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陶器を焼く窯

NHK の朝の連続テレビ小説、スカーレットを時間のある時は見ています。

陶芸家を目指している女性の話で、屋外で陶器を焼く窯が出てきます。

それを見ながら、そのような窯は、英語でどのように言えばよいのかと考えてみても、私は outdoor oven ぐらいしか思いつかず、夫に聞くと、kiln と言います。

私には、初耳の言葉で、早速調べてみました。

Kiln は、確かに、次のように載っています。

A kiln is a special kind of oven for firing things like pottery and bricks.
(窯は、陶器やれんがのようなものを焼く特別な種類のかまどです。)

brick kiln (れんが窯)、lime kiln (石灰窯) などの例もありました。

kiln という音は、スペルも音も kill と似ていて物騒な印象もありますが、語源的に関連はありません。

kiln は、ラテン語 culina が語源で、kitchen, cooking stove (キッチンやキッチンのコンロ) という意味の言葉のようです。

それが、いつのまにか、陶器を焼く窯となったのですね。

oven は、ゲルマン系の語で、主に調理用のものですが、陶器を焼くものも oven でも間違いではないようです。


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隔離期間

コロナウイルスが日に日に拡大しつつあるようで、警戒が必要ですね。

私は、SARS の時には、香港に住んでいて、アメリカへ避難した経験があるのですが、夫の両親から、念のため、しばらく誰にも会わない方がいいだろうと言われたことを思い出します。

空港などで、「検疫」 という表示を見ることがありますが、英語では、quarantine と書かれています。

quarantine は、「検疫(所)、隔離(期間)、隔離所、~を隔離する、検疫する、締め出す、孤立させる」 などの意味があり、動詞、名詞両方で使えます。

Those who contract coronavirus need to be quarantined.
(コロナウイルス感染症にかかった人は、隔離されなければいけません。) のように使えます。

この quarantine という単語を見ながら、フランス語の40という数字を表す quarante と似ているなあと思っていました。

それもそのはずです。 

隔離期間や疫病が流行っている国からの船の検疫停船期間は、40日間だったそうです。

なので、quarantine という単語は、40という数字を意味する言葉だったのですね。

さらに、語源辞書を読むと、次のような語源も載っています。

period of 40 days in which a widow has the right to remain in her dead husband's house
(未亡人が亡くなった夫の家にとどまる権利としての期間である40日)

病気の場合は、40日間というのも納得できますが、未亡人の方の40日間は、どうしてなのかよく分かりません。

コロナウイルスのこれ以上の感染、拡大を防ぐにはどうすればいいのでしょうね。
マスクの着用などが本格的に必要になるかもしれませんね。 みなさんもお気をつけください。


混ざると混乱する?

先日、折衷料理について書いた記事で、fusion cuisine (フュージョン料理)という言葉に触れました。

その時に、和洋中の料理を適当に並べているだけなのに、fusion cuisine と言ってしまい、私は、fusionconfusion してはいけないねと、夫にだじゃれを言い二人で笑っておりました。

それから、confusion は、fusion と語源的に関連があるのか気になり調べてみました。

confusion は、「混乱、困惑、無秩序」 などの意味がありますね。

fusion は、料理のフュージョンや、二つ以上のものを一つに合わせること、統合、融合などの意味があり、次のように 「核融合」 と言う場合にも使えます。

Nuclear fusion can produce bombs as well as produce energy.
(核融合はエネルギーを生み出すと同様に爆弾を製造することもできる。)

先日も書きましたが、fusion は、ラテン語 fundere = to pour, melt が語源で、注ぐ、溶かす、融解させるというような意味です。

confusion も、ラテン語 confundere = to pour together が語源で、一緒に注ぐ→ 一緒になる、混ざるということのようです。

con は、「共に」 という意味の接頭語です。

ということで、fusion と confusion は、同源から来ているようですね。

でも、この二つの単語の意味は、かなり違いますね。

fusion は、うまく二つ以上のものが合わさること、そして、confusion は、混乱した状態です。

うまく混ざると fusion 、混ざらないと confusion ということになるのでしょうか。

「混乱」 という言葉にも、「混ざる」 という字が入っていますが、定義は次のようになるようです。

物事が入り乱れて秩序をなくすこと。いろいろなものが入りまじって、整理がつかなくなること。

confusion も、そういうことなのかもしれませんね。

今まで、fusion と confusion の関係について考えたことがなかったのですが、ふとしたことから調べるきっかけとなり、言葉を違った方面から観察することができました。

語源は似ていても、出来上がった単語の意味はかなり異なることがあるようですね。


クリームチーズをたっぷり

今朝のBSニュースの中で、ベーグルに関して、ニューヨークからのリポートがありました。

完璧なイントネーションで関西弁を話すマイケルさんというリポーターがおもしろいので、時間がある時は見ています。

ベーグルと言えば、アメリカ人は、クリームチーズをたっぷりと塗って、朝食などに食べることがありますが、この 「たっぷり塗ったクリームチーズ」 のことを schmear と言うそうです。

bagel & schmear や bagel with a veggie schmear のように言えるようです。

schmear は、イディッシュ語からの借用語で、もともとは、cheese という意味だそうですが、英語の中では、spread (パンなどに塗るスプレッド)という意味で使われ、もっと具体的に、「ベーグルに塗るクリームチーズ」 という意味で使われることがあるようです。

schmear という語を聞いて、smear という語を思い出しました。

こちらは、日常わりと聞き、「塗りつける、汚す」 などの意味があり、schmear とちょっと似ています。

smear butter on bread (パンにバターを塗る) のように使え、smear も、schmear も塗るということで、同源の言葉と言えそうです。

また、smear は、次のようにも言えます。

The children smeared the refrigerator door with fingerprints.
(子供たちは、冷蔵庫のドアに指紋をつけて汚した。)

リポートの最後に、マイケルさんが、クリームチーズを塗ってベーグルを食べるのが、「趣味や」 という人もいるかもしれませんねと、親父ギャグを言っていたのがおもしろかったです。 schmear (シュミヤ)という発音は、「趣味や」 にかなり近いですね。。


折衷料理?

先日の夕食に、お刺身と一緒に、洋風のサラダ、シュウマイなどを並べていると、夫が、今日は eclectic dinner だなあと言いました。

和風のお刺身に、洋風のサラダに、中華のシュウマイということで、ばらばらだなあと言おうとしていることは分かったのですが、eclectic という単語を聞いたことがなく、意味を調べてみました。

something that is made up of various sources or styles
(様々な源、様式からなるもの)

料理だけではなく、例えば、アンティークな家具を置きながら、アンディ ウォーホールの絵を飾っているような場合、それは、eclectic taste ということになるそうです。

eclectic は、「多岐にわたる、さまざまな要素を含んだ、折衷主義の」 などの訳が載っています。

語源的には、ギリシア語 eklektikos = selective で、選び集めるということのようです。

そこで、私が、eclectic dinner は、 fusion cuisine (フュージョン、多国籍料理) ということかなと夫に言うと、fusion は、もっと、それぞれの国の食材をうまく融合したものだと言い返されてしまいました。

そう言われると fusion の語源が気になります。

こちらは、ラテン語 fundere = to pour, melt で、注ぐ、溶かす、融解させるということのようです。

なるほど、フュージョン料理というのは、異なるものが うまく blend ? されたものなのかもしれません。

私の夕食メニューは、ばらばらに選んだものの寄せ集めという感じなのかもしれませんね。

毎日夕食を作っていると、時には、今日は何を作ろうかと考えても、思いつかないことや、やる気がない日もあるもので、適当に済ませてしまうこともありますよね。

ばらばらの eclectic dinner でも、家族でおいしくいただきました。。


吸収される

週末に、都道府県対抗の男子駅伝を、テレビで見ました。

中学生、高校生、大学生、社会人でチームを組んで、タスキを渡していくレースで、ついつい見入ってしまいました。

その中で、2位のランナーが、3位グループのランナーたちに追いつかれる場面があり、解説者が、「吸収されますね。」 と言っていて、これは、英語では、そのまま absorb (吸収する) が使えるのだろうかと思い、隣にいた夫に、次のような言い方をどう思うか聞いてみました。

The second runner was absorbed into the third group of runners.
(2位のランナーは、3位グループのランナーたちに吸収された。)

夫は、悪くないと言いましたが、次のようにも言えるかなと言いました。

The second runner fell behind and was sucked into the third group of runners.
(2位のランナーは後れを取り、3位グループのランナーたちに吸収された。)

fall behind は、「後れを取る、脱落する」 という意味です。

suck は、「吸う、吸い込む」 ということで、掃除機がゴミを吸ったり、ミルクシェイクをストローで吸い上げたりするような、吸うのに少し力が必要な感じです。

なんとなく、3位グループのランナーたちが、力強く走ってきて2位のランナーを取り囲んでいるようなイメージがしてしまいます。

absorb の方は、もう少しじわっと近寄ってくる感じがしますが、どうなのでしょうか。

こんなことを考えつつ、最後までレースを見てしまいました。

短距離のリレーがあるなら、駅伝もオリンピックの種目になればよいのにと思ってしまいます。


緊張をほぐすもの

息子の学校では、国内の他の学校や海外、特に韓国のインターナショナルスクールとのスポーツやアカデミックコンペティションがあるのですが、その日程表の中に、icebreaker という時間がありました。

icebreaker は、もともとの意味 「砕氷船」 という意味もありますが、ここでは、「緊張をほぐす時間」 ということで使われています。

知らない学校の生徒同士が初めて会うので、最初に、自己紹介をして話をしたり、ゲームをするなどで、お互いを知り、緊張をほぐそうということです。

ice は、新しい人に会ったり、よく知らない状態のことなどによる緊張を表しています。

凍った海峡を砕氷船が打ち砕いていくということから、比喩的に緊張をほぐすということになり、分かりやすいですね。

また、次のようにも使えます。

She is a good icebreaker.
(彼女はすぐに人と打ち解ける。)

He used an old joke as a conversational icebreaker.
(彼はその場の会話を和やかにするのに、古いジョークを使った。)

知らない人同士が出会った時に、最初に会話を始めるのは難しいこともありますね。 そのような場を和やかにするために言ったり、することを icebreaker と言うようです。


やけど

医療英語についての資料を見ていた時に、今まで気づかなかった単語の意味に出会いました。

次のような例文がありました。

I was scalded by boiling water.
(私は熱湯でやけどした。)

熱湯や湯気などによるやけどは、scald という単語があるようです。

scald の定義は、次の通りです。

to burn the skin with boiling liquid or steam
(沸騰した液体や蒸気で、皮膚をやけどさせること)

ということは、天ぷらを揚げていて、その油でやけどするのも、scald ですね。

I scalded myself with hot oil.
(私は熱い油でやけどした。)  と言えますね。

余談ですが、スペルが似た単語に scold (子供などをしかる)がありますが、発音は少し違い、次のようになります。

scald → skɔ́ːld
scold → skóuld

私は、やけどと言えば、burn しか浮かばなかったのですが、burn は、火によるやけどであると辞書にも載っています。

やけどは、火傷と書くことが多いようですが、語源は、「焼け処(やけどころ)」 = 焼けた処(所)ということだそうです。

では、熱湯によるやけどは、熱傷なのでしょうね。

火と熱湯の違いは分かるのですが、それ以外のやけどはどうなるのだろうと気になりました。

例えば、私の息子は、小さいころ、お好み焼き屋さんの鉄板に、わざと指をつけてやけどをしたことがありますが、このような直接の火ではなくても、やっぱり burn でよいのでしょう。

また次のような例もあります。

Your skin burns if you lie on a beach in your bathing suit with no sunblock.
(日焼け止めなしに、水着で浜辺に寝そべっていると日焼けするよ。)

太陽の熱により、好ましくない日焼けをするのも burn でよいようですね。

そして、toast を burn すると、「焦がす」 になりますね。

また、scald the milk という言い方は、料理番組やレシピで聞くことがありますが、これは、「牛乳を沸騰直前まで熱する。」 ということです。

なので、scald は、主に、①沸騰した液体でやけどさせること ②牛乳を沸騰する直前まで熱することという二つの意味があるということです。

burn は、火によるやけど以外にも、多くの意味がある単語なので、辞書を読んでみるといいですね。


最高の友、最強の敵

息子の学校に通う生徒の保護者で、沖縄の海兵隊政務外交部で勤めた経験がある方がいて、たまに話す機会があります。

その方の書物の中には、東日本大震災の際、海兵隊が気仙沼で行った救援活動のことや、それを通して、海兵隊と気仙沼の人たちとの交流、絆が生まれたことが書かれています。

その本を、現在、半分ぐらい読んだところですが、次のような海兵隊のモットーのひとつが載っていました。

No better friend, No worse enemy.

直訳すると、「(海兵隊より)よい友はなく、悪い敵はいない。」となり、言おうとしていることは、「(海兵隊が)最高の友であり、最強の敵である。」ということですね。

海兵隊や軍隊というと、よいイメージばかりではありませんが、この本の中には、災害時における海兵隊の救援活動や人道支援について具体的に述べられていて、no better friend というのが少し理解できました。

海兵隊が被災地へ到着後、真っ先に海辺に向かい、黙とうを捧げていたということに感動しました。


ピンからキリまで?

息子の通う学校では、海外からの生徒を数日間ホームステイとして受け入れるボランティアがあり、我が家も一度経験があります。

このホームステイで受け入れる生徒について、友人と話していた時に、生徒の中には、非常に感じのよい生徒から、とても無作法な生徒までいろいろいるということを聞きました。

次のように表現していて、おもしろいなあと思いました。

There are students from the cream of the crop to the bottom of the barrel.
(最高によい生徒たちから、最低な生徒たちがいる。)

the cream of the crop は、「最もすぐれた人、最高のもの」 という意味があり、以前にも、cream について書いた記事があります。→(ご参考)cream についての記事

the bottom of the barrel は、the cream of the crop に対する表現なので、意味を想像することはできましたが、このように使われることは知りませんでした。

barrel (樽)の bottom (底) ということで、ワイン樽の底に残った沈殿物のようなものを想像してしまいますが、the bottom of the barrel には、「底辺層の人たち」 という意味があるようです。

scrape the bottom of the barrel (残ったものや人をやむを得ず使う、残された最後の手段を使う)という慣用句もあるようで、次のような例文がありました。

We scraped the bottom of the barrel by delegating him to the meeting.
(他に誰もいなかったので、仕方なく彼を代表としてその会議に出席させた。)

底辺層の人を仕方なく使うという感じですね。

from the cream of the crop to the bottom of the barrel という言い方を聞きながら、「ピンからキリまで」 に近い表現だなあと思いました。

The students range from the best to the worst. (最高の生徒から最悪の生徒まで幅がある。) とも言い換えられますね。

the cream of the crop と the bottom of the barrel は、対で覚えるといいですね。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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