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年老いたアジア人

家族で話していた時に、私の発音が悪くて、家族に勘違いされてしまいました。

日本の人口の高齢化について話していたのですが、私が、aging population (高齢化する人口) と言った時に、Asian population (アジア人人口) のように聞こえてしまい、話がちぐはぐになってしまいました。

発音は、それぞれ次のようになります。

aging (発音 = éidʒiŋ)

Asian (発音 = éiʒən)

エイジンとエイジャンで、カタカナで書くと、かなり違いますが、私の発音は緊張感が足らず、クリアではなかったのでしょう。

そこで、笑われついでに、もうひとつ、似かよった単語を思い出しました。

Aegean (発音 = i(ː)dʒíːən) = 「エーゲ海の」

Aegean Sea は、「エーゲ海」 ですね。

こちらは、イージアンで、アクセントはジーの上です。

早口言葉でもありませんが、「年老いたアジア人が、エーゲ海の近くで住んでいる。」 という文を作り、それぞれの語を発音してみました。

An aging Asian lives near the Aegean Sea.

何回か練習して、うまく言えるようになりました。。


話半分に聞く

夫と息子の会話が耳に入り、聞き慣れない表現が出てきました。

いつも大げさなことを言ったり、そんなことは無理だろうと思うようなことを言う共通の知り合いの話だったのですが、息子は、次のように言っていました。

I heard his story, but took it with a grain of salt.
(彼の話は聞いたけど、完全には信じなかった。)

take ~ with a grain of salt または、take ~ with a pinch of salt は、「話半分に聞く、割り引いて聞く、うのみにしない、完全には信じない、疑ってかかる」 などの意味があります。

a grain of salt (一粒の塩)に、どんな意味があるのでしょう。

Food is more easily swallowed if taken with a small amount of salt.
(食べ物は、少量の塩を加えると、より食べやすくなります。)

ほとんどの食べ物は、塩を加えることで味がよくなり、食べやすくなるということで、次のように言えます。

塩気がないもの = 信用できないこと → そのままでは食べにくい = そのままでは信用しにくい → それで、塩を一粒加えると、少し信用しやすくなる

ローマ帝国時代に、塩を加えることが、解毒作用にも効果があると考えられていたようです。

上記の swallow という単語は、「飲み込む」 という意味もあれば、「話などを信じる」 という意味もあり、ここで使うのに、ふさわしい語だなあと思います。

そう言えば、日本語の 「うのみにする」 も swallow と同じような意味がありますね。

うのみにできないことも、いろいろありますね。

選挙前の政治家の言葉なども、そうでしょうか。

We should take what politicians say with a grain of salt.
(政治家の言うことは、話半分に聞くべきだ。)

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chiefs について考える

アメリカンフットボールのスーパーボウルを、BSチャンネルで見ました。

私は用事をしながら、ちらちらと見ていただけですが、いい試合だったようで、夫は楽しんでおりました。

Kansas の Chiefs が、San Francisco の 49ers に勝利し、50年ぶりに優勝しました。

Chiefs のQB(クォーターバック)のマホームズは、私たちがテキサスで住んでいた時、近所にあったテキサス工科大学のアメリカンフットボールチームに所属していたのですが、大学を中退してプロへ行った選手で、どこでプレーしていても、全米で一位になれるものだと、感動しました。

と、前置きが長くなりましたが、私が気になったのは、チームの名前である Chiefs です。

chief の複数形は、chieves ではなく、chiefs です。

leaf の複数形は、leaves ですし、wolf は、wolves ですね。

不規則なので、覚えるしかないと言ってしまえばそれまでですが、ちょっと気になったので調べてみました。

f で終わる単語の複数形は、3種類あるようです。

① f が ves に変化するもの → thief (thieves)、leaf (leaves)、wolf (wolves)

② f が、ves でも fs でもよいもの → dwarf (dwarfs、dwarves)、roof (roofs、rooves)

③ fs になるもの → chief (chiefs)、belief (beliefs)、cliff (cliffs)

chief の語源を見ると、古フランス語の chief で、現代フランス語では、chef に当たります。

chef は、英語では 「料理人」 のことですが、フランス語では、英語の chief に当たり、「集団、組織などの長、頭(かしら)」 ということで、ラテン語 caput = head に遡ります。

フランス語の名詞の複数形は、s を付けることが多いので、その影響もあるのでしょうか。

でも③グループの名詞が、全てフランス語系の単語ではありませんし、一概にはそう言えません。

belief (beliefs) は、動詞の believe に s が付く形 believes もあるので、混乱を避けるということもあるのかもしれませんがどうなのでしょう。

①グループは、古英語の単数、複数が基になっているようです。

②グループは、発音は ves となり、書く場合には、fs とする場合もあるようです。

なかなか複雑なものですが、単語の成り立ちや歴史を見ることで、説明できることもあるようです。


食パン一斤

食パンをスーパーで買うこともあれば、パン屋さんで買うこともあります。

パン屋さんで売っている食パンも、大抵プラスチックの袋に入って売っていますが、先日私が行ったパン屋さんは、店員に何枚切りをどのぐらい必要なのかを伝える必要がありました。

その時に、私は頭の中で、a loaf of bread = 一斤 でよいのだろうかと気になりました。

アメリカで売っている食パンは、日本の食パンよりも長い loaf もあり、日本の一斤ももしかしたら、私が思っているサイズよりも大きいかもしれないと思い、とっさに次のように言ってしまいました。

「6枚切りを6枚ください。」

すると、店員さんに少し笑われて、「一斤ですね。」 と言われました。

私は、「はい。」 と答えて、やっぱり、普通にスーパーで売っているサイズが一斤なのだと確信しました。

loaf は、次のような定義が載っています。

a loaf is an oblong shaped mass of baked food, such as bread or meat.
(loaf は、パンや肉などの焼いた食品で長方形もしくは楕円形の塊である。)

アメリカでは、meat loaf も一般的なメニューで、salmon loaf などもあります。

一斤とは、伝統的には600g のようですが、時代や地域によって異なるとウィキペディアにも書かれています。

食パンがイギリスから輸入された時、食パンが 1ポンド= 450gだったことから、同じように一斤 = 450g と設定したそうです。
とはいえ、食パンをぴったり 450g にするのは難しいので、現在は、340g 以上と定められているようです。

重さで表す日本の食パンに対して、a loaf of bread という言葉は、ひと塊のパンということですね。

ひと塊なので、文字通りに考えると、パンを焼いてから切っていないものということになります。 

また、アメリカで売っている食パンは、スライスはしてありますが、パンの端っこ = heels も含まれているので loaf であることが分かります。

日本の食パンは、一斤よりも長いサイズのものを切った場合が多いので、厳密には loaf ではないのかもしれませんね。

一斤のサイズよりも長く焼いてから切っていない食パンは、「一本」 と表現しているサイトがありましたが、この一本が、loaf ですね。

もちろん、一斤サイズの loaf もあるようなので、一斤も一本も loaf でよいのでしょうね。

そして、スライスされた食パン一斤は、sliced bread や sandwich bread と言ってもいいかもしれませんね。

たかが食パン一斤ですが、いろいろ考えてしまいました。。


心の内を率直に話す

故ダイアナ妃についてのオンライン記事の中で、次のような文に出会いました。

As an emotional compassionate person who wore her heart on her sleeve, Diana simply could not understand the stiff upper lip royals who pretended everything was fine when it was not.

(心の内を率直に話し、感情を表現したり、思いやりのある人間としては、ダイアナは、たとえそうではなくても全て大丈夫であるふりをし、口元もゆるめない冷静な王室の人たちのことを単に理解できなかった。)

wear one's heart on one's sleeve は、直訳すると、「袖の上に心を着る」 となりますが、意味は下記のようになるようです。

to show one's emotions very openly
(自分の感情をとても率直に示すこと)

心の内を、隠し立てせずに話したり示したりすることです。

語源が気になりますね。

これは、推測のようですが、中世の一騎打ちの馬上の槍試合において行われていたことのようです。

sleeve は、ここでは、服の袖ではなく、腕を保護するよろいのことです。
騎士は、その試合を一人の女性にささげ、その女性のスカーフやリボンなどを、よろいの周りに巻いていたそうです。
そのことで、騎士がどの女性を思っているかが分かるということで、sleeve に、自分の思い heart を着るという表現になり、自分の思いを正直に示すということになるわけですね。

この表現は、シェイクスピアのオセロの中にも出てくるそうですが、私は、読みかけになっていて、その場面にはまだ達していません。

上記の英文で、もうひとつ気になるのは、stiff upper lip という表現ですが、唇が引き締まった状態のことで、「困難にあっても気を落とさずに頑張る、くじけない」 などの意味で使われ、イギリス人気質、特徴を表す表現としてよく使われるそうです。

プリンセスという立場でありながら、自分のことを正直に語り、それが故ダイアナ妃が多くの人に愛された理由のひとつなのかもしれませんね。


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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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