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心の平穏

先日のテニスのオーストラリアオープンでは、見事に大坂なおみ選手が優勝しましたが、準優勝のクビトワも選手も、すばらしい選手で、ハラハラドキドキする決勝にふさわしい試合でした。

優れた敗者がいてこそ、勝者が輝くと新聞に載っていましたが、本当にそうだなあと思いました。

試合中には感情的になることもあって当然だと思いますが、大坂選手は次のように言っています。

There is an inner peace I can tap into sometimes during my matches.
(心の平穏というものがあり、試合中に時々、入り込むことができます。)

inner peace とは、直訳すれば、「内なる平和」ということですが、「精神的な / 心の / 内面の平安、平穏」ということですね。

どんな状況でも落ち着いた心でプレーするということなのでしょうか。 その結果の優勝は、本当にすばらしいですね。

ところで、inner peace と似た表現で、peace of mind 「心の平穏」 を思い出したのですが、次のように使われます。

Knowing that her children were safe gave her peace of mind.
(彼女の子供たちが安全なことを知って、彼女は心の平穏を得た。)

そこで、もう一つ全く意味は違うのですが、見かけも発音も似ている表現も思い出し、おもしろいなあと思いました。

何か気に入らないことがあったときに、次のように言えます。

I gave her a piece of my mind.
(私は、彼女に文句を言ってやった。)

give someone a piece of one's mind で、 「ずけずけと文句を言う、一言文句を言う、遠慮なく自分の意見を言う」 という意味です。

peace of mind と a piece of ones' mind は、peace と piece は、発音も同じで、所有格が入るか入らないかで、意味が大きく変わるものですね。

家でくつろいでいるときに、近所の騒音に我慢できなくなる場合など、peace of mind (心の平穏)が乱されたときに、相手に give a piece of one's mind (一言文句を言う)することもあるかもしれませんね。。


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なぞなぞ

NHKの「チコちゃんに叱られる!」という番組を見ることがあります。

その中で、「真っ黒なのに点々をつけると透明になるものは?」というなぞなぞがありました。

答えは、カラスです。 カラスに点々をつけるとガラスで透明ということですが、なかなか難しく、よい頭の体操になります。

点々をつけるというのを、どのようにとらえるかということですね。

そこで、息子が学校のあるアクティビティで出題された英語のなぞなぞを思い出して教えてくれたのですが、これもよい問題です。

What begins with e , ends with e and has one letter?

これを訳すとヒントになってしまうのですが、分かるでしょうか。
私は考えても分からず、息子に答えを教えてもらいました。

もし、少し考えてみたいという方は、この先は後でお読みください。




まず、スペルが、e で始まり、e で終わるものということです。

そして、問題はその後の、has one letter ですが、私は、letter を 「文字」と思い、一文字で e で始まり終わる単語などないので分からなかったのですが、letter を「手紙」ととらえるとどうでしょう。

全文を訳すと、「e で始まり、e で終わり、ひとつの手紙が入っているのは?」

答えは、envelope (封筒)です。

言われてみれば、簡単なことですが、ちょっとした発想の転換が必要だなあと思いました。

単なるなぞなぞですが、ものごとを別の観点から見てみると、それまで見えなかったことが見えてくることがありますね。 

日々の生活においても、頭を柔軟にして、ものの見方を変えて考えてみるということは大事なことかもしれませんね。


名簿

学校の先生が出席を取る場合は、 roll という単語を使って次のように言えます。

The teacher calls the roll before class begins.
(先生は、授業が始まる前に、出席を取る。)

roll は、「名簿、出席簿」以外にも多くの意味がある言葉ですね。

名簿を英語で言うと、簡単に name list でもいいのでしょうが、他にも、以前からちょくちょく目にしていた言葉があります。

roster です。

o をひとつ加えて rooster (雄鶏)という単語もありますが、この二つは関係がないようです。

この単語をどこで見かけるかというと、息子が参加するスポーツイベントやいろいろなコンペティションの参加者名簿の上に、roster information などと書かれていることがあります。

roster とは、「名簿、チーム名簿」という意味で、主にアメリカで通じる英語のようです。 軍隊での「職務当番表」という意味もあるようです。

語源辞書で調べてみると、roster は、roast (焼く) と関連がある言葉のようです。

中期オランダ語の roosten は、roast という意味で、現代オランダ語の rooster は、「リスト」という意味がありますが、もともとは、「焼き網」のことを意味していたようです。

そして、なんとその焼き網の格子状の線が、リストをつくるために引く線で、表のようだということから、英語の roster が、「名簿」ということになるようです。

考えてみると、名簿には、縦横の線があることが多いかもしれませんが、それが焼き網の線から来ているとは思いもしませんでした。

言葉というのは、どこでどうつながっているのか分からないもので、おもしろいですね。

それなら英語の rooster (雄鶏)も焼き鳥にすることがあるので、roast と関係するのかと思いきやそうではなく、roost (鳥がとまり木にとまる、ねぐらにつく)からの言葉のようで、なかなか難しいですね。

roast → 焼き網 → 表 → roster (名簿)となるわけですね。。


早寝早起き

「早起きは三文の徳」ということわざがあり、これに当たる英語は、The early bird catches the worm. (早起きの鳥は、虫をつかまえる。) となり、聞いたことがあるかもしれません。

我が家は、夫は朝型で、私は夜型なのですが、夫が、早起きするとよいという次のようなことわざを教えてくれました。

Early to bed and early to rise makes a man healthy, wealthy and wise.
(早く寝て早く起きることは、人を健康に、裕福にし、そして賢明にする。)

これは、100ドル紙幣の肖像にも使われているベンジャミン・フランクリンの言葉のようですが、分かりやすいですね。

オンライン辞書には、次のような説明も載っていました。

to emphasize that someone who gets enough sleep and starts work early in the day will have a successful life
(十分な睡眠をとり、一日の朝早くから働く人は成功する人生をおくるということを強調すること)

三文の徳というのは、文字通りに考えると「わずかな徳」ということですが、このベンジャミン・フランクリンの言葉は、その徳が具体的で、健康、裕福、賢明ということですね。

夜型人間にとっては、つらいところですが、まあ確かに早起きをして、規則正しい生活をすると、仕事もはかどり、結果的に裕福で賢明になるということなのでしょうね。

朝型人間は、そのまま morning person、夜型人間は、night person と言いますが、それぞれ、early bird、night owl などと言うこともあります。

息子が小さかったころ、「もったいないばあさん」という絵本を読んだことがありますが、その中で、「でんきをつけるなんて、もったいない。 くらくなったらねるだけさ。」という言葉があったのを覚えています。

そんな風に生きることはできないにしても、日が昇るとともに起き、暗くなったら寝るという自然に従う生活から見習うこともあるように思います。

私も、できるだけ早く寝るようにしようと思います。。

facsimile は、コピー?

コンピュータやスマホで、書類や写真などを送ることができるので、最近は、ファックスを使うことが少なくなったように思います。

ファックスは、facsimile を短くした fax ですが、「ファクシミリ送信、ファクシミリ文書」以外に、facsimile の意味を考えたことがあるでしょうか。

先日読んでいたニューヨークタイムズのオンライン記事の中で、facsimile が次のように使われていました。

There appeared a real risk that Japan would forget its past completely, winding up a mere Asian facsimile of western life.

(日本が自分の過去を完全に忘れ、結局単なる西洋式生活のアジアの複製になってしまう本当の危機があるようだった。)

facsimile は、exact copy = 「複製、複写」ということで、copy と同意語ということにもなりますが、copy の方が意味の幅が広い言葉なので、辞書などで確認するとよいかと思います。

確かに、ファックスというのは、複写が送られてくるいうことですね。

facsimile の言葉の成り立ちを見ると、facere → fac = make + simile = similar (同様の)、like (~のような) で、facsimile は、「似たものをつくる」という意味の言葉になります。

simile というのは、修辞法のひとつで、「直喩」という意味もあり、アメリカでは、中学生ぐらいで、習う言葉です。

直喩とは、as や like を使って、例えば、as big as an elephant (象のように大きい)のように表現することです。

ついでに、隠喩は、metaphor です。 これは、The classroom was a zoo. のような表現で、教室が動物園だったと言うことで、教室が混乱状態だったということを言おうとしています。 

また、話がそれてしまいましたが、ファックスを送るということは、ファックスの機械を使ってコピーを送るということになりますね。


moral と morale

先日、アメリカの友人から heartwarming video というタイトルの動画がメールで送られてきました。

どんなものかと言うと、ある馬が病院や介護施設などを定期的に訪問して、病気の人やお年寄りに安らぎを与えるという映像です。

その動画のキャプションに次のような文がありました。

This helps boost morale and brings smiles to those who need it most.
(このことは、気力を高め、それを最も必要としている人たちに笑顔をもたらす。)

moral と言えば、日本語にもなっている モラルで、「道徳的な、教訓」などの意味がありますが、e が付いた morale の方は、あまり見かけないかもしれません。

morale は、「士気、意気込み、やる気、気力」などの意味があり、boost / improve the morale of the team (チームの士気を高める)のように使えます。

morale は、なんとなくフランス語の匂いがするので、仏和辞書を引いてみると、やっぱりそうでしたが、少し英語とは、ずれがあることが分かりました。

名詞で使う場合、次のように、見事に反対の意味になります。

英語 → moral (道徳)、 morale (士気)
フランス語 → moral (士気)、morale (道徳)

そして形容詞になると、英語は、moral のみですが、フランス語は、名詞や形容詞も性別により、moral /morale と変化します。

moral も morale も当然同源のラテン語 moralis = proper behavior of a person in society (社会においての人間の適切な行動)からの言葉で、ラテン語の mos は、「人の気質」を表すようで、mood のような語とも関連があるのではないかということが、語源辞書に書かれています。

英語の morale も18世紀ごろは、フランス語の影響で、「道徳的原則」のような意味で使われていたそうですが、19世紀になり、軍隊における "confidence" = 自信という意味で使われたということで、現在は、軍やチームの士気という意味で使われるようです。

英語の moral と morale は、フランス語と混乱して、現在のような意味に落ち着いているようですね。

話し合うだけではない discuss

discuss というと、「議論する、話し合う」という訳が頭の中に浮かんでしまいがちだと思うのですが、それだけではないということに気づきました。

実は、今、翻訳をさせていただいている資料があるのですが、その中で次のような文がありました。 (便宜上、部分的に変更)

In Chapter 2, we will discuss the science behind what makes this product such effective cleaning agents.
(第二章で、何がこの製品をそのような効果的な洗浄剤にするかという背後にある科学を考察します。)

そこで、文面で使われる discuss は、「話し合う」ではおかしいなと思い、こういう discuss は、どう訳そうかと考えることになります。

このような文を読んでいるだけなら、さらっと読み過ごしていたと思うのですが、翻訳するとなると、よく知っている単語でも辞書を引きなおして最善の訳を探す作業が必要となり、勉強になることがたくさんあります。

discuss には、「話し合う」意味以外に、次のような定義が載っています。

to talk or write about a subject in detail, especially considering different ideas and opinions related to it
(ある主題に関して詳細に述べたり書いたりすること、特にそれに関連した異なる考えや意見を考慮しながらそうすること)

日本語の訳では、「論じる、考察する、説明する」ということになるようです。

このような discuss は、会議などで、「この問題は、後ほど論じることにします。」というような場合の論じるという意味でも使えそうですね。 論文などの中でも、使える場面がたくさんありそうです。

discuss は、人と話し合うことだけではなく、文面であることについて、詳しく説明するという意味も含まれているということですね。

満期になる

先日、息子の銀行口座のお金の話になり、どうせしばらく使うことがないのなら、もう少し利息のよい定期預金にしようということになりました。

それで、夫が見つけた17ヶ月の定期預金をすることになりました。

実際には、certificate of deposit (譲渡性預金証書)を買ったことになり、次のように言えます。

We bought a 17 month certificate of deposit.
(私たちは、17ヶ月の譲渡性預金証書を購入した。)

譲渡性預金証書などと言うと難しい感じがしますが、これは一種の定期預金のことで、満期日や利息が決められていて、一定期間引き出すことができないということのようです。

そして、夫が次のように言いました。

It matures in July, 2020.
(それは、2020年7月に満期になる。)

mature という単語は、こんな風に「定期などが満期になる」という意味でも使われるようで、言われてみれば、すっと頭に入りやすい表現かもしれません。

mature と言えば、他にも、「ワインやチーズなどが熟成する」という意味や「人が熟年の、落ち着いた」などの意味でも使われますね。

mature には、fully developed (十分に発達した)という基本的な意味があるようです。

ふと思いましたが、契約などが満了する場合は、expire を使いますが、expire は、いろいろなものの期限が切れてしまうということですね。

そして、チーズは、mature (熟成する) したり、expire (期限切れする)もしますね。

満期になるという意味もある mature という単語の幅を感じます。


非常用持ち出し袋

私たちが住んでいる市で、全市一斉総合防災訓練があるというチラシが入っていました。

1月17日の朝10時に、防災スピーカーから放送が流れて訓練が開始するようです。

そのチラシの中に、停電、断水時や、緊急時を想定した「非常用持ち出し袋」の用意について書かれていました。

それを見て、夫がそういう袋のことを英語では、bug-out bag と言うと教えてくれました。

日本語の表現は、非常時に持ち出す袋というそのままの名前ですが、英語はちょっと説明してもらわないと理解しにくいですね。

どうして bug (虫)なのでしょう。

bug out で、「素早く立ち去る、逃げる、退却する」のような意味があります。

虫が人間に見つけられたときなどに、さっと逃げるしぐさを表しているようです。

例えば、暗い部屋にゴキブリがいて、誰かが電気をつけると、ゴキブリが、ささっと逃げる感じですね。 

ということで、bug-out bag は、急いで逃げるための袋という意味になり、それが、非常用持ち出し袋ということになるようです。

bug は、中期英語の bugge = something frightening, scarecrow (何かぞっとさせる、かかし)の意味に影響された言葉ではないかと語源辞書に載っています。

ということは、虫というのは、何か人をぞっとさせるもの、怖がらせるものということで、ちょっと納得してしまいます。

bug-eyed (驚きで目を丸くした、びっくり仰天した)のような表現もこれで筋が通ります。

また横道にそれましたが、bug out というのは、何かが起こって驚いて急いで逃げるという感じなのでしょうね。

bug-out bag という言葉は、私は今まで知りませんでしたが、地震が起こる可能性があるカリフォルニア出身の夫の元同僚などは、カリフォルニアで住んでいたころは、bug-out bag を準備していたそうです。

災害が起こらないことを祈りつつも、災害に備えておくことは大事なことですね。 


死んでも嫌だ

「死んでも嫌だ」という表現がありますが、これは考えてみると、あまり論理的な文ではありませんね。

死んでしまうと、もう何も分からないのだから、何が起こっても関係ないはずなのでしょうが、それでも嫌だということですね。
死んだ後も嫌悪感が続くという非現実的な表現により、絶対に嫌だと強調されているのかもしれません。

そして、たまたま読んでいたオンラインニュースの中で、「死んでも嫌だ」と訳してもいいような英語の表現に出くわしました。

読み流していたので、具体的な内容は覚えていないのですが、次のように使うことができます。

I wouldn't be caught dead wearing the shirt like that.
(そんなシャツを着るのは死んでも嫌だ。)

wouldn't be caught dead もしくは、wouldn't be seen dead で、「絶対に~するのは嫌だ、何があっても絶対~しない、死んでも嫌だ」のような意味です。

この表現も、文字通り考えてみるとおかしいですね。

上記の文では、そんなシャツを着て死んでいるところを見つけられたくないということでしょうか。 死んだ後でさえも、そんなシャツを着ているのは恥ずかしいという感じですね。

日本語も英語も、同じように、絶対の究極を「死」という言葉を使って表現しているのが興味深いですね。

もっと明確に、次のような表現もありますね。

I would rather die than wear the shirt like that.
(そんなシャツを着るぐらいなら死んだ方がましだ。)

でも、「死」という言葉は、あまり軽々しく言うべきではないのかもしれません。 言霊のようなものが存在するかもしれないので。。

お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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