NHK BSニュースの中で、ニューヨークの
stooping についてのリポートがありました。
通りから建物(アパートなど) の玄関口につながる階段のことを
stoop と言うそうです。
そして、その
stoop や周辺に、家具、小物、本など不要になったものを置いておき、通りを歩く人が、気に入ったものがあると自由に持って帰るという仕組みのことを
stooping と言うようです。
私は、この
stooping について知らず、
stoop と言えば、「かがむ」 という意味が浮かび、通りを歩く人が、置いてある物を品定めするためにかがむことなのかなあと思ってしまいました。
調べてみると、「玄関口の階段」 という意味の
stoop は、オランダ語の stoep = doorstep が語源の言葉です。
オランダ人がニューヨークへ移住し、オランダ式の玄関まで階段が続くような建物が生まれたのかもしれません。
そして、オランダ語が、こんな形で英語の中に残っているのですね。
英語の
step も 「階段の段」 という意味があり、同じ系統の語ですね。
ニューヨークの住宅街の階段に並べてある不要品を見て歩くのも、おもしろそうですね。
それから、「かがむ」 という意味の
stoop は、スペルは同じですが、階段の
stoop とは異なる系統の語で、古英語の stupian、中期オランダ語の stupen = bow, bend が語源です。
He
stooped down to talk to the child.
(彼は、その子供と話すために身をかがめた。) のように言えます。
人が要らなくなったものを、拾って使うということに抵抗がある人もいるかもしれませんね。
でも、意外なお宝が見つかるかもしれません。
One man's trash is another man's treasure. (ある人にとってのゴミは、ある人にはとっては宝である。)
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先日フィリップ殿下がお亡くなりになり、今後はエリザベス女王の公務も減らしていくのではないかと言われています。 エリザベス女王について、次のような文を見つけました。 The queen is certainly moving now into the twilight of her reign and a new phase of her reign. (女王は、今確実に治世のたそがれ時で新しい段階へと入ろうとしている。)twilight というのが、きれいな表現だなあと思いました。twilight は、次のように定義されてます。 the soft, diffused light from the sky when the sun is below the horizon, either from daybreak to sunrise or, more commonly, from sunset to nightfall. (夜明けから日の出まで、またより一般的には、夕方から日没までの、太陽が地平線の下にある空からのやわらかく広がった光) 「薄明り、たそがれ時、夕方」 のように訳されます。 ということは、twilight には、dawn (夜明け) と dusk (夕暮れ) の両方の意味が含まれるということですね。 ただ、the twilight of something には、次のような意味があります。 the final part of a period (ある期間の最終部分) (例) the twilight of one's life (人生のたそがれ時) そして、dawn of something には、次のような意味があります。 the start of a period of time or the beginning of something new (ある期間の始まり、また新しい何かの始まり) (例) the dawn of the twenty-first century (21世紀の始まり) 「たそがれ」 という言葉は、「誰そ彼」 というのが語源だそうです。 薄暗くなって顔が分からなくて 「あれは誰だ」 ということのようです。 人生の薄暗い時期、たそがれ時は、誰にでもやってきますが、いつまでもまだまだこれからだという気持ちは持ち続けていたいなあと思います。
トランプ政権時の Operation Warp Speed というプログラムによって、アメリカは COVID-19のワクチンの開発や生産が速く進められ、多くのアメリカ人はワクチンを接種しています。 それでもワクチンを打つリスクもあり、打たない選択をしている人もいます。 ジョンソンエンドジョンソンのワクチンは、まれな血栓症の事例があり、一時接種を中断していたようですが、また継続したようですね。 その理由は次の通りです。 Because the benefits of protection against COVID-19 far outweigh the risks. (新型コロナウイルス感染症を予防する利益の方がはるかにリスクを上回るからだ。)outweigh の定義は次の通りです。 to exceed in weight, value, or importance (重さ、価値、重要性において上回る) 次のような例文も載っていました。 Practice outweighs theory in language learning. (言語習得には、理屈よりも練習が重要だ。) そして、体重について、次のようにも使えます。 She outweighs her sister by 10 pounds. (彼女は10ポンド妹よりも体重が重い。)outweigh は、「① 価値、重要性が上回る、勝る、② ~より重い」 という意味で使えるようですね。 ワクチンに関しては、The advantages outweigh the disadvantages. (利益が不利益を上回る。)ということなのでしょうね。
「鬼滅の刃」 が、アメリカでも公開されたという記事を読んでいて、劇場の正面に Now playing (上映中)、そしてその下に、subbed and dubbed と書かれた写真も載っていました。subbed は、subtitled が省略された形で、「映画などが字幕付きの」 という意味です。subbed in English (英語の字幕付きの)、subbed movie (字幕付きの映画)のように使えます。subtitle と言えば、「本などの副題」 という意味もあれば、複数形で subtitles にすると 「字幕」 となりますね。 This is a Japanese movie with English subtitles . (これは、英語の字幕付きの日本語の映画です。) と言えますね。dubbed は、「映画などが吹き替えの」 という意味です。dubbed in English (英語に吹き替えられている)、dubbed movie (吹き替えの映画) のように使えます。dub は、「テープなどのダビング」 という意味もありますね。 語源辞書には、dub は、double が短縮されたものだと載っています。 なるほど、吹き替えもダビングも2倍になるという感じですね。 I would rather watch a movie with subtitles than one dubbed into Japanese. (私は日本語に吹き替えられたものよりも、むしろ字幕付きの映画を見たい。) と思います。 学生時代には、フランス語の映画を英語の字幕付きで見たこともありましたが、見終わると、かなり疲れたものです。 外国語の映画の語彙を100%聞き取るのは難しいことですね。 日本語の字幕があると、ちょっとリラックスして映画を見ることができ、原語と字幕とを比較する楽しみもありますね。
先日の日米首脳会談に関する記事を読んでいると、peach and stability of Taiwan Strait (台湾海峡の平和と安定) という表現がありました。 「海峡」 は、strait というのは聞いたことがありましたが、ふと、channel も 「海峡」 という意味で使われることを思い出しました。 イギリスとフランスの間のイギリス海峡は、English Channel です。 そしてその東の端は、the Strait of Dover (ドーバー海峡)で、channel の方が、strait より幅が広いようです。 ついでに、最近、船の事故があったスエズ運河は Suez Canal ですが、こちらは、人工的に作られたものですね。channel と canal は、何となく語源が同じなのではないかと想像できます。 どちらもラテン語 canalis = water pipe, groove (送水管、溝)から派生しており、フランス語の辞書を見ると、 canal には、「運河、海峡」 と両方の意味が載っています。 ところで、strait は 、straight (まっすぐな) と同じ発音ですが、何か関係があるのだろうかと思いました。 辞書を見ていると、the straight and narrow (正しい生き方) という慣用句がありました。 My father's word put me back on the straight and narrow . (父の言葉が私を正しい生き方に引き戻しました。)straight というと、何となくまっすぐな正道という感じもします。 そして、narrow は、strait (海峡 = 陸地に囲まれた海の狭い部分) と関係ありそうな気がして調べてみました。the straight and narrow は、聖書のマタイ伝7由来の言葉のようです。 Enter ye in at the strait gate: for wide is the gate, and broad is the way, that leadeth to destruction, and many there be which go in thereat: Because strait is the gate, and narrow is the way, which leadeth unto life, and few there be that find it. ちょっと難しいですが、次のような訳が載っていました。 (狹き門より入れ、滅びにいたる門は大きく、その路は広く、これより入る者多し。 生命にいたる門は狹く、その路は細く、これを見出すもの少なし。) これは、神の救いを得るためには、それ相応の努力をしなければならないということのようです。strait は、古語で 「狭い、厳格な、公正な」 という意味があると辞書に載っています。strait gate より入り、 narrow な道を見出すことが、正しい道 = straight and narrow となるわけですが、なぜか、慣用句では、strait が straight に変わっています。 そして、straight と strait の語源は異なります。straight は、古英語 streccan が語源で stretch と同じ系統です。 strait は、ラテン語 stringere が語源で、strict と同じ系統です。straight と strait は、異なる語源の語ですが、関連はあるようですね。 台湾海峡とは関係のないことについて、いろいろと考えてしまい、何かを読んでいても、つい脱線してしまいます。
「まん延防止等重点措置」 は、次のように quasi という語が使われているようです。 Japan is set to expand quasi- emergency measures to 10 regions on Friday as a fourth wave of Covid-19 cases spreads, casting doubt on whether the Summer Olympics can be held in Tokyo. (第4波の新型コロナウイルス感染が拡大する中、日本は、金曜日に 10 地域へ準非常事態 = まん延防止等重点措置を拡大することになっており、東京で夏のオリンピックを開催することができるのか、疑問を投げかけている。)quasi- は、「類似、擬~、準~、~に準じる、半~」 のような訳が載っています。 オンライン辞書の定義は、次の通りです。 to a degree, but not completely (ある程度であり、完全にではない) 別の言い方をすれば、almost, but not quite (ほとんどそうだが、全くそうというわけではない) という感じですね。 まん延防止等重点措置は、緊急事態というわけではないが、それに準ずるものということですね。quasi は、ラテン語 quam = as + si = if で、as if という意味の語のようです。 as if (まるで~のように) なので、同じようなものを比べるということで 「準~」 となるのですね。 オンライン辞書を見ていると、「発泡酒」 が、quasi-beer と載っていました。 ビールのようで、ビールではないということですね。
アメリカのミネソタ州で、また黒人男性が白人警官に撃たれて死亡した事件がありました。 白人警官は、テーザー銃と間違えて発砲したということで逮捕されたようです。 deadly force (殺傷能力のある武器)を使用すべきかどうかを、とっさに判断しなければならない難しさを思います。 白人警官は、次のような文を含む辞表を提出したそうです。 I am tendering my resignation from the Brooklyn Center Police Department effective immediately. (私は、即時有効なブルックリンセンター警察からの辞職を願い出ます。)tender one's resignation は、「辞職を願い出る、辞表を提出する」 という意味があります。tender と言えば、まず 「柔らかい、優しい」 という意味を思い出すかもしれませんね。 同じスペルですが、語源の異なる tender には次のような意味があります。 to offer something, usually in writing, or to make an offer in writing to do something (通常は書面で、何かを申し出ること、また何かをするために書面で申し出ること) 次のようにも言えます。 I tendered my resignation to my boss. (私は上司に辞表を提出した。)tender は、offer (申し出る) や submit (提出する) という意味があるということですね。 フランス語 tendre 、ラテン語 tendere = stretch, extend(伸ばす、広げる、差し伸べる) を語源とする語のようで、tend (傾向がある) とも同じ語源です。 He tends to come to work early. (彼は早く出勤する傾向がある。) Idleness tends to poverty. (怠けていると、お金に困ることになる。)tend は、ある方向へ stretch = 広がっていくということなのでしょうか。tender や tend という一見関係なさそうな語の語源が同じなのがおもしろいなあと思います。
pat を後ろから読むと tap ですが、どちらも、「軽くたたく」 という意味があります。 Someone tapped me on the shoulder. (誰かが私の肩を軽くたたいた。) のように言えます。 以前にも書きましたが、tap は、to choose someone for a job(ある仕事のために人を選ぶ、指名する)という意味でも使われます。 He was tapped for police commissioner. (彼は、警察部長に指名された。) 以前にこの tap について書いた時に、日本語では 「肩をたたく」 というのは退職を促す比喩なのに、英語では、tap は、仕事を任せるために指名するという逆の意味になってしまうというコメントをいただいたことがあり、なるほど、「たたく」 という行為も言語によって意味することが違うものだと、おもしろいなあと思いました。 では、次の pat はどうでしょう。 He got a pat on the back from his boss. (彼は上司から褒められた。) He was praised by his boss. ということですね。pat on the back は、「褒める時などに、背中を軽くたたくこと」 という意味があります。 「褒め言葉、激励、称賛」 のような訳も載っています。 Good job! 、「よくやった」 と、背中を軽くたたく感じですね。pat も tap も、もともとは、たたく音からできた語のようなので、形や音が似ていても不思議ではないですね。 ただ、tap someone on the back という形もありますが、こちらは、褒めるという意味ではなく、たたいて、相手の注意を引くような場合です。 また、pat on the back の方は、愛情をこめて、手のひら全体で軽くたたくようなイメージです。 今はソーシャルディスタンスを保たなければならず、pat も tap もしにくいですね。
「ワクチンの予防接種する」 というのは、vaccinate で、次のように使われますね。 International borders might not open even if whole country is vaccinated . (国全体がワクチンの予防接種をしても、国境を開放しないかもしれない。) 名詞は、vaccination ですね。 他にも、次のように、「予防接種」 という意味で、jab という語も見聞きします。 Japan PM Suga receives COVID jab before Biden meet in April (日本の菅首相は、4月にバイデン大統領と会う前に、コロナウイルス感染症の予防接種を受ける。)jab は、「激しく突き刺す、素早い一撃を食わせる」 という意味があり、そこから 「ワクチンの予防接種、皮下注射」 という意味にもなるようです。shot も、「発射」 という意味もあれば、「注射」 という意味もありますね。 ところで、jab と聞いて、jav / javelin (やり投げ、投げやりで刺す) という語を思い出しました。 何か関係ありそうだと調べてみましたが、jab は、strike, pierce, thrust (突く、突き刺す、強く押す)という意味を持つスコットランド系の語で、jav は、spear (やり、やりで突く)という意味でケルト語系の語のようです。 語源は異なるようですが、どちらも 「突く」 ということで、私の頭の中では、注射とやりを一緒に覚えています。 そして、もう一つ、「予防接種」 という意味で、inoculation という語も、ニュースなどで聞くことがあります。 Japan's coronavirus inoculation campaign has been progressing slowly. (日本のコロナウイルス予防接種キャンペーンは、ゆっくりと進んでいる。) 次のような例文も辞書に載っています。 You must inoculate your dogs against rabies. (飼犬には、狂犬病の予防接種をしなければならない。)inoculate は、in (中に) + oculus = bud, eye (芽、目)という成り立ち です。inoculate は、もともとは、implant a bud into a plant (植物に芽を植え付ける)ということで、implant germs of a disease to produce immunity (免疫を作るために、病気の細菌を植え付ける) という意味になるようです。 ところで、oculist は、eye doctor (眼科医)のことですね。 また、ジャガイモの芽が出るくぼんだ所は、potato eye と言い、芽と目は、英語においても、つながりがあるのがおもしろいなあと思います。 日本語の 「接種」 という語は、種を植え付けるということですが、英語の inoculate は、芽を植え付けるという意味の語なのですね。 日本でもワクチン接種が始まっていて、最初は不安に思っていましたが、最近の感染拡大を思うと、そんなことを言っていられない状態になってきました。
はっきりと、何かが嫌いだと言いにくい場合があります。 例えば、友達がケーキを焼いて持ってきてくれて、そのケーキがおいしかった場合は素直においしかったと言えばいいのですが、そうではなかった場合は、少し工夫が必要かもしれませんね。 It was moist and good, but to be honest with you, I am not a big fan of raisins. (しっとりしていておいしかった。でも正直に言うと、レーズンはそれほど好きではないのよ。)not a big fan of は、「特に好きというわけではない」 という意味で、よく使われる表現です。 また、肯定文では、次のように言えますね。 I am a big / huge fan of you. (私、あなたの大ファンなのです。) 熱狂的なファンではないと否定形にすると、それほど好きではないという意味になるわけですね。 同じように、次のような表現もよく耳にします。 I am not so crazy about this style of jeans. (このジーンズのスタイルがそれほど気に入っているわけではない。) He was not so keen on the idea at first. (彼は、最初はその考えにそれほど関心がなかった。) She is not so enthusiastic about the offer. (彼女はその提案にそれほど乗り気ではない。)crazy 、 keen 、enthusiastic は、どれも 「熱狂する、熱心な」 という意味の語ですね。 それらを否定することで、やんわりと 「好きではない、関心がない、乗り気ではない」 ということを伝えることができて、便利な表現だと思います。 レーズンは嫌いだと言うよりも、それほどレーズンのファンではないと言う方が穏やかな雰囲気でいいですね。