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親の七光り

スティーブジョブズの娘さんの本、Small Fry が出版されることについての新聞記事を読みました。

スティーブジョブズと言えば、アップル社の共同設立者で、すばらしい実業家、技術者として知られていますが、娘さんとの関係は、必ずしもうまくいっていたとは言えないようです。

娘さんの名前である Lisa という名前のコンピュータがあるようですが、スティーブジョブズは、娘さんには、彼女の名前から付けたものではないと言ったそうです。

そのことについて、彼女は次のように考えているようです。

She insists - he was teaching her "not to ride on his coattails.
(彼は、彼の成功に便乗して活躍しないように、彼女に教えようとしていたと、彼女は、断言している。)

ride on one's coattails や、ride on the coattails of someone で、「.....の成功に便乗して、.....の後を追って、.....の助けを得て、活躍する」というような意味です。

つまり、コネを利用して成功することです。

そして、そのコネが親の場合、親の七光りとなるとも言えそうですね。

coat の tails (すそ)は、二つに分かれていることが多いので、coattails と複数形になっています。

長いコートのすそに、誰かが乗っているイメージですね。

誰かのコートに乗っていくよりも、自分自身のコートを着て、成功してほしいと、スティーブジョブズは願っていたのでしょうか。。

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インスピレーションを与える人

新聞に付いてくる小冊子の中にビリージョエルのインタビュー記事が載っていました。

彼が、前妻のことについて、 次のように言っていました。

She was my muse.
(彼女は、僕にインスピレーションを与える人だった。)

Muse と大文字で書くと、「ギリシャ神話のゼウスの娘で、芸術、学問をつかさどる9女神」という意味があるようです。

muse は、動詞では、「物思いにふける」などの深く考えることを意味します。

そして、名詞では、特に女性で、「芸術的なインスピレーションの元になるような人」という意味です。

ビリージョエルは、何度か結婚していますが、過去の女性から受けたインスピレーションで作られた歌もあるようですね。

muse は、特に芸術家、作家などに与えるインスピレーションという意味があり、優れたアーティストには、muse がいるのかもしれませんね。

そして、music は、Muse (ミューズの神々)の技、museum は、ミューズの神々の神殿という原義があるようです。

音楽や博物館という単語も、ギリシャ神話の神々の名前から生まれた言葉だったんですね。


Colorado と Silverado

Silverado という名前の pick up truck (小型トラック)がありますが、この名前を見ていて、英語とスペイン語が合体した言葉だなあと思いました。

silver は、もちろん、「銀」ですが、これに、-ado というスペイン語の接尾辞が付いています。

-ado は、英語では、-ed に当たります。

例えば、アメリカに、コロラド州という名前の州がありますが、Colorado は、英語では、Colored ということになり、「色がついた」という意味になります。

調べてみると、コロラド川の赤みがかった色を示しているという説明文もありました。

Colorado は、colorar というスペイン語が変化した形ですが、Silverado の方は、英語の silver に、スペイン語の接尾辞が付いた形で、誰かが作り出した言葉のようです。

Silverado がどのようにしてできた言葉かは分かりませんが、ウィキペディアを見ると、トラックの名前以外にも、地名や地形、採掘場の名前などにも使われているようです。

Silverado というトラックは、銀の採掘場を行ったり来たりできるようなトラックということなんだろうかと、また自分なりの想像をしています。


見た記憶を消す

最近は、man bun という男性のおだんごヘアが流行していて、たまに見かけます。

man bun のようなヘアスタイルは、若い男性には似合う人もいますが、年配の男性には、ちょっと無理があるかもしれません。

先日の新聞の漫画の中で、自分の上司が man bun にしているところを想像してしまい、それが頭から離れないという場面がありました。

そこで、使われていたのが、unsee という単語です。

I can not unsee it.
(見た記憶が消せない。)  のように使います。

un + see で、「恐ろしいものや、見たくないものなどを見た記憶を消す」という意味です。 見なかったことにするという感じでしょうか。

そのまま、I can not erase my memory. のようにも言えますが、unsee というのも、ちょっとしゃれた言い方だなあと思います。

以前、unsay (言わなかったことにする)についても書きましたが、unsee も一緒に覚えておくといいですね。


upstart とは、どんな人か

少し時期外れになりますが、先月、ウィンブルドン選手権で、ロジャーフェデラーが、準々決勝で、南アフリカのケビンアンダーソンに負けましたが、下記は、その新聞記事の見出しです。

Federer wastes match point, loses to upstart Anderson in Wimbledon quarters.
(フェデラーは、ウィンブルドンの準々決勝で、マッチポイントを逃し、成り上がりのアンダーソンに敗れる。)

upstart を辞書で引くと、「成り上がりの、最近になって出現した、成金の、横柄な、鼻持ちならない」などの訳語が載っています。

フェデラーに勝ったアンダーソンについて、私はよく知らなかったのですが、世界ランク5位というので、最近になって出てきた新人というわけでもないようです。

それでも、upstart のように書かれてしまうのは、あまり大きな大会でここまで勝ち進むことがないような選手が、人気のあるフェデラーに勝ってしまったので、ちょっと失礼な感じの表現になってしまっているのかもしれません。

成り上がりとは、地位や身分の低い人が、急に出世したり、お金持ちになったりすることで、ちょっと嫌みのある言葉ですね。

私もフェデラーのファンなので、負けてほしくはなかったですが、アンダーソンが、勝てそうもない相手を負かしてしまうというのは、練習と努力の結果でしょうし、成り上がりとは、必ずしも悪い言葉でもないように思います。

ちなみに、通常は、「勝てそうもない相手」という意味では、underdog という言葉をよく耳にします。

また、upstart を反対にして、start-up というと、「始めたばかりの」という意味です。 

upstart も、始めたばかりなのに横柄なというニュアンスがあるのでしょうか。。

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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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