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物々交換

アメリカのニューメキシコ州では、白人、ヒスパニック、ネイティブアメリカンがうまく共存しているように感じます。

私は、ニューメキシコ州で暮らしたことがあり、州都のサンタフェなどで定期的に行われるネイティブアメリカンマーケットに行ったことがあります。

ネイティブアメリカンの作る芸術作品やジュエリー類も売っていて、シルバーやトルコ石などで作るそれほど高くないジュエリーもあって買ったこともあります。

ニューメキシコ州内の小さな町で、夫の母がレストランで食事をしていたときに、ネイティブアメリカンの人たちが、彼らの作る作品で、そのレストランでの食事代金を支払っていたそうです。

お金を払わずに物とサービスの交換ですね。

そういう物々交換は、今でもあり、それは barter (交易する、物々交換)という言葉があると、夫の母から聞きました。

barter は、次のような定義が載っています。

exchange (goods or services) for other goods or services without using money.
(お金を使わずに品物やサービスを他の品物やサービスと交換すること。)

Native Americans bartered for the restaurant meals with their artwork.
(ネイティブアメリカンたちは、彼らの芸術作品とレストランでの食事を交換した。) のように言えますね。

夫の母が、物々交換はいいけれど、税金はどうなるのだろうと言っていましたが、物々交換でも課税所得になるようです。

でも、どこまで正確に申告されているのかは疑問ですね。。


傷つける

私はアメリカでは、ニューメキシコ、テキサスの乾燥地域に住んでいたので、ほとんど蚊に噛まれることはなかったのですが、日本で暮らしていると、よく噛まれて困ります。

蚊に噛まれた跡は、mosquito bite で、英語では、蚊は bite (噛む) ですが、日本語では、「食われる」 や 「刺される」など、全国的にいろいろあるようですね。

私もそうですが、関西では、「噛まれる」 と言う人が多いように思うのですが、どうなのでしょう。

少し前の新聞に、sting (刺す)が、次のように使われており、刺すのは、bee だけではないようです。

Katie Ledecky というアメリカの水泳選手が、世界選手権フリースタイル400メートルで二位になったというニュースで、本来なら二位はすばらしい結果なのですが、彼女は2013年から負けたことがなかったので、このような感想になったようです。

This stings a little, It's not what I'm used to.
(これは、ちょっと傷つきます。 こういうことは私は慣れていないから。)

hurt (痛む)もそうですが、sting も、このように精神的に傷つく場合にも使われるのですね。

sting というと、チクチクするような、そんな心の痛みを感じますね。

また、Sting というポールニューマンとロバートレッドフォードの映画がありましたが、あれは、「だまして、ぼったくる」という con job = confidence job(信用詐欺)という意味の俗語のようで、sting にもいろいろあるようです。

負けを知らなかった Ledecky選手にとって、二位は屈辱であり傷ついたことだと思いますが、きっとまたそこからさらに強くなって、オリンピックでの活躍を期待したいです。


ボールを奪う

少し前の話になりますが、7月に女子サッカーワールドカップで、アメリカが優勝しましたね。

その試合をアメリカで見ていたときに、相手チームがボールを奪うことに、dispossess という単語が使われていて、言われてみれば、possess に対して、dis + possess なので分かりやすいのですが、私は初めて気づいたように思います。

日本語でも「ポゼッション」という言葉が使われ、これはボールを持っている状態で 「支配率」 ということですね。

その反対の dispossess は、「ボールを奪う」 ということになりますね。

dispossess は、少しフォーマルな感じのする語で、アメリカ英語なら次のように、 steal と言う方が一般的かもしれません。

She stole the ball from the midfielder.
(彼女はミッドフィールダーからボールを奪った。)

また、dispossess は、「土地や財産などを取り上げる」 という意味があり、dispossess someone of ~ (誰かから~を奪う) という使い方ができ、次のように使います。

She dispossessed the nobles of their land.
(彼女は、貴族から土地を取り上げた。)

サッカーの場合は、次のように使うことができます。

The player was dispossessed (of the ball ) from behind.
(そのプレーヤーは後ろからボールを奪われた。)

なでしこジャパンは残念でしたが、オリンピックではがんばってほしいですね。


数学は複数形?

前回、イギリス英語でソーセージのことを banger とも言うということを書きました。

そこで、以前何かの記事で読んだイギリス英語とアメリカ英語の違いについて思い出しました。

イギリス英語とアメリカ英語の単語の違いについて、よく聞くところでは、lift (イギリス英語)とelevator(アメリカ英語)などがありますね。

lorry(イギリス英語)とtruck(アメリカ英語)もそうですね。

私がおもしろいと思ったのは、mathematics の省略形 math という言葉はアメリカ英語というところです。

イギリス英語では、maths となるようです。

へぇーと思って、息子にも知っているかと聞くと、学校の数学の先生がイギリス人なので、 その先生は maths とおっしゃるそうなので、math との違いには気づいていたと言います。

maths というのは、発音しにくそうな音ですね。カタカナであえて書くなら マスス という感じでしょうか。

そこで mathematics は複数形なのだろうかと疑問が起こります。

通常は下記のように、単数として扱いますね。

Mathematics is my son's favorite subject.
(数学は私の息子が大好きな科目です。)

単数として使うのに形が複数形であるのは、mathematics という語が、ラテン語の mathematica という語が基になっていて、ラテン語で -a は複数形を示すので、英語になってもそのまま複数形が使われたという理論が語源辞書に載っていてなるほどと思いました。

そして、省略形の方は、先に math の方が使われ始め、 約20年後ぐらいに、イギリス人が maths と省略形も複数としたそうです。

mathematics が複数形なら、省略形も maths と語形として複数形に合わせるという考えも理解できますね。

イギリス人の方が論理的ということでしょうか。。




メニューの読み間違え

アメリカ滞在中に、ホテルの中のアイリッシュパブに夕食を食べに行きました。

メニューを渡されて、全部目を通した後、ウエイトレスの人に、 疑うこともなく次のように言いました。

I would like Vegan burger and mash please.
(ビーガンバーガーとマッシュポテトをお願いします。)

すると、ウエイトレスの人に、一瞬不思議な顔をされて、Oh, it's not a burger. It's a banger. (あぁそれは、バーガーじゃなくてバンガーです。) と言われてしまいました。

薄暗い照明の中で、老眼もあり、単語のスペルを勝手に思い込んでいたようです。

でも、banger と言われても、私には何なのか分からなかったので聞いてみると、ウエイトレスの人が、「ソーセージ」 だと教えてくれました。

イギリス英語で、sausage のことを banger とも言うことをはじめて知りました。

bangers and mash (ソーセージとマッシュポテト) というのは、イギリスの定番メニューのようです。

それで、間違えついでに、そのVegan bangers and mash というのを注文しましたが、vegan なのかどうか分からない味で、まあまあといったところでした。

それにしても、どうしてソーセージが、banger なのでしょう。

banger は、もちろん bang (バンという音)ということですが、第一次世界大戦のころは肉不足で、ソーセージを作るのに水分が多く含まれていたようで、高熱で焼くと音がして破裂してしまうことがあったからという説明がウィキペディアに載っていました。

なるほど、その破裂音が bang bang というので banger のようですね。

bang と言えば、宇宙の Big Bang を思い出しますが、スケールがあまりにも違いますね。

読み間違え、聞き間違え、いろいろありますが、間違いながら、また新しいことを学んでいけばよいなあと思います。


ゴミ箱を見て考えたこと

アメリカ滞在中に、いくつか大学を訪問しました。

農学部がある大学などは、牛を飼育していて、そのミルクからアイスクリームを作って、キャンパス内のサーティワンアイスクリームのようなお店で、いろいろなフレーバーとして売っていました。

そのアイスクリームのパンフレットに次のような説明文がありました。

Creamery ice cream is so fresh that only 4 days, on the average, elapse between the cow and your newly dipped cone.

(アイスクリームショップのアイスクリームは、とても新鮮で、牛からあなたの最近一すくいしたアイスクリームコーンまで平均して4日しか経っていません。)

搾乳からアイスクリームまでに4日しか経っていないということで、なんだか贅沢なアイスクリームを食べたような気がしました。
私が選んだブラックウォールナッツフローズンヨーグルトというフレーバーもとてもおいしかったです。

また前置きが長くなりましたが、そのアイスクリームを食べ終えて、ナプキンやらスプーンなどをゴミ箱に捨てに行ったのですが、その表示の仕方が目に留まり、すばらしいなあと思いました。

通常、アメリカでは、ゴミ箱は Trash という言葉が使われますが、その大学のゴミ箱に書かれていたのは、Landfill です。

trash と言えば、ゴミそのものですが、landfill と言うと、「ゴミ処理場、ゴミ廃棄場」 ですね。

ゴミ廃棄場行きということで、ゴミの山を想像してしまいますね。 そして、ゴミを捨てる前に、これを捨てるとゴミの山を増やすことになると、ちょっと考えさせられます。

そして、landfill と書いたゴミ箱の横には、もちろん recycle と書かれたゴミ箱があり、becomes new materials (新材料になる)と添えられています。

そして、紙、缶、ビンなどすべて同じリサイクルのゴミ箱に入れるようになっていました。 

このようなリサイクルの仕方は、single stream recycling と呼ばれていて、後から機械で選別してリサイクルされます。

landfill というちょっとした表示ですが、パワフルなメッセージがこもっているように思いました。

そして、その landfill と書かれた横に、Are you sure ? (本当に捨てていいの?)と添えられているところもありました。

それぞれが、物を買う段階から、Are you sure ? と自問するところから、ゴミを減らすことにつながるようにも思いました。


機械の調子が悪い

ホテルで泊まると、ビュッフェスタイルの朝食が付いている場合が多く、自分でワッフルメーカーに生地を流し込んでワッフルを作ったり、食パンやイングリッシュマフィンをトーストできるようになっています。

私は、グラノーラにヨーグルトをかけたり、イングリッシュマフィンをトーストしてジャムをぬって食べることが多いのですが、他のお客さんが、トースターが動かないとビュッフェ担当者に言っているようでした。

そこで、そのビュッフェ担当者がマネージャーの人に、次のようにトースターのことを伝えているのが聞こえました。

It is acting up.
([トースターの] 調子が悪いのです。)

トースターの調子が悪いことを、act up を使ってこんな風に自分では言えなかったなあと思いました。

いろいろな人の言葉から学ぶことができるものですね。

その時その場にいなければ、一生知ることがなかったかもしれない(ちょっと大げさですが)と思うと、そういう言葉の数々に出会うことで、とてもうれしい気分になってしまいます。

It made my day.
(それが私を幸せな気分にさせました。)

「人を喜ばせる、幸せな気分にさせる」 という意味で、make one's day は、よく使われる表現ですね。

例えば、息子が母の日に花束を買ってくると、母は息子に、You made my day. と言えますね。

と、また横道にそれてしまいました。。

act up とは、「人が勝手に振る舞う、正しく行動しない」 という意味でも使えます。

また、子供がふざけたり、いたずらをするのも、act up を使えます。

なので、act up をトースターなどの機械に使う場合は、「正常に動かなくなる、故障を起こす、調子が悪い」 という意味で使えるわけですね。

acting up していたトースターは、パンが詰まっていただけのようで、すぐに元にもどり、私もいつものように、イングリッシュマフィンをトーストして食べることができました。



お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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