐待したり、夫婦の間やペットなどの虐待のことが頭に浮かぶのですが、abuse は、drug abuse (麻薬の乱用)のように、「乱用、悪用(する)」という意味もあります。

考えてみると、abuse は、ab + use で、ab- は、「離れて」という接頭辞で、「本道から離れた」という意味です。

misuse (誤用、悪用)と同じような意味の言葉ですね。

そう考えると、人やペットを虐待するのも、返品を乱用、悪用するのも正しい道から外れたことですね。

日本語の虐待という言葉と、乱用、悪用という言葉には、へだたりがあるように思いますが、英語では、どちらも同じabuse を使えるのが興味深く思います。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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