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予期せぬ結果

次のような見出しの記事を読みました。

Wearing masks may have a surprise unintended consequence
(マスクをすると、驚くべき予期せぬ結果を招くかもしれない。)

unintended は、文字通り、「意図されたものではない」 + consequence は、「結果」 ですね。

結果と言えば、result もありますね。

consequence という語を分解すると、con = with と sequence = follow なので、何かの後に一緒に続いて起こるものということから、結果ということになるのでしょうね。

result は、行動に対する総合的な結果というニュアンスだそうですが、同意語として使える場合もありますね。

ただ、consequence には、否定的な含みがある場合があるようです。

前置きが長くなりましたが、上記の見出しの consequence もその一例です。

記事の中では、マスクはするべきだとしつつも、マスクをすることにより人間の行動に影響があると述べられています。

the idea that masks might be reducing our drive to social distance
(マスクが、ソーシャルディスタンスに対する私たちの意欲を弱めるかもしれないという考え) があるそうです。

そして、専門家も次のように同意しています。

I think that’s a potential unintended consequence.
(そういうことは、予期せぬ結果であるという可能性があると思う。)

マスクの intended purpose (意図された本来の目的)は、感染を予防したり、周りに広めないということですが、それにより、人間は、守られていると過信して、行動が大胆になってしまうというのです。

先日スーパーへ行く途中に、マスクをした4人の年配の女性が楽しそうに公園で話しているのを見かけ、確かに、マスクをしていると、近くで話しても大丈夫と思ったり、スーパーでも、皆マスクをしているので、安全だと思って、ソーシャルディスタンスのことはつい忘れてしまう場合があります。

記事の中には、アメリカンフットボールの例も挙げていました。

アメリカンフットボールの選手は、激しくぶつかり合うことで、脳震とうを起こすことがあり危険なので、あのような重々しいヘルメットやパッドなどをつけていますが、けががなくなるわけではなく、選手がより激しくぶつかり合ってしまうのが、ヘルメットやパッドによる unintended consequence となるそうです。

unintended consequence は、the false sense of security (間違った安心感) により起こるようです。

ふと思いましたが、ラグビーも同じように激しいスポーツですが、アメリカンフットボールのような防具がないですね。

防具を使わずに、ルールでけがを防げるなら、その方がスマートということでしょうか。

人間を守るためのマスクや、アメリカンフットボールの防具が、予期せぬ結果を招いてしまうとしたら、そうさせてしまう人間の心理について、ちょっと頭の片隅に置いておいてもいいかもしれませんね。

曇ると濁る

メガネをかけてマスクをすると、メガネが曇ってしまいますね。

コロナウイルスの感染が、まだそれほど拡大していなかった頃に、母親から、メガネが曇らないマスクというのをもらったのですが、期待したほどでもなかったように記憶しています。

でも今となっては、マスクは貴重品なので、どんなマスクでもありがたいものです。

「(メガネやガラスなどが)曇る」 という表現は、いろいろな言い方ができそうですが、私がよく見聞きするのでは、fog up が多いようです。

日本語では、雲ですが、英語では、fog (霧、もや)なんだなあと思って調べてみると、日本語と同じように、cloud up でもよいようですね。

そして、メガネをかけてサウナに入ると、次のように言えますね。

The steam fogged / clouded (up) my glasses.
(蒸気でメガネが曇った。)

ここで、murky という語を思い出しました。

私が最初に murky に出会ったのは、夫の母からでした。

夫の母は、宝石やメガネを洗浄できる機械を持っていて、私のメガネもその機械で洗ってくれたことがあったのです。

水を入れて使うのですが、洗浄後の水が濁っているというのを、The water looks a little murky, right? (水が少し濁っているでしょ?)と言われて、なるほど、murky は、「濁った」 という意味なのだと知りました。

それから、何度も見かける murky は、murky swamp (よどんな沼地)など、きれいではない液体のイメージです。

あらためて、murky という語を調べると、古代ゲルマン語が語源の murk は、darkness (暗さ)という意味だそうです。

なので、murky は、泥水などで、暗くてはっきり見えないという感じなのでしょうね。

そして、cloudy にも、「濁った」 という意味もあり、例えば、次のように言えます。

Why is my chicken broth cloudy and not clear ?
(どうして私のチキンスープは、透明ではなく濁ってしまうのか?)

同じ濁るでも、スープに murky は使えませんね。

cloudy は、透明ではないということ、そして murky は、暗い、または汚れなどで濁ったという感じですね。

また、霧や煙が立ち込めて薄暗い場合は、foggy でもあり murky でもあるわけですね。

メガネの曇りから、いろいろ考えてしまい、いくらでも広がっていくのですが、今日はこのぐらいにしようかなと思います。。


stuffy な人とは?

刑事コロンボの中で、stuffy という語が、人を形容する言葉として使われていました。

私が今までに、知っていた stuffy は、次のような使い方です。

I have a stuffy nose.
(私は、鼻が詰まっている。)

また、締めきった部屋で寝て、朝、部屋の空気がよどんでいる感じの時には、次のように言うかもしれません。

Can you open the window ? It's a little stuffy in this room.
(窓を開けてくれる? この部屋は、[空気が]ちょっとむっとした感じだ。)

そして、刑事コロンボの中では、離婚した女性が、久しぶりに会った元夫のことを、確か次のような感じで表現していました。

He was not as stuffy as before.
(彼は前ほど堅苦しくなかった。)

stuffy は、次のような定義が載っています。

old-fashioned, formal and boring
(古くさい、格式ばった、そして面白くない)

また、self-righteous (自分だけが正しいと思っている、自分本位の)という定義を載せている辞書もありました。

何となく stuffy な人のイメージが分かりますね。

ところで、stuff は、thing と同じように 「もの、こと」 という意味でよく使われる言葉ですね。

thing よりも、より口語的な語のようです。 スタッフという意味の staff とスペルを間違えないようにしないといけませんね。

鼻が詰まるのも、部屋の空気がむっとするのも、空気の流れが悪くなるということなのでしょうね。

stuffy というのは、もともとは、文字通りの、full of stuff (ものでいっぱいの) という意味だったそうです。

そして、人が stuffy というのは、凝り固まってしまって、新しいことや他の人の考えが入る隙間がないという感じなのかなあと思いました。

先日作った、stuffed peppers (ピーマンの詰め物)を思い出し、たくさん詰めるとおいしいものもあれば、人の場合は、隙間があった方がいいのかもしれないなあと思いました。


参考記事:starchy

海軍少尉

昨日、久しぶりに、BSで 「愛と青春の旅立ち」 という映画を観ました。

海軍士官学校で、officer candidate (少尉候補生 )のザック メイヨ(リチャード ギア)が、厳しい訓練に耐えて、少尉となり、訓練中に出会った女性と愛を育み、旅立っていくという、ロマンティックストーリーですね。

士官学校の教官である軍曹も、いい味を出しています。

ところで、この映画の英語のタイトルは、An officer and a gentleman ですが、邦題は、思い切った意訳ですね。

最初に聞いた時は、officer に、「士官、将校」 という意味があるのは知りませんでした。

警察官のことも、(police) officer と呼びますが、policeman と言うより丁寧に聞こえます。

士官の中で、最も下のランクが、「少尉」 となるようです。

士官学校の卒業式で、ザック メイヨが、教官から、次のように言われます。

Congratulations, Ensign Mayo 
(おめでとう。 メイヨ少尉。)

この ensign が、「海軍少尉」 というランクになります。

ensign という語を見ると、sign (シンボル、しるし、看板など)という語 が入っていますね。

役職や権威を示すしるしというのが、ensign の意味するところのようです。

そして、ensign に対応するフランス語は、enseigne で、「看板、軍旗」 という意味があり、ensign にも、「軍旗、船舶や航空機の国旗」 という意味もあります。

国旗を背負って戦うのが ensign なのですね。

ensign (発音:ˈɛns(ə)n) ≒ アンサンという発音から、ふと、anthem (発音:ǽnθəm) ≒ アンサムを思い出しました。

national anthem (国歌)を歌う ensign (海軍少尉)と、こじつけると覚えやすいかもしれないと勝手に思ってしまいました。


ボトルとバトル

夫は、アサヒなどの日本のビールも大好きですが、他にも、地ビールなどを含め、いろいろな種類のビールを楽しんでいます。

先日飲んでいたビールの名前が、食卓の話題になりました。

イギリスのビールで、Spitfire という名前です。

そして、ビンの上の方に、The bottle of Britain と書いてあります。

夫と息子は、なるほど、おもしろいと言うのですが、私は、この言葉遊びが、すぐには分かりませんでした。

spitfire というのは、「第二次世界大戦時のイギリス軍の戦闘機」 の名前だそうで、ビールのラベルには、その戦闘機の絵も描かれています。

spit + fire で、「火を吐くもの」 ということで、戦闘機にはよい名前ですね。 そこから、「短気な人」 という意味もあるようです。

戦闘機ということから、bottle battle (戦い) をひっかけたのだと、ゆっくりと理解できたのですが、いつも夫と息子に、「(分かるのが)遅いなあ。」 と言われてしまいます。

bottle (発音:bɑ́tl)、battle (発音:bǽtl)で、発音もよく似ています。

The battle of Britain は、「英国の戦い」 と辞書にも載っています。

battle というのは、war の部分を成すものですね。

第2次大戦下の、ナチスドイツ軍機を迎え撃った英国空軍の戦いとのことで、英国は当初の圧倒的劣勢にもかかわらず本土防衛に成功したようです。

そして、このビールは、英国戦争の大記念日を祝うために醸造開始されたと、ラベルに書いてあります。

こういう戦いのことは、歴史の時間に学んだのでしょうか。 The battle of Britain などという名前は、すっかり忘れてしまったのか、私の記憶の中にはなかったように思います。

それにしても、ビールの bottle で、battle の成功を祝うとは、ちょっと思いつかないものだと、イギリス人のユーモアに感心してしまいます。


カモ

NHKで、ケネディ大統領暗殺についての番組を見ました。

ケネディ大統領は、テキサス州のダラスで暗殺され、その容疑者として Lee Harvey Oswald が逮捕されましたが、その二日後に、彼も銃殺されたので、真相が分からないままになり、いくつかの陰謀説もあるようです。

番組の中で、Oswald が、次のように言います。

I'm just a patsy.
(俺はただのカモにすぎない。)

patsy の定義は下記の通りです。

a person who is easily manipulated or victimized
(操られたり、犠牲になったりしやすい人)

「だまされやすい人、利用されやすい人、ばかにされやすい人、カモ、責めを受けやすい人」 などの訳も載っています。

こういう人は、fall guypushover、または scapegoat などとも言われます。

Patsy は、Patrick や Patricia という名前の呼び名でもありますが、「カモ」 という意味があるのなら、そう呼びにくい感じですね。

patsy が、どうして 「カモ」 という意味になったかについては、いくつかの説があるようです。

1890年代の vaudeville (ボードビル)スキットの中の Patsy Bolivar という登場人物が、うまくいかないことがあると、いつも責められるということや、イタリア語の pazzo = madman の変形、または、南部イタリア語方言 paccio = fool などがあるようです。

Oswald は、ケネディ暗殺者として、多くの人に記憶されていますが、彼は、自分は利用されただけだと言い残して銃殺されてしまいました。

CIA が絡んでいるという説もあるようですが、patsy の裏で、mastermind (黒幕)が存在したのでしょうか。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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