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肛門な性格とは?

化学の先生の言葉遣いの中で、おもしろい表現があると、息子が教えてくれました。

この表現を聞くと、つい笑ってしまうそうで、次のように使われるようです。

I am going to be more anal about grading papers.
(レポートの成績をつけることについて、これからもっと細部にわたって徹底的にするつもりです。)

レポートの細かい部分もチェックするので、できるだけ完璧な状態で提出するようにという感じの意味のようです。

どうして笑ってしまうのかと言うと、anal という単語の意味を想像するからです。

anus は、「肛門」 で、anal は、「肛門の」 という形容詞ですね。

ところが、anal には、精神医学用語で、「肛門性格の、きちょうめんな、潔癖性の、どうでもよいことに執着する」 などの意味があるようです。

フロイト心理学での 「肛門期」 という意味もあり、自分で排便できるようにするトレーニングが厳しすぎると、きちょうめん過ぎて頑固な性格になってしまうというようなことなのでしょうね。

私も息子も、このような anal の使い方は知りませんでしたが、夫は自分では使わないけれど、聞いたことはあり、anal-retentive と使われることもあるそうです。

夫の以前の上司は、オフィスに置いてある物の細かい位置まで気にするような人だったようで、そういう人も肛門性格な人と言えるのでしょうね。

He is very anal about keeping his office neat.
(彼は、オフィスを整頓された状態にしておくことに徹底している。)

また、以前の夫のオフィスの秘書の方が、自分のことを、neat freak (徹底したきれい好き)だと言っていたことを思い出しました。

freak は、「軽蔑的に奇人、変人」という意味もあるので、自分のことを言うのにはいいですが、他の人について言うのは気をつけた方がよいですね。

普通は、I am a tidy person. や I like to keep things clean / tidy. のように言えばよく、anal を使うのは、かなり徹底したとき、またはちょっと病的な潔癖症を意味することもあるのかもしれません。

ちょっとおもしろい表現なので、理解語彙として、ちらっと覚えておいてもいいかもしれませんね。


目の上のたんこぶ

ライバルについて話をしていたときに、ライバルは、お互いを高めるためにポジティブにとらえる場合と、相手をうっとうしい存在だと思う場合があるというようなことを言おうとしました。

そこで、うっとうしいという言い方について、私の頭の中では、日本語の 「目の上のたんこぶ」 を思い出し、これを夫に説明すると、英語には同じことを意味する次のような言い方があると教えてもらいました。

burr under the saddle

定義は次のように載っています。

someone or something that is a constant cause of trouble or annoyance
(絶えず悩みやいら立ちの原因となるような人やこと)

つまり、「目の上のたんこぶ、頭痛の種」 となり次のように使えます。

He has been a burr under their saddle for many years.
(彼は、長い間彼らの頭痛の種となっている。) 

burr は、私には初耳でしたが、ここでは、「いが、とげ」を意味するようです。

saddle は、「鞍」 のことですね。

馬にとって、鞍の下に付いてしまったいがやとげは、目の上のたんこぶと同じように、うっとうしいものなのでしょうね。


上から目線

私のまわりには、人を見下すような上から目線な人はあまりいませんが、そういう態度の人もたまにはいますね。

そういう人たちに遭遇すると、つい友人、家族などに愚痴を言ってしまうこともあるかもしれません。 

そんなときに使えるのが、condescending という単語です。

I can't stand his condescending attitude.
(私は、彼の上から目線な態度にがまんできない。)

condescending は、condescend という動詞から派生していますが、con = with, together + descend = come down というように分解でき、一緒に下りるという感じですね。

フランス語では、電車や車から降りるのも、この decendre という動詞を使います。

そして、フランス語の condescendre は、文語的に 「同意していやる、望みを聞き入れてやる」 という意味になるようです。

一緒に下りてきてやるという感じで、恩着せがましさが見られる言葉ですね。

そういうところから、condescending は、「見下すような、上から目線の、威張った、偉そうな、横柄な」 のような訳が載っています。

偉そうな人に出会ったときに、Who do you think you are ? (お前は何様のつもりだ。)のようになかなか直接言えないものですが、そういう態度について condescending を使って述べることはできそうです。。


盲腸

「盲腸で入院した。」 のような表現を聞きますが、盲腸というのは、病名ではないので、このまま英訳することはできませんね。

盲腸という臓器名は、cecum ですが、通常、盲腸と言う場合、盲腸から出ている虫垂 appendix を意味することが多いようです。

盲腸が、大腸の初めの部分で、そこにくっついているのが虫垂です。

appendix というのは、「付加物、付録」 などの意味もあり、何かにくっついているという意味の言葉です。

そして、その虫垂に炎症が起こったものが、虫垂炎で、appendicitis となります。

なので、次のように言えます。

He is hospitalized for appendicitis.
(彼は、虫垂炎で入院している。)

He had to go to the hospital to get his appendix removed.
(彼は盲腸 / 虫垂を切除してもらうのに病院に行かなければいけなかった。)

ここで気づくことは、appendicitis の、-itis という語尾です。

いろいろな病名の語尾が -itis となっていて、これは、その部分が炎症を起こしているということです。

例えば、hepatitis B (B型肝炎)も、hepat + itis で、肝臓の炎症を意味していますが、肝臓と言えば、liver ですね。

ギリシャ語 hepar が、肝臓を意味するようです。 liver + itis とならずに、ラテン語やギリシャ語が入ってくるところが、医学用語の難しいところですね。

同じく、arthritis (関節炎)も、joint (関節)の炎症ですが、ギリシャ語の arthro + itis という構造になっています。

-itis = 炎症と覚えておけばよいですね。


けんかをやめる

戦いや論争状態にあった相手と和解すること、けんかをやめるという意味で、bury the hatchet という表現が使われているのを見かけることがあります。

少し古い記事ですが、次のような見出し文でも使われていました。

Carson buries the hatchet, endorses Trump for president
(カーソンは和解して、大統領候補としてトランプを支持する)

共和党の大統領候補指名争いのときに、カーソンとトランプは争っていましたが、その争いをやめたということです。

bury the hatchet の主語は、この文のように単数でも、また Carson and Trump bury the hatchet のように複数でも使えます。

hatchet は、「手斧」 です。

フランス語の hacher (細かく切る)ことや、hache (斧)とも関連する語です。

bury は、「埋める、葬る」 ですね。 bury (ベリーと発音)は、発音要注意単語としてよく知られていますね。

bury the hatchet は、ネイティブアメリカンが戦いの武器である手斧を地中に埋めることによって、もはや戦う意志がなく、相手と和解したいという気持ちがあることを示す習慣から生まれた表現のようです。

Let's bury the hatchet.
(もうけんかはやめよう。)

I think it's time to bury the hatchet.
(そろそろ仲直りをするときだと思うよ。) のように使えます。

何かを葬るということは、それを忘れるということでもありますね。 武器である手斧を葬るということで和解するというのは理解しやすいですね。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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