エリザベス女王の夫、エディンバラ公フィリップ殿下が、99歳でお亡くなりになりました。
その記事を読んでいて、フィリップ殿下の肩書が気になりました。
女王の夫ですが、King ではないのですね。
Queen Elizabeth's husband Prince Philip, the Duke of Edinburgh, has died.
(エリザベス女王の夫、エディンバラ公フィリップ殿下が死去した。)
エリザベス女王の夫ということで、husband と書かれていることもありますが、次のように consort という語も使われるようです。
Prince Philip, Duke of Edinburgh and consort to the Queen, dies aged 99.
consort は、「国王、女王の配偶者」 という意味があります。
次のような説明も載っていました。
The spouse of a ruling king or queen is called a consort. In British royalty, the wife of a king is called a queen consort, but the husband of a queen is called a prince consort, not a king consort.
(支配する国王または女王の配偶者は、consort = 国王、女王の配偶者と呼ばれる。 イギリス王室では、国王の妻は、queen consort = 王妃、女王と呼ばれ、女王の夫は、king consort ではなく prince consort = 女王の夫と呼ばれる。)
consort は、 con = with, together + sors = a share, lot で、having the same lot, of the same fortune (同じ運命を持つ) という意味の語です。
それで、「配偶者」 という意味になるわけですね。
また consort という語を見ていると、concert (コンサート)と似ているなあと思いましたが、consort は、16世紀ごろの合奏団で、宮廷や裕福な家庭で流行したコンソート音楽という意味もあります。
consort が Late 16th century earlier form of concert (16世紀後半のコンサートの前の形式)であるとオンライン辞書にも載っていました。
優雅な感じのする consort ですが、「悪い人とつきあう」 という意味もあるようです。
次のような例文も載っています。
They claimed he had been consorting with drug dealers.
(彼らは、彼が麻薬の売人とつきあっていたと主張した。)
consort という語の成り立ちを考えながら、フィリップ殿下は、エリザベス女王を支え、同じ運命を分かち合ってこられたのだなあと思いました。
ご冥福をお祈りいたします。
しばらく食べていないもので、何か食べたいものはないかと、夫に聞くと、hot fudge sundae という答えが返ってきました。
hot fudge sundae とは、アイスクリームに、温かいチョコレートソースをかけたサンデーです。
sundae という名前の起源は、はっきりしておらず、Sunday の変形だと考えられていますが、宗教的な安息日としてのSunday と区別すべきだという説があるようです。
fudge と言えば、ファッジというソフトキャンディという意味もあり、次のような定義が載っています。
a soft, creamy candy made from sugar, milk, butter, and chocolate or other flavoring
(砂糖、ミルク、バター、チョコレートまたは他の味でできたやわらかいクリーミーなキャンディ)
私は、コンデンスミルクを使って作ったこともありますが、かなり甘いものです。
なので、fudge というのは、ソフトキャンディ(固体)とチョコレートソース(液体)の二つの形があるようです。
hot fudge sauce は、チョコレートやホイップクリームやバター、シロップなどを混ぜ合わせた濃厚なチョコレートソースのようです。
固体の fudge とそれほど材料も変わらないのかもしれません。
ついでに、fudge は、動詞としても使われますが、チョコレートソースとは関係なく、次のような意味があります。
to cheat about something slightly, esp. by not reporting facts accurately or not telling the exact truth
(事実を正確に報告しなかったり、きっちりと真実を言わないことにより、少し何かについてごまかすこと)
次のような例文が載っています。
The government continues to fudge the issue by refusing to give exact figures.
(政府は、正確な数字を出すことを拒むことで、その問題をごまかし続ける。)
She always fudged on the important questions.
(彼女は、いつも大事な質問をごまかした。)
ファッジやチョコレートソースという意味の fudge は、言葉的にはでっちあげのデザートということになりますね。
そこで、parfait(パフェ)を思い出しました。
パフェは、アイスクリームに果物やコーンフレーク、チョコレートソースなどをかけて層になったデザートですね。
フランス語 parfait は、perfect (完璧な) という意味で、こちらは、完璧なデザートとなりますね。
同じようなアイスクリームのデザートでも言葉の意味としては、大きな違いがあるのがおもしろいなあと思います。
hot fudge sundae のチョコレートソースはカロリーが高そうで、作ろうかどうか迷ってしまいます。
今朝のメジャーリーグの試合 (Rays 対 Red Sox) を、用事をしながら、ちらちらと見ていると、解説者が How about that ! と言うのが聞こえました。
すばらしいプレーに対して、How about that! と言えるようです。
How about that の基本的な定義は次の通りです。
used to emphasize that something is surprising
(何かが驚くべきことだと強調するのに使われる。)
「うわぁ、こりゃすごい!」 と、言いたい時などに使え、impressive (素晴らしい) という意味です。
例えば次のように言えます。
He came in first. How about that!
(彼が一位だって。それはすごい。)
ただ、私の個人的な経験では、それだけではない感覚があったので、いろいろなオンライン辞書を見ていると、次のような定義も載っていました。
used when you are referring to something that is very surprising, annoying, or exciting
(非常に驚くべき、うっとうしい、またはわくわくさせる何かについて述べる場合に使われる)
誰かが何かを言った時に、どう反応していいか分からないような時、ちょっと困惑した時などにも、How about that ! と言えるように思います。
例えば、She is going to be my new boss. (彼女が私の新しい上司になるんだ。) と言われて、How about that ! と答える場合、
① それは、素晴らしい
② Oh really? (まあ、そうなの?) 程度で、それほど驚くべきことではない という両方の意味が考えられます。
イントネーションや声の調子などで、どういう意味か分かるのかもしれません。 もしかしたら、How about that! と言うことで、故意に曖昧に返事しているのかもしれません。
私は、びっくりするだろうと思って話したことについて、How about that ! (②の意味で) と言われたことがあります。
多分、その相手にとっては、それほど興味のあることでもなく、何と言っていいか分からないけれども、驚いているふりをする感じで使えるのではないかと思いました。
How about that! という簡単な語ばかりが並んでいますが、その使い方は簡単ではありません。
新聞記事の中で、次のような文を見つけました。
Asians in America are also often treated as “perpetual foreigners,” excluded from the country’s conception of its own demographic mainstream.
(また、アメリカのアジア人は、国の人口統計的な主流の観念から除外されて、「永遠の外国人」 として扱われることが頻繁にある。)
ここで、気になったのは、perpetual という語です。
定義は次の通りです。
continuing for ever in the same way
(同じように永遠に絶えず続いている)
「永遠の、永遠に続く、終わりがない、とぎれることのない」 のような訳が載っています。
それでは、for ever (forever) と全く同じなのかというと、そうでもないようです。
上記の文の perpetual という語は、「いつまでたっても変わることない」 というような、何となくネガティブな含みがあるのかなあと感じます。
I love you forever. とは言えても、 (x) I love you perpetually. は、ちょっとおかしな感じがしてしまいます。
他の例文を調べてみると、よくないことが続いている状態で使えるという場合が多いように思いました。
She resented his perpetual complaining about her cooking.
(彼女は、彼女の料理について、彼がひっきりなしに文句を言うことに腹立たしく思っていた。)
They lived in perpetual fear of being discovered.
(彼らは、発見されるという絶えることのない恐怖の中で生きていた。)
I am tired of her perpetual requests for money.
(私は、彼女の度重なるお金の要求にうんざりしている。)
でも、次のような文学的な文もありました。
The stars had disappeared and now everything looked like it had been swallowed by perpetual darkness.
(星は見えなくなり、全てが永遠の暗闇にのみ込まれたかのように見えた。)
また、 perpetual student (永遠の学生)、perpetual motion (機械の永久運動) のようにも使えるようです。
古フランス語 perpetuel = without end (終わりがない)、ラテン語 perpetuus = continuous (とぎれない) ということが基になっているようです。
perpetual は、終わりがないということを中立的な意味で使う場合もありますが、ネガティブな含みを持たせて使うことも多いように思いました。
できれば永遠に続かない方がいいという思いつつ perpetual という語を使うのかもしれないと思ってしまいました。
ニュースなどを聞いていると、次のような表現を聞くことがあります。
The year 2020 was a challenging year, to put it mildly.
(2020年という年は、控えめに言っても、厳しい年だった。)
to put it mildly の定義は次の通りです。
Used to imply that the reality is more extreme, usually worse.
(実際にはもっと極端で、通常はもっと悪いということを、はっきりと言わず、ほのめかすのに使われる。)
「控えめに言えば、控えめに言って、穏やかな表現で言って」 のような訳が載っています。
上記の文では、2000年というのは、challenging だと書かれていますが、実際は challenging よりも、もっとひどいということを暗示しているということです。
mild という語は、「気候が温暖な」 という意味や、「食べ物の味が刺激が少ない、マイルドな」 などの意味がありますね。
そして、「人や言動などが穏やかな、優しい」 という意味もありますね。
to put it mildly は、understatement (控えめな表現) ということです。
次のようにも使われていました。
To put it mildly, White House officials aren't thrilled with this press conference.
(控えめに言って、ホワイトハウスの職員は、この記者会見をうれしく思っていない。)
うれしく思っていないという控えめな言い方ですが、実際はかなり気分を害しているということですね。
To put it mildly という慣用句を使って、言いたいことを控えめに表現してみるのもいいですね。