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汚れた衣類

「汚れた、汚い」 と言う場合、dirty が一般的な語でしょうが、次のように soiled も、使われることがあります。

.... the Centers for Disease Control and Prevention (CDC) has provided guidelines for laundering soiled clothing ...
(CDC = アメリカ疾病管理予防センターは、汚れた衣類を洗濯するためのガイドラインを示した)

そして、もちろん dirty も使われています。

Wear disposable gloves when handling dirty laundry from an ill person ...
(病人の汚れた洗濯物に触れる場合は、使い捨ての手袋をはめてください)

考えてみれば、dirtsoil も 「土」 ですね。

植物を育てるための土は soil を使うように思いますが、dirt も大きな意味では間違いでもないでしょうね。

野菜やお花を育てるために必要な soil ですが、「汚す、汚くする」 という意味にもなるのですね。

The baby was wearing a soiled diaper.
(その赤ちゃんのおむつは汚れていた。)

dirty diaper、dirty clothes と言う方が一般的かもしれませんが、人によっては soiled と言う場合もあり、少しフォーマルな響きもします。

ホテルや病院などで、「汚れたシーツは、、、」 とマネージャーが指導するような場合などに soiled がより使われるのかもしれません。

次のような例文を見つけました。

Many of the pages had been soiled by the old man's dirty fingers.
(その年老いた男の汚い手によってページの多くに汚れがついていた。)

dirty も動詞として使えるので、下記のように書きかえることもできますね。

Many of the pages had been dirtied by the old man's soiled fingers.

同じ語彙を続けて使わないように dirtysoiled は交換可能な語ということかもしれません。

日本語で 「汚い、汚れた、汚れがついた」 と書き分ける程度の違いなのかなあと思いました。


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総動員

ロシアがウクライナに侵攻し、何とも言えない気持ちでその映像をテレビで見ました。

次のようなニュースの見出しがありました。

Ukrainian president signs decree on general mobilization in Ukraine
(ウクライナの大統領は、ウクライナ総動員令に署名する)

general は、「一般的な」 という意味もありますが、ここでは 「全員の、全体的な」 という意味ですね。

例えば、local anesthesia (部分麻酔) に対して、general anesthesia は 「全身麻酔」 です。

mobilization は、ここでは次のような意味です。

the act of preparing to fight, especially in a war
(とりわけ戦争において、戦う準備をする行為)

「動員」 ということですね。

mobilize は、何かを準備して行動できるようにするという基本的な意味があり、戦争についてのみ使う語ではありませんが、しばしば 「軍隊を動員する」 という意味で使われています。

mobilize は、mobile (動ける) 状態にするということですね。

mobile と言うと、つい 「携帯電話」 が頭に浮かんでしまい、 mobilize / mobilization という語に、「戦争のために軍隊を動員する」という意味があるのは想像しにくいのですが、戦争のために国民を総動員するのも、「動く、動かす」 という共通点はありますね。

ロシアとの戦争のために、多くの人を mobilize するしか方法がないのでしょうか。


肩の上に良い頭?

友人と Zoom で話している時に、何となくわかるけどおもしろいと思った表現がありました。

I think she has a good head on her shoulders.

have a good head on one's shoulders は、直訳すると 「肩の上に良い頭を持っている」 ですね。

have a head on one's shoulders と、good が省略されることもあるようです。

肩の上に頭があるのは当たり前ですが、定義は次の通りです。

Be intelligent or shrewd; have good sense or good judgment.
(頭が良い、賢明である、分別がある、明確な判断力がある)

She is intelligent / smart. と一語でもほぼ同じことを伝えることができますが、あえて肩の上に良い頭を持っていると言う場合もあるのですね。

そう言えば、日本語でも 「頭が良い」 は、good head ということですね。

have a good head on one's shoulders は、最初は have an old head on young shoulders だったとオンライン辞書に載っていました。

young shoulders = 若い人、old head = 知識がある ということで、若いにもかかわらず分別があるというように使われていたのでしょうね。

intelligent と言いたい時などに、たまには have a good head on one's shoulders を使ってみるのも悪くないですね。


いろいろな pop up

カリフォルニアに住んでいる友人に、ウエハースのような形のスポンジをもらいました。 野菜の繊維で作られたスポンジのようで使うのが楽しみです。

ウエハースのような薄いスポンジが12個入っていて、pop-up sponges と書いてあります。

これに水を含ませると普通のスポンジの大きさに膨らむようで、そのように薄っぺらいものが急にふわっとしたスポンジの状態になることに pop-up という表現が使われています。

飛び出す絵本やカードなども、pop-up book / card ですね。

コンピュータの画面にパッと出てくる広告も pop-up ad です。

pop (up) は、appear very quickly or suddenly(素早くまたは急に現れる) ということですね。

いつのまにか春になってあちこちでチューリップが咲き始めているというような場合も、次のように言えます。

Tulips are popping up everywhere.
(チューリップがあらゆる場所で咲き始めている。)

ある場所で臨時的に開くレストランも pop-up restaurant と言われることがあります。

また、日本に住んでいた時に同じマンションに住んでいた友人がよく次のように言っていました。

The door is open, just pop in anytime.
(ドアは開いてるから、いつでも来て。)

親しき中にも礼儀ありだと思い、何時ごろ伺えばいいかと聞くと、このように答えてくれることがよくありました。

約束した時間ではなく突然誰かの家に立ち寄るような場合は pop in /over が使えるわけですね。

例えば、近所に高齢の両親が住んでいる場合などに、様子を見るためにちょっと立ち寄るのは、pop in to see if they are doing okay. と言えますね。

そう言えば、オーブントースターではなく、焼けるとパンがとび出すトースターも pop-up toaster ですね。

スポンジやパン、お店、人間まで、pop は、パッと急に現れる感じですね。


ハーフパイプ競技の高さ

北京オリンピックでスノーボードハーフパイプ競技を見ていると、amplitude という語がよく出てきます。

見ていると、amplitude とは、基本的には height (高さ) のことだと分かります。

Shaun White shows off amplitude.
(ショーン ホワイトは高さを見せつける。)

競技の採点基準のひとつとしての amplitude は、the height the riders reach during the runs (滑走中にライダーが達する高さ) ということのようです。

height ではなく amplitude というちょっとかっこいい響きの語を使うのですね。

amplitude と聞くと、amplifier (拡声器)も思い出しますが、ample とは、「広大な、十分な」 という意味ですね。

一般的な amplitude の定義は、次のように載っています。

the state or quality of being ample, especially as to breadth or width; largeness; greatness of extent.
(状態や質が十分であること、特に広がり、幅広さ、大きさ、広大さの程度について言う。)

スノーボードやスキーの高さについて表現するのに、単に height という語ではカバーできないものがあるのかもしれませんね。

また、altitude も 「高さ」 を表す語ですが、ここで使うのには適していないのでしょうね。

金メダルを獲得した平野歩夢選手の難易度の高い技や amplitude には感動しました。


意味も理由もない

オンラインニュースを読んでいると、ナイフで 11 人を襲う事件がニューメキシコ州のアルバカーキであったことが載っていました。

命を落とす人がいなかったことは不幸中の幸いでした。

これは無差別の襲撃で、警察の次のような文が載っていました。

There doesn’t seem to be any rhyme or reason to the attacks.
(この襲撃には根拠も理由もないようだ。)

rhyme or reason の定義は次の通りです。

good sense or reason (分別や理由)

通常否定文、または否定的な文脈で用いられ、no rhyme or reason without rhyme or reason という形で出てくることが多いようです。

She picked people on a whim, without rhyme or reason.
(彼女は意味も理由もなく、思いつきで人を選んだ。)

シェイクスピアの As you like it の中でも次のように使われているようです。

Neither rhyme nor reason can express how much.
(意味や理由ではどのぐらいかは表現できない。)

rhyme は、「韻を踏む」 ことですね。 そのような規則的なパターンもないし、論理的な reasonもないということなのでしょうね。

それで、「意味も理由もなく」 という状況で使われるわけですね。

意味も理由もない senseless crime に巻き込まれないようにしたいものです。


社会復帰訓練所

通りを歩いていた時に、夫があるビルを指さして、あれは halfway house だと言いました。

何が halfway なのかよく分からないので聞いてみました。

刑期を終えて出所した人や麻薬中毒者などが、一般社会へ復帰できるように自立を助ける施設のようです。

次のような定義が載っています。

a place where ex-prisoners, mental patients, etc. can stay while they become reaccustomed to normal life.

(刑務所にいた人や精神病患者などが、再び普通の生活に慣れていく間滞在できる場所)

刑務所や病院などを出てから、自立して生活できるようになるまでの中間の場所ということなのですね。

社会福祉、精神医学、教育などのサービスもあるようなので、halfway house に滞在している間に、そのようなサービスを利用して自立できるようになればいいですね。 そして再犯防止につながればと思います。

また、halfway house は、文字通り、「物事の半ば、妥協点」 という意味もあり、次のような例文も載っています。

That evidence made it clear there was no halfway house in convicting this extremely violent killer.

(この凶悪殺人犯への有罪判決に、妥協の余地はないことがその証拠によって明らかになった)

halfway house という言葉に 「社会復帰訓練所、更生訓練施設」 という意味もあるのは、なかなか想像できませんでした。


ヘッドライトに照らされた鹿

先月中旬から、家から歩いて10分ぐらいのところにある大学でスペイン語の授業を聴講し始めました。

息子と同じぐらいの若い学生たちと一緒の教室で学ぶことに少し緊張しつつも、久しぶりの学生気分を楽しんでいます。

教授が、授業で習った内容のダイアログを学生に発表させる時に、次のように言いました。

You are not like a deer in the headlights, right ?
(ヘッドライトに照らされた鹿みたいに、びっくりして動けなくなってしまうんじゃないよね。)

もう何度か授業でも練習しているので、クラスの前で発表することは驚くことではないだろうと教授は思っていても、急にクラスの前で発表となると緊張したり固まってしまう学生もいます。

そのような状態に a deer in the headlights という表現を使っています。

意味は次の通りです。

used to describe somebody who appears so frightened that they cannot think clearly and do not know what to do or say

(あまりに驚いて明瞭に考えることができなくて、何をしたり言ったりすればよいのか分からなくなることを述べるのに使われる)

野生の鹿が急に道路に出てくることがあり、車は急に止まれずに鹿と衝突事故が起きる場合がありますね。

a deer in the headlights は、まさにその鹿の状態で、突然やって来た車のヘッドライトに照らされた鹿がびっくりして身動き取れなくなってしまうということから、このような意味で使われるようです。

学生が急に発表するように言われて、えっ、どうしようという表情と、近づいてきた車の前の鹿の面食らったような表情に、深刻さは違うとしても、突然の出来事にびっくりしているという共通点はあるのかもしれませんね。

できれば、ヘッドライトに照らされた鹿のような状態は避けたいものですね。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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