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同胞

同胞という言葉の定義は次のようになるようです。

1. 同じ父母から生まれた兄弟姉妹。 (同じ母から生まれた兄弟姉妹。)

2. 同じ国土に生まれた人々。同じ国民。また、同じ民族。

同胞(同国人)のことを英語では、compatriot と言い、次のように使われています。

American Mariah Bell is third and Sakamoto’s compatriot Rika Kihira fifth heading into Friday’s free skate.
(アメリカ人のマライア ベルは三位で、坂本の同国人である紀平梨花は5位で金曜日のフリースケートへと向かう。)

フィギュアスケートの四大陸選手権では、手の負傷にもかかわらず、紀平梨花選手の優勝、すばらしかったですね。

上記の文中では、紀平選手が、坂本選手の compatriot と書かれていて、これは、二人が同じ国民ということですね。

compatriot は、com + patriot だとすぐに分かりますが、com = with、together で、patriot は、単独で使う場合は、「愛国者」という意味ですね。

今年のアメリカンフットボールのスーパーボウルで優勝したチームも、New England Patriots(複数) ですね。

この patriot という単語ですが、ギリシャ語 patrios = of one's father (父からの)を語源としているようです。

「父」 は、フランス語では、père、スペイン語では、padre、そして日本語でもパパと言うこともありますね。 これらは全部、patriot と同じ語源です。

また、fatherland は、「祖国」で、祖先が代々生まれ育った国ということですが、そういう面でも、father という語源を持つ patriot には、愛国者という意味が生まれたのでしょうね。

compatriot は、「父とともに、また自分の祖先とともに」という意味が込められた言葉で、そこから同じ国の人という意味になるようですね。

そこで、ふと motherland 「母国」という言葉も思い出しましたが、こちらは、自分が生まれ育った国ですね。

父祖という言葉もありますが、compatriot、patriot は、祖先への思いを感じさせる言葉だなあと思いました。


えびの背わたをとる

今年は、2月5日が旧正月(春節)で、Chinese New Year とも言いますね。

我が家では、旧正月のころには、中華風の料理でお祝いすることもあり、餃子やえびチリなどを作ってみました。

そこで、えびの殻をむいていて、前から気になっていたことを思い出しました。

えびの殻は、shell で、貝殻と同じです。 たまごの殻も egg shell ですね。

そして、私がアメリカでよく買っていたえびは、shell-on (殻付き)で、背わたが取り除かれたものでしたが、考えてみると、殻をとらずに、背わただけをとるのは難しそうですね。

えびの背わたをとることを、devein と言い、冷凍で売っているえびの袋には、deveined と書かれていましたが、この devein という単語がひっかかっていました。

de + vein で、vein を除去するという意味なのは分かりますが、vein というと、「静脈」のことですね。

そこで、えびの「静脈」とは何なのかと不思議に思ったのです。

調べてみると、えびの vein は、人間のような血管ではなく、やはり腸に当たるようで、次のような説明文がありました。

Shrimp ‘Vein' is directly connected with stomach of shrimps. Thus, shrimp vein functions as ‘large intestine&small intestine of human.
(えびの’静脈’は、直接えびの胃とつながっている。それで、えびの’静脈’は、人間の大腸と小腸の機能がある。)

vein を 便宜上 「静脈」 と訳していますが、それで正しいのかどうかは分かりません。 辞書で vein を引いても、「静脈上のもの」という訳はありますが、えびに使われる場合の訳は載っていません。 

確かに、devein (えびの背わたをとる)という単語で使われることが多いのですが、vein の意味のひとつとして、「えびの背わた」と載せてもいいようにも思いますがどうなのでしょう。

えびの vein は、sand vein とも言われるようで、ウィキペディアによると、a euphemism for the digestive tract (消化官の婉曲法)だということです。

消化管と言うよりも静脈の方が、婉曲的だということですね。

日本語では、そのまま、背わた = 背中の腸と言うのに比べると、英語はちょっと遠回しな表現なようです。

sand vein と言われるのは、えびが食べた砂や泥などが含まれるからで、料理する場合は、とった方がよさそうですね。

ついでに、えびのはらわたは、「神経」だそうです。 動物は、背中に神経があり、お腹にはらわたがありますが、えびは反対だそうです。 そして、はらわたは、とる必要がなく料理には影響ないようです。 

ひとつの devein という単語についての疑問から、えびの生物学的特徴についても知ることができました。


proof について考える

前回の記事で、waterproof という語について触れましたが、書きながら、proof の使い方について考えてしまいました。

waterproof は、「防水の、耐水の」という意味で、proof には、「~を防ぐ、~に耐える、~を通さない」 という意味がありますね。

他にも、fireproof clothes (耐火服)、soundproof room (防音室)のようにも使えます。
bulletproof vest (防弾チョッキ)というのもありましたね。

チョッキという言葉、最近では、ベストと言うことが多く、あまり聞かなくなりましたね。 チョッキと言うと古めかしい感じがしますが、防弾チョッキという言葉は健在なようですね。

話がそれましたが、childproof は、どうでしょう。

これは、「子供にも安全な」という意味ですね。 

また、foolproof 「誰にでもできる、間違えようのない」 もよく見聞きし、foolproof recipe (絶対確実な、失敗しないレシピ)のように使われます。 fool は、「ばかな人」という意味なので、どんな人にもできるということですね。

childproof や foolproof の proof は、「~に安全な、~にも扱える」のような訳になりますね。

そこで、proof の根本的な意味はどういうことなのかと気になり調べてみました。

proof は、まず 「証拠、証明」 という意味がありますが、もうひとつ、test = 「試験、品質検査」という大きな意味があります。

proofread (校正する)というのも、文章などを test していることとも言えますね。

proof を test と考えると、waterproof は、水に対して test されたものと言え、childproof も、子供に対して test されたものとも言えますね。

そのような検査済みの状態から、水や火や音などに耐久性があると言えるわけですね。そして同じように、childproof や foolproof も検査したり試してみたりした結果分かるわけですね。

そして、test した結果、「証拠」ができ、「証明」されるのでしょうね。

proof に対して、少々理解が深まり、ちょっとすっきりしました。。


防水

息子の Adidas のスポーツバッグに、hydroshield と書かれています。

hydro- は、ギリシャ語で 「水の」という意味で、水と関係する言葉に付いていますね。

hydrogen (水素)、hydroxide (水酸化物)などの科学用語にも多く使われています。

hydroshield は、hydro (水)から shield (守る、保護する)するということなのでしょう。

ということは、防水加工してあるということで、waterproof とよく似ていますね。

また、water resistant back pack(耐水バックパック) のような表現もありますが、これも防水加工してあるということですね。

resistant は、「抵抗力を示す」という意味があり、熱、水などを通さない「耐~」ということで、water resistant も waterproof と似ています。

水を表すのに、ギリシャ語系は、hydro ですが、ラテン語系は、aqua ですね。

調べてみると、aqua proof primer(防水下塗り用ペンキ)という名前の商品もありました。

water、hydro、aqua と、proof、resistant、shield などの言葉を組み合わせて、ほぼ同じことを言おうとしているように思います。

waterproof の方が、water resistant よりも防水の度合いが高いという説明もありますが、実際はどのくらい違うものなのでしょうね。 消費者にとっては紛らわしいなあと思います。

ダイバーが防水の腕時計を買う場合、waterproof watch、water resistant watch、water shield watch のどれがいいのでしょう。

また、water と言うよりも、hydro と言う方が、ちょっと学術的な響きもあってかっこいい感じもしますね。

言葉に紛らわされず、機能をきちんと把握して買い物すべきだなあと思いました。


医者殺し

先日のNHKの言葉についての番組で、「医者殺し」という言葉がありました。

医者を殺すとは、どういうことなのでしょう。 ちょっと恐ろしい感じですね。

三重県鳥羽市の答志島では、煮魚を食べた後の骨と煮汁にお茶をかけていただく料理のことを、「医者殺し」と言うそうです。
この汁を飲めば医者にかからなくてもいいくらい健康でいられるということで、医者が仕事を失い死んでしまうということですね。

医者殺しという言葉は、他の地域でも使われるようで、それが、「味噌」であったり、「梅干し」であったりするようです。

英語では、よく知られている次のようなことわざがあります。

An apple a day keeps the doctor away.
(一日一個のりんごは、医者を遠ざける。)

医者殺しに比べて、英語は、医者を遠ざけるだけなのですね。

調べてみると、ウィキペディアには、この英語のことわざのもとになったオリジナルのものが、次のように載っていました。

Eat an apple on going to bed, and you’ll keep the doctor from earning his bread.
(寝る前にりんごを食べなさい。そうすると、医者が生計を立てられなくなります。)

bed と bread が韻を踏んだ形になっていますね。

このオリジナルの形は、医者殺しという言葉に少し近くなるようですね。

私は、「医者殺し」という言葉は、なじみがなかったのですが、「医者いらず」は、何度も聞いたことがあります。

いろいろなものが、医者いらずと考えられているようですが、下記はその例です。

りんご、味噌、梅干し以外にも、アロエ、大根おろし、トマト、納豆、緑茶、腹八分目、温泉など。

医者殺し / 医者いらずと言われるものを生活に取り込んで、医者に行くことが少なくなれば、それに越したことはありませんね。


恥をかかせる

飛行機の座席では、誰でも真ん中の席に座りたくないものだと思います。

ユナイテッド航空の乗客の話をニュースで読みましたが、この乗客は、真ん中の座席になり、そして両側にサイズの大きな人が座ったそうです。

普通なら、あきらめて大人しく、その真ん中の座席に座ることになるのでしょうが、この乗客は、隣の人が聞こえるように、携帯電話で誰かと話をし始め、次のようなことを言ったようです。 

They are so big.
(彼らは、とても大きい。)

Oh my goodness, I don’t know how I’m going to do this the next four hours. This is just impossible because they’re squishing me.
(やれやれ、これから4時間どうやってこの状態でいるか分からないわ。こんなの不可能よ。彼らは私を押しつぶしそうよ。)

At least they will keep me warm.
(まあ、彼らのおかげで暖かいでしょうけど。)

こんなことを言ってしまうなんて、ひどいですね。 

この乗客は、隣の座席の人が太っていることで恥をかかせたわけですが、次のように言うことができます。

She fat-shamed her seatmates.
(彼女は、隣り合わせた人を太っているということで辱めた。)

shame は、「恥、恥ずかしさ」という意味の言葉ですが、動詞でも使えて、「恥ずかしい思いをさせる」ということですね。
それに、fat 「太い」が付いたものです。

fat-shame の定義は次のように載っています。

to criticize someone for being overweight, especially publicly
(人が肥満であることについて、特に公然と非難すること)

このような単語も存在するのですね。 それだけ太った人が多くて批判されることが多いのでしょうね。

確かに、アメリカに住んでいると、どうしてここまで太るまでに痩せようと努力しなかったのだろうかと不思議に思うような人もいます。 でも太りたくて太った人はいないでしょうし、様々な状況からそうなったとしたら気の毒なことです。 

快適な空の旅のために、この乗客は、やっぱりこっそりと客室乗務員に席をかえてもらうように伝えればよかったのではないかと思います。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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