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後知恵

今年はじめの記事の中で、2020(twenty twenty)が、「正常視力、よく見える」 という意味で使われると書きました。

今朝のBS英語ニュースの中で、この 2020 に関連した次のようなことわざが紹介されていました。

Hindsight is always 20/20.

hindsight の hind は、back という意味で、後から見るということですが、hindsight は、次のような定義が載っています。

the ability to understand an event or situation only after it has happened
(起こった後ではじめて、出来事や状況を理解する能力)

つまり、「後になっての判断、後知恵」 という意味です。

なので、上記のことわざは、何かが起こる前ではなくて、起こった後の方が、物事がよく見える (twenty twenty) ということです。

そして、ニュースの中では、「後悔先に立たず」 と訳されていて、なるほど、そのように考えることもできますね。

「後悔先に立たず」 と言えば、いろいろな表現が可能ですが、It is no use crying over spilt milk. (覆水盆に返らず)なども思いつきますが、これは、済んでしまったことは取り返しがつかないということですね。

上記のことわざは、そうすべきだったということが、後になってよく分かるということで、少しニュアンスは違うかもしれませんが、どちらも後で悔むという点で同じなのでしょう。

hindsight に対して foresight という語もあり、こちらは、前もって見るということで、「将来に対する洞察力、展望、用心」 などの意味がありますが、人間はどうしても事前にはクリアに物事を判断することができないことがあり、後になって、ああすればよかっとなどと後悔するものです。

2020 年だけに、物事をしっかりと見て、あまり後悔のない年にしたいものですね。 


刈 り込んだ髪

アメリカとイランとの緊張が続いていますが、ニュース記事の中で、アメリカ軍の兵士の髪型についての言葉が目に留まりました。

close-shorn red hair (短く刈り込まれた赤毛)という表現がありました。

shorn は、過去分詞ですが、原形は、shear で、もともとは、「羊の毛を刈る」 という意味があり、「髪を切る」という意味もあります。

なんとなく、髪の場合も、羊が刈られているように、大胆に刈られているイメージがしてしまいますね。

close-shorn の close には、「髪を短く切った、刈り込んだ」 という意味があるようです。

また、羊の毛や髪だけでなく、「権力などを奪う」 という意味もあるようで、次のような例文もありました。

The king was shorn of his power.
(王は権力を奪われた。)

兵士は髪を短く刈り込んでいるので、buzz cut (短い角刈り、スポーツ刈り、丸刈り)のように言うのを聞いたことがあります。

buzz というのは、「ブーンという音をたてる」 という意味があるので、髪を刈るバリカンの音から、そう呼ばれるようになったのではないかということです。

ところで、バリカンは、英語では (electric) hair clippers ですが、バリカンという日本語は、フランスの製作会社名 Barriquand et Marre が語源で、この語源は、言語学者である金田一京助氏が苦労して発見されたようです。 Barriquand (バリカン)という会社名が商品名として広まったようで、おもしろいものですね。

羊のように刈り込んだ髪の兵士たちが、戦争に行かずにすむことを願います。


二度見する

2014年のオリンピックで銅メダルを獲得したグレイシー ゴールドというアメリカのフィギュアスケート選手がいますが、彼女は、うつ病や摂食障害などで、しばらく練習や試合から遠ざかっていました。

そんな彼女が、またトレーニングを再開するというニュースがあり、喜ばしく思います。

彼女は、周りの人々がどんなことを言ったり、思ったりするのかに悩み、精神的に弱くなっていたようです。

その記事の中で、次のような文がありました。

I don't want to say there were double-takes, but there were eyes on me for sure.
(驚いたように二度見られたりすることがあったとは言いたくないが、見られていたことは確かだった。)

double-take は、「二度見(すること)」 という意味ですが、驚くべきことなどについて、1回めに見た時には気づかずに、少ししてから気づいて、ハッとして見直すことだそうです。

有名人とすれ違って、「えっ、今のは、グレーシー ゴールド?」 と思って二度見するという感じですね。

do a double take という形で出てくることが多いようで、次のような例文もありました。

His parents did a double take when he came home with a tattoo.
(彼の両親は、彼がタットゥを入れて家に帰ってきた時に、思わず二度見てしまった。)

His friends did a double take when they saw how much weight he had lost.
(彼の友だちは、彼があまりに痩せていたので二度見した。)

よいことにも、よくないことにも、びっくりしてつい振り返ったり二度見したりすることはありますが、そうされる方は、いい気持ちがしないこともあるのでしょうね。

グレイシー ゴールドのスケートをまた試合で見られるといいなあと思います。


「食べられる」 という意味

お刺身を買うと、大根のつまや大葉と一緒に、小さな花がついていることがありますが、あれは菊のようですね。

菊には殺菌作用があり、お刺身と一緒に食べられていたそうです。

そのように、食べられる花ということで、edible flower と言うことができますね。

そこで、ふと、eatable という形容詞もあったなあと思い出し、edible と eatable は、どちらも 「食べられる」 という意味ですが、どう違うのかと考えてしまいました。

Anything that people can safely eat is described as edible.
(人が、食べても安全なものは、edible と言い表されている。) 

食べても病気になったり、毒ではなく、安全だというのが edible です。

This type of mushroom is edibleは、この種類のキノコは、毒キノコではなく、食べられるという意味ですね。

では、eatable は、どうでしょう。

eatable も edible と同じ意味で使われることもあるようですが、他には、それほどおいしいと言えるわけではないが、食べられるという意味で使われることもあるようです。

例えば、前にケーキを焼いた時には、こげて食べられなかった (uneatable) けど、今回のは、まあ完璧というわけではないとしても、食べられるという場合に eatable と言えます。

これらをうまく説明している文を見つけました。

Something edible is safe to consume.
(摂取しても安全なものは、edible です。)

Something eatable is somewhat enjoyable.
(多少はおいしいと思えるものは、eatable です。)

以前、韓国のおみやげで、ものすごく辛い麺類をもらったことがあり、私は、ある程度の辛さは大丈夫なのですが、そのいただいた麺の辛さは、汗や鼻水なしでは食べられず、申し訳ないのですが、とても食べられたものではありませんでした。

こういうものは、もちろん edible ではありますが、人によっては、eatable ではないということですね。


組織の上層部

クリスマスや新年には、カードを郵送で送る人もいれば、メールで送る場合もあります。

いずれにしても、普段忙しくて、思うように連絡が取れない人たちと、近況を報告し合ったり、家族の写真を見て、子供の成長にびっくりさせられたり、楽しいものですね。

クリスマスはご主人と大きなターキーを焼いて、食事を楽しんだと書いていたアメリカの友人のメールの中で、知らなかった単語の使い方がありました。

彼女のご主人は、警察署に勤めておられ、クリスマス休暇で、家にはいるものの、ずっと仕事の電話が鳴り続いていたようでした。

組織の上層部の人たちが、休暇でいないので、仕事をまかされて忙しく、次のように言っていました。

Most of the brass left town for the Christmas holidays.
(クリスマス休暇で、ほとんどの幹部が街を離れていた。)

brass と言えば、まず、「真ちゅう、黄銅」 という意味が思い浮かぶかと思います。 5円玉の素材も brass のようですね。

brass は、an alloy of zinc and copper (亜鉛と銅の合金)のようです。

ブラスバンド部(吹奏楽部)もありますが、brass は、「金管楽器」 という意味もありますね。

そして、上記の文の brass は、「企業などの幹部、トップ、上層部」 という意味で使われています。

調べてみると、もともとは、「軍隊の幹部、高級将校、お偉方」 という意味だそうで、そのような人たちの階級章の材質が真ちゅうだったということが語源のようです。

brass は、フランス語の brasser (ビールを醸造する、かきまぜる)と関連するかもしれないと語源辞書に載っています。

brasserie は、「ビアホール」 という意味で英語にもなっていますね。 合金と醸造で、つながりがあるのかもしれません。

brasserie で、brass 製のグラスで、ビールを飲むということもあるかもしれませんが、どこでどうつながっているか分からないものですね。

友人のメールから、また脱線して、いろいろ考えてしまいました。。


2020

明けましておめでとうございます。
皆さま、穏やかによい新年をお迎えでしょうか。

私たちも、おかげさまで、家族でのんびりとしたお正月を過ごしております。
年末に黒豆を炊いたり、紅白なます、田作りなど基本のおせち料理を作って、今朝はお雑煮を炊いて、ささやかに新年を祝いました。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2020年のオリンピックなんて、まだまだだと思っていましたが、もう今年ですね。

2020年ということで、夫が、We can see clearly this year. などと、お正月早々冗談を言っておりました。

2020 = twenty twenty は、「視力が正常の、正常視力の、よく見える」 という意味があり、普段でもよく使われます。

これは、日本の視力テストの 1.0 に相当するようで、次のように言えます。

I have twenty-twenty vision in both eyes.
(私の視力は両目共に1.0です。)

視力1.0に相当する人が20フィート離れて見える文字を、20フィートで見ることができたら、この視力を20/20 visionと呼ぶという説明が載っていました。

20/40 は、視力1.0の人が40フィート離れて見える文字を、20フィートでしか見られないとしたら、これは20/40 visionとなり、視力0.5に相当します。

同じように、20/10 は、視力 2.0 に相当します。

2020年と言いたい時は、two thousand (and) twenty もしくは、year twenty twenty と言えば、はっきりしますね。

おせち料理に使われるレンコンは、たくさん穴が開いていて、先が見通せて縁起の良い野菜と言われていますね。

2020 年が、見通しのよい一年でありますように。。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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