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歯ブラシの毛

歯の健康に関する雑誌の記事の中に、歯ブラシの毛の堅さについて書かれたものがありました。

歯ブラシには、いろいろな毛の堅さがありますが、ニューヨーク大学、歯科学医療の先生によると、柔らかい方がいいということです。

The most important aspect of the perfect toothbrush : soft or extra soft bristles.
(最適な歯ブラシの重要な特徴: 歯ブラシの毛が、柔らかめか、さらに特上の柔らかめであること)

どうして、柔らかい方がよいかというと、次のように書かれていました。

Medium and hard bristles can be too abrasive and hurt the gums.
(中ぐらい、そして、堅い毛は、歯ぐきを擦りむいたり、傷つけたりする可能性があります。)

アメリカでは、歯の定期健診に行くと、歯ブラシや、デンタルフロス、小さい歯磨き粉などをセットにして、くれることが多いのですが、確かに、歯ブラシのパッケージには、soft と書かれています。

ところで、この歯ブラシの毛という単語、bristle ですが、「ヤマアラシやハリネズミなど動物の毛、剛毛」という意味もあります。

動物が、怒ったり、びっくりしたときに、毛を逆立たせるように、人が、「いらだつ」という意味もあるようです。

bristle は、point、spike という意味のゲルマン語、サンスクリット語を語源としているようで、とんがった先端というような意味ですね。

歯ブラシの毛は、柔らかい方がいいということですが、bristle という語のイメージは、堅くて鋭い感じがしますね。


どん底

日本語でも、「底値」という言葉がありますが、英語でも、これ以上低い値段はないだろうと言う場合に、次のように使われます。

That store is selling TVs at rock-bottom prices.
(その店は、底値で、テレビを売っている。)

このように、rock-bottom には、「どん底、最低、底値」などの意味があります。

大きな岩が沈んでしまうような、深い深い底という感じがしますね。

主に、rock-bottom rate (最低料金)、rock-bottom price(超安値)など、物価などについて、使われる言葉ですが、「最低のレベル」という意味でも使われているのを聞きます。

私の夫は、日本語のクラスに通い始めたところなのですが、自分のことを、rock-bottom beginner (最低レベルの初心者)だと言っています。

rock-bottom から、始めた日本語ですが、ひらがなが、ほぼ読めるようになり、町を歩きながら、看板のひらがなが読めると、うれしいようです。

自分の妻から指導されるよりは、学校で学ぶ方が、効果があるようです。。


exhibition と exposition

英語で会話をしているときに、自分が言った単語が、適切ではないとき、相手が、さらっと言い直してくれる場合があります。

例えば、先日、行ったルーヴル美術館展のことを、Louvre exposition と、私が、口走ってしまったのですが、これは、Louvre exhibition と言うべきでした。

私が話していた友人は、It sounds like a great exhibit. (すてきな展示会のようね。) と、exhibition を、さらに短縮した語を使っていました。

そこで、私は、はっとして、自分の間違いに気づいたのですが、後の祭りです。

exposition は、万国博覧会(expo) のような、もっと大きな展示会について述べる語だと、理解はしていたのですが、exhibition と少し似ていることもあり、つい口から出てしまいました。

exposition の定義の中には、 次のようなものがあります。

a large-scale public exhibition or show, as of art or manufactured products
(芸術や製品などの大規模な展示やショー)

どちらも、展示には違いないですが、exhibition よりも規模の大きいものが、 exposition ということですね。

また、exhibition は、エキシビションと、日本語にもなっていますが、スポーツなどで、公式記録としない公開演技のような意味もありますね。

そして、私の友人が使ったように、exhibit は、動詞としてだけではなく、名詞で、「展覧会、展示物」などの意味があり、次のような例も載っていました。

Please don't touch any of the exhibits.
(展示物には触れないようにしてください。)

How many paintings are in the exhibit?
(その展覧会には何枚の絵が展示されているのですか?)

ルーブル美術館展は、やっぱり exhibit か exhibition の方が、ふさわしいですね。


エロスとキューピッド

前回に引き続き、ルーヴル美術館展で、気になったことについて書きます。

次のようなタイトルの作品がありました。

Statuette of a Child as Eros

この日本語訳は、「エロスとして表された子供の小像」となっていました。

Eros とは、ギリシャ神話の愛の神で、ローマ神話の Cupid (キューピッド)に当たりますね。

ただ、エロスは、キューピッドほど、認知度が高くないように思い、日本語でエロスと書かれていると、「性愛」的なことも連想してしまい、この日本語訳について、ちょっと考えてしまいました。

「愛の神エロスとして表された子供の小像」と、少し補う方が、落ち着くようにも感じましたが、考えすぎでしょうか。。

ギリシャ神話とローマ神話では、同一とされている神々の名前が違うので、ややこしいことがあります。

例えば、次のようなものです。

ギリシャ神話     ローマ神話
Eros        =  Cupid
Zeus      =  Jupiter
Poseidon      =  Neptune
Aphrodite     =  Venus

そして、Eros は、Aphrodite の息子と考えられているようです。

ところで、前回は、胸像について書きましたが、今回は、statuette (小像)です。 

これは、もちろん、statue (像)の小型のものです。 

ギリシャ神話やローマ神話を学ぶと、英語の学習にも役立ちますし、より深く美術の鑑賞もできるように思います。
私も、またギリシャ、ローマの神々の系図やストーリーを読み直そうと思いました。


胸像

先日、大阪市立美術館で開催されているルーヴル美術館展に行ってきました。

The art of portraiture in the Louvre collection - 肖像芸術 
人は、人をどう表現してきたか、というテーマのコレクションでした。

すばらしい芸術の数々を楽しんできたのですが、それぞれの作品のタイトルや説明などを読んでいて、気になったことがありました。

肖像は、portrait ですが、絵画の場合もあれば、彫刻の場合もあるようです。

そして、その中には、胸像や頭部だけのものもありました。

例えば、Portrait of Aristotle (アリストテレスの肖像)、Head of Hammurabi (ハムラビ王の頭部)、Bust of Emperor Augustus (アウグストゥス帝の胸像)のように表示されていました。

頭部は、head で、そのままですが、bust を「胸像」のように使うのが、おもしろいなあと思いました。

bust (バスト)と言えば、まず、「女性の胸部、胸囲」という意味が、思い浮かぶかもしれません。

でも、調べてみると、「頭から肩ぐらいまでの胸像、半身像」という意味の方が、先にあったようです。

bust は、ラテン語 busutum = funeral monument (葬儀の記念碑)が語源で、墓石のような意味のようです。

さらに、burn (燃やす)とも関連するようで、火葬した後の灰を入れる飾り壺、骨壺のような意味へも広がり、その飾り壺を、亡くなった人に似せた形にするというようなこともあったようです。

このルーヴル美術館展のはじめの方に、古代の葬礼肖像という部門もあり、墓碑に、亡くなった人を彫ったものがありました。

写真などがない時代に、そのように亡くなった人の面影をとどめておくということですね。

bust も同じような意味合いがあったのでしょうね。

その後、19世紀ごろから、「女性の胸部、胸囲」という意味が、含まれるようになったようです。

bust は、肖像、胸像という意味では、男性にも女性にも使われるわけで、bust of Emperor Augustus は、アウグストゥス帝の胸像であって、胸部ではありませんね。

また、男女両方に使える胸部という意味では、chest があります。

ついでに、bust には、「こわす、逮捕する」などの意味もあり、アメリカでは、動詞でもよく使われます。

burst (爆発する)の変形した形のようです。

芸術を鑑賞しながら、言葉の歴史へと広がってしまいました。。


持続可能な農業

先日、息子の学校より、アジア学院、アジア農村指導者養成専門学校の方が、学校に来られて、プレゼンテーションをするので、保護者も出席してもよいという連絡がありました。

私は用事があり、出席しませんでしたが、夫が話を聞きに行ってきました。

内容は、sustainable agriculture(持続可能な農業) についてです。

なんとなく分かるような、分からないような表現ですね。

sustain は、「持ちこたえる、持続させる、維持する」のような意味で、sustainable は、その形容詞形ですが、sustainable agriculture のように使われる場合は、「地球に優しい、環境を破壊しない」という意味が含まれます。

sustainable agriculture の説明として、次のように載っていました。

a method of farming that doesn’t ravage the land, deplete resources, or produce a great deal of pollution
(土壌を荒らしたり、資源を使い尽くしたりせず、また、大きな大気汚染が生じないような農業の方法)

例えば、農薬などを多く使って、土壌を荒らさないような、環境に優しい持続可能な農業ということです。

夫が参加したプレゼンテーションでは、アヒルを田んぼに放し飼いにして、害虫などを食べさせるということを紹介していたようです。 そうすることによって、害虫駆除に農薬を使うことを減らすことができますね。

そのような数々の方法を知り、世界中で、地球に優しい農業が広がっていくと、すばらしいことだなあと思います。


回りくどい言い方をする

家族で話していたときに、息子が、日本人は、アメリカ人に比べて、ものの言い方が、回りくどいときがあると言います。 

私が、確かにそうかもしれないけど、日本では、あまりはっきりとものを言わないことで、周りとの調和を大事にしているというようなことを言っておきました。 

この「回りくどい言い方をする、遠回しに言う」という表現を、息子は、次のように使っていました。

They beat around the bush .
(彼らは、はっきりとものを言わない。)

beat around the bush (茂みのまわりをたたく)ことが、どうして、回りくどいということになるのでしょう。

これは、ハンティングに由来するそうです。

茂みに隠れている鳥を飛ばせて射止めることができるように、茂みのまわりをたたくということです。
そのものではなく、まわりからせめるという感じですね。

誰でも、言いたくないことを言わなければいけないときには、まわりからせめたくなる場合もありますね。

そして、長々と核心に触れない話をしていると、相手から、Get to the point. (要点を言いなさい。)と言われてしまうことになります。

私も、つい話がそれたり、核心から離れてしまうことがありますが、そういうときは、最後に、The point is..... (言いたいことは、.......)と、要点をまとめています。

謙虚さもあれば、恥ずかしい、申し訳ないなど、いろいろな感情があり、回りくどい言い方になってしまうことがありますが、時と場合によっては、率直に言う方がいいこともありますね。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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