以前の記事で、burp (げっぷ) という言葉は、英語も日本語も、その音から来ていると書きました。
hiccup (しゃっくり)も、hic という音から来た言葉のようです。
しゃっくりには、いろいろな folk remedy (民間療法)がありますね。
私が知っているのは、水を飲むことや、しばらく息を止めたり、誰かにびっくりさせられることなどで、私には効果があるようです。
友人と話しているときに、しゃっくりという意味ではない hiccup が使われていました。
It was just a hiccup.
(ちょっとした問題だった。)
hiccup には、次のような定義もあります。
A temporary or minor problem or setback
(一時的な小さな問題や挫折、失敗)
There were a few hiccups in the computer system.
(コンピュータシステムに少しの問題があった。) のようにも使えます。
しゃっくりも、あまり長く続くと嫌なものですが、しゃっくりは、ほとんどの場合は深刻なものではないので、ちょっとした一時的な問題ということになるのでしょうね。
1gallon (ガロン) = 3.785...リットルの 1/4 は、quart (クオート) で、qt と書くこともありますが、先日、友人が会話の中で使っていたのは、クオートではなく、次のように使われていました。
They did it on the QT.
(彼らは、こっそりとそうした。)
このように言われて、私は、QT (キューティー)の意味が分からず、QT ? と友人に聞き直すと、QT は、quiet の略だと教えてくれました。
QT は、q.t. と小文字で書くこともあるようです。
on the QT / q.t. の定義は、次の通りです。
in a secret or quiet way
(内緒で、こっそりと、または静かに)
secretly、quietly と置き換えることもできますね。
それから数日して、新聞の中でも、on the QT という表現を見つけました。
その記事は、ある遊具施設を紹介していたのですが、そこへ行くための行き方や営業時間、費用、近辺の情報などがまとめてあるコーナーの上に、on the QT と書いてありました。
穴場的な場所なので、ちょっと秘密にしておきたいけど、紹介しますという感じなのかなあと思いました。
on the quiet と、そのまま使ってもよいようですが、on the QT とする方が、なんとなく暗号のようで秘密めいているようにも感じました。。
NHKの朝の連続ドラマの中で、借金取りが出てきたのですが、夫は、その人たちのことを、loan sharks なのかと聞きました。
夫の日本語は、初歩の初歩で、毎朝15分のドラマを見るのも一苦労だと思うのですが、日本語のよい勉強だと思います。
同時に、ドラマの内容を所々英語で説明しないといけない私の英語の勉強にもなります。
loan shark という言い方は知りませんでしたが、なんとなく理解できたので、一種の moneylender だと答えておきながら、後で辞書で調べると、loan shark は、「高利貸し、ヤミ金融」と載っています。
やっぱりサメは、怖くて嫌われるイメージなのでしょうね。 次のような shark の定義も載っていました。
a person who swindles or preys on others
(他人をだましたり、食い物にする人)
こんな風に見ていると、shark は、悪いイメージばかりかと思いきや、そうでもなく、「名人、達人」 という意味も辞書には載っており、次のような定義もあります。
a person who has unusual ability in a particular field
(特定の分野において、ずばぬけた能力のある人)
He is a shark at mathematics.
(彼は、数学がずばぬけてよくできる。) のような例文が辞書に載っています。
shark の語源を調べると、ドイツ語の Schurke (悪党)という説が載っていました。
shark は、危ないけれども、かっこいいイメージもあるように思い、それで、高利貸しのような悪い意味と達人という良い意味と両方あるのかなあと思いましたが、どうなのでしょうか。
かなり前のスポーツ記事を読んでいた時に、strategy とtactics という言葉が出てきて、どちらも 「戦略」 という意味の言葉だと、ぼんやりと理解していたのですが、記事の中で、次のように、うまく説明してくれていて、なるほどと思いました。
Strategy is the art of the general, arranging forces before the battle.
(strategy は、軍司令官の戦術で、戦いの前に軍隊の手はずを整え準備をすることである。)
Tactics are the art of deploying forces within the battle.
(tactics は、戦いの中で、軍隊を配置する技術のことである。)
もちろん、strategy も tactics も、軍隊で使われるだけではなく、スポーツなどのいろいろな分野で使える言葉ですね。
もう少し分かりやすく言うと、strategy は、ある目的を達するための全体的な行動プランということで、tactics は、その目的を達するための具体的な方法ということになります。
どちらの単語も、大きな意味で 「戦略」 ということですが、strategy の中で、 tactics をどのようにうまく使うかが勝敗を決めることになるのかもしれませんね。
今日は、ラグビーの日本対サモアの試合がありますね。
どんな strategy があるのか知りませんが、ベストな結果が出せるような tactics を使って、アイルランド戦のときのように、また勝ってくれるといいなあと思います。。
他人の不幸を喜んではいけませんが、誰もが少しはそういう経験をすることがあるかもしれません。
例えば、こちらが親切にその人のことを思ってアドバイスしたのに、その人が言うことを聞かず、結局その人が痛い目にあったというような場合、英語では、See, I told you. (だから、言ったのに、言わんこっちゃない。)などと言うことがあります。
そういう話をしていると、他人の不幸を喜ぶ気持ちを表すのに、schadenfreude という言葉があると、夫から聞きました。
スペルから察しがつくように、ドイツ語ですが、次のような意味です。
schaden = damage、harm(損害)
freude = joy(喜び)
「だから言わんこっちゃない。」 というのは、どこか明るいイメージもしますが、schadenfreude は、他の人の失敗や不幸を、心の中で快く思ってしまうような感情のようです。
英語には、ぴったりの表現がないので、この言葉を英語に取り入れていると、夫が言います。
日本語では、「ざまあみろ、いい気味だ、人の不幸は蜜の味」 などが近い意味になるようです。
そこで、英語にも schadenfreude に相当する何かあるのではないかと探してみました。
最も近いのは、gloat という動詞で、「ほくそ笑む、他人の不幸をいい気味だと思う」 のような意味があります。
He gloats over his rival's misfortune.
(彼は、ライバルの不幸にほくそ笑む。)
He had a feeling of schadenfreude when his ex-wife’s second marriage failed.
(彼は、前妻の再婚が失敗した時、いい気味だという気持ちにになった。)
schadenfreude は、他人の不幸に重点が置かれ、gloat は、他人の不幸よりも、それについて自分が満足する方に重点が置かれている感じのようです。
他人の不幸を喜ぶというと、ちょっと恐ろしいように思いますが、人間の深層心理として、他人を超えたいと思うものがあるのだろうと思います。
もうひとつ、まじめな公平さを示す言葉でもあるように思いました。 勉強をさぼっていて、テストで失敗した生徒を見て、まじめに勉強していた生徒は、この schadenfreude を経験することもあるのだと思います。
ただ、その生徒が大事な受験で失敗したり、事故に遭いけがをしたような場合は、やっぱり schadenfreude ではなく、気の毒だと思う場合が多いように思います。
なので、schadenfreude は、あまり深刻ではない状況で、ちょっと優越感に浸るような場合に使われるような感じなのでしょうね。
senioritis という言葉がありますが、日本語のシニア世代のことではなく、アメリカのハイスクールなどの最終学年の senior (12年生) + itis という構成になっている俗語です。
以前の記事で、itis は 「炎症」を意味すると書きましたが、そのような病名に付く itis が、ここでは、一般的な病という意味で使われています。
なので、senioritis は、シニア(12年生)病とでも訳せばよいでしょうか。
その定義は、次のように載っています。
an ebbing of motivation and effort by school seniors as evidenced by tardiness, absences, and lower grades
(遅刻や欠席、成績が落ちたりすることから分かるような、学校の12年生によるやる気や努力の衰退)
もうすぐ卒業ということで、勉強する意欲がなくなる状態を表す言葉です。
先日出席した息子の学校の大学進学に関する説明会でも、Conquer senioritis (シニア病に打ち勝とう。)のように使われていました。
すべてのテストが終わり、進学先も決まった後は、少しのんびりした気分になってしまうのも分かりますね。
でも、息子が通っている学校の国際バカロレアというプログラムは、ぎりぎりまで課題や試験が山積みで、senioritis を患っている暇はないように思いました。
ただ、年内に進学先が決まる可能性もあるので、その場合は少しほっとできるのかもしれません。