fc2ブログ

手術だけではない surgery

病院の内科は、internal medicine ですが、外科はどうでしょうか。

internal の反対の external medicine ではなく、surgery となります。

external medicine は、「外用薬」 となるようです。

確かに、外科では手術をすることが多いので、surgery という名前は理解できますね。

surgery は、語源的に、working or done by hand (手でする仕事) という意味で、日本語の 「手術」 という言葉は、ぴったりですね。

plastic surgery (形成外科)

cosmetic surgery (美容整形外科)

orthopedic surgery (整形外科) などがありますね。

これらは、病院の診療科としての名前ですが、イギリス英語では、一般開業医の医院、診療所などのことも surgery と言うそうで、先日読んだ医療英語について書かれた記事の中で、初めて知りました。

I visited GP (= general practitioner )'s surgery yesterday.
(私は、昨日かかりつけの医院へ行った。)

GP は、family doctor とも言います。

病気になると、まず GP / family doctor の医院へ行き、そこから必要なら専門医へ回されます。

そのような地域の医院のことも、イギリスでは surgery のようで、辞書にもそのように載っています。

アメリカでは、このような地域の医院のことは、doctor's office と言い、office にも 「医院」 という意味があります。

office の診療で済めばありがたく、hospital (大きな総合病院) には、できれば行きたくないものです。

かかりつけの医者というのは、主に内科医である場合が多いと思いますが、その医院のことを、イギリスでは surgery と言うのが不思議です。


うずくまる

昨日は、フィギュアスケートGPファイナル男子フリーをテレビで観ました。

羽生結弦選手は、珍しくミスはあったものの、4種類の4回転ジャンプを5回着氷させて2位となりました。

これだけのジャンプをすると、さすがの羽生選手でも、体力が消耗するのでしょうね。 滑り終わってから、氷上でうずくまっていました。

このニュースを朝、読んでいると、次のような文がありました。

Hanyu crouched on the ice at the end of his skate.
(羽生は、彼のスケートの終わりに氷上で、うずくまった。)

crouch は、「うずくまる、しゃがむ、かがむ」 のような意味です。

crouch は、become bent (曲がる) という意味の 古フランス語 crochir を語源としているようで、ひざを曲げるということへ、つながるのでしょうね。

そして、その形は、crochet hook (かぎ針編み用のかぎ針) から来ているようで、crochet には、small hook (小さいホック) という意味があるようです。

かぎ針の先が曲がっていることと、ひざを曲げてうずくまる、しゃがむということが関連するとは思いもせず、どこでつながっているか分からないものだと、おもしろいなあと思います。

ネイサン チェン選手の完璧さも、もちろんすばらしかったのですが、羽生選手が、うずくまって動けなくなるほど、力を出し切った姿にも感動し、フィギュアスケートは、優雅なだけではなく、激しいスポーツでもあることを再認識しました。


(訂正) crochet のスペルが、croche (誤り)と書いておりましたが、crochet に訂正させていただきました (12/11)。 失礼いたしました。

FOMO

息子の学校通信の中に、ソーシャルメディアが生徒たちに与える影響についての記事があり、その中で、FOMO という略語を見つけました。

FOMO が分からない人のために、Fear of Missing Out の頭文字であることが添えてありました。

miss out は、次のような定義が載っています。

to lose the chance or opportunity to do or experience something
(何かをしたり、経験するチャンスや機会を失うこと)

to fail to participate in something
(何かに参加しそこなうこと)

常に誰かとつながっていないと、何か楽しい機会を失うのではないかという恐れのようなことで、FOMO は、「チャンス、楽しいことなどを逃すことへの不安や恐怖心」 という説明が載っています。

そして、そういうことから、睡眠不足の生徒が多いようです。

取り残されたような気持ちになることは、誰にでもあるかもしれません。

たまたま参加できなかったパーティなどで、何かおもしろいことはなかっただろうかと、参加した友人に聞いたりすることはありますね。

もちろん、その場にいたかったなあと思うような場合もありますが、別にたいしたことなかったという場合もありますね。

まあまあだった場合は、参加しなかった人に、次のように言ってあげると安心するかもしれません。

You did not miss anything.
(あなたは、何も失わなかった → たいしたことはなかった。)

仲間とつながっていることは楽しいことだとは思いますが、自分一人の時間もとても貴重で楽しいものです。

勇気を持って、携帯を見ない時間を持つことは、私たち大人も含めて、大事だなあと思います。


注意: miss out は、「見落とす」 という意味で使われることもあります。
(例) An important fact had been missed out.
   (重要な事実が見落とされていた。)


Dictionary.com の今年の言葉

私がよく利用するオンライン辞書の一つに Dictionary.com がありますが、先日、今年の言葉が発表されました。

existential です。

使い慣れない、聞き慣れない言葉かもしれませんが、exist (存在する) や existence (存在)は、よく出てきますね。

existential は、次のような定義が載っています。

① of or relating to existence
(存在の / に関する)

② of, relating to, or characteristic of philosophical existentialism; concerned with the nature of human existence as determined by the individual's freely made choices
(個人の自由な選択により決定された人間の存在の本質に関係する哲学的な実存主義の / に関する / の特性)

物事の存在や人間の存在に関することについて使える言葉のようです。

実際には、次のような例がありました。

スウェーデンの活動家の Greta Thunberg さんにより、climate change (気候変動)について、existential crisis (実存的危機)のように使われたそうです。

また、元アメリカ副大統領 Joe Biden 氏は、次のように言われたそうです。

President Trump is an existential threat.
(トランプ大統領は、実存的な脅威である。)

ノートルダム火災時には、次のように使われました。

Like many who watched, I felt the existential pang of history being eviscerated before my eyes.
(見た人の多くのように、目前で歴史が取り除かれる心の痛みの存在を感じた。)

existential は、何か、または人間が実際に存在するということを深刻に受け止めて使われているような感じがします。


カッコウは浮気者?

シェイクスピアの作品は、息子の学校の英語の教材になることが多く、息子が読み終わった本を、私も読もうと思いつつ、なかなか進まずにいます。

その中に Othello があります。

Othello が、自分は cuckold だと信じて、妻を殺してしまうという悲劇です。

cuckold は、「妻を寝取られた夫、不貞の妻を持った夫」 という意味で、このような古語は、現代では使われないようですが、一語で、そんな意味が表せることに興味を持ちました。

語源を見ていると、古フランス語の cucuault、cocu から来ているようで、おもしろいのは、cuckoo (カッコウ)と関連するところです。

カッコウのメスは、他の鳥の巣に卵を生むという習性があることから、このような意味が生まれたようです。

現代フランス語では、Coucou (カッコウ)と、cocu (浮気された夫) となります。

英語では、cuckoo (カッコウ)と、cuckold (浮気された夫) となります。

カッコウと言えば、クークーとかわいい鳴き声を想像しますが、こんな語が生まれるとはびっくりです。

ちなみに、オセロゲームは、このシェイクスピアのオセロから付けられた名前だそうです。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

日本ブログ村に登録しています
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
ご訪問ありがとうございます。
リンク