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プレッシャーがなければ、、、

アメリカのオレゴン州で行われていた世界陸上をテレビで見ていた時に、解説者が次のような言葉を使っていました。

No pressure, no diamonds.

これは、19世紀のスコットランド人 Thomas Carlyle の言葉のようです。

ダイヤモンドがどのように作られるのか詳しく知らなかったので、ちょっと考えてしまいましたが、直訳すると次のようになりますね。

「圧力がないとダイヤモンドは生まれない」

ダイヤモンドは化学式で表すと C (炭素)なのですね。 

それを高温、高圧を加えることできれいなダイヤモンドになるのですね。

Without pressure, it would be just carbon.
(プレッシャーがなければ、ただの炭素。) ということですね。

どんなことでもそうなのでしょうが、物事を達成するにはある程度のプレッシャーは必要だという意味で、スポーツの分野でもよく引用されるようです。

プレッシャーもあまりに大きすぎると問題ですが、世界を相手に戦うためにはプレッシャーに耐えてやりぬく根性のようなもの grit が必要なのでしょうね。

それぞれが、自分の目標に向かっていつかダイヤモンドになれるかもと努力を続けていければいいですね。


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town and gown とは?

先週 Central Pennsylvania Festival of the Arts というアートフェスティバルに行ってきました。

我が家から1時間半ほどのところにあるPenn State University のキャンパスでたくさんのブースが出ていて、絵画、セラミックス、ジュエリー、デジタルアートなど様々なジャンルの作品が展示販売されていて目の保養になりました。

日本人のアーティストも何人かおられました。

そのアートフェスティバルの公式プログラムガイドの表紙に次のように書いてありました。

2022 Town & Gown's official program guide

ちょうど読み終えたばかりの The dictionary of lost words という本の中でも、このtown and gown という表現があったので意味は分かっていたのですが、実際の日常でも使われる表現なんだと確認できました。

本の中では、イギリスのオックスフォードで、大学関係者をgown、一般住民を town としていて、主人公の女性が、自分は一体どっちなんだろうと考えている場面がありました。

town and gown というのは、 オックスフォードのように 「大学のある都市の一般住民と大学関係者」 という意味です。

中世ヨーロッパの大学では、学生たちはガウンを着ていたためにそのまま、gown というわけですね。

town and gown と韻を踏んで軽快な響きの表現ですが、 中世のころは大学側と一般住民側で対立もあったようで、現在でもキャンパスとそのコミュニティの間で問題がないこともないのかもしれません。

上記のアートプログラムは一般住民及び大学関係者のためのものということで都市の皆で楽しもうという明るい感じで使われているのがいいなあと思いました。


キャベツ畑

前回、cabbage について書きましたが、そう言えば、キャベツ畑人形という人形があったことを思い出しました。

あまりかわいい人形というわけでもなかったと思うのですが、なぜか人気があったことは覚えています。

アメリカで生まれたこの人形は、英語では cabbage patch kids dolls と言うようです。

この名前について深く考えたことがなかったのですが、アメリカでは 「赤ちゃんはどこからやって来るの」 という質問に対して、次のように言われていたそうです。

He was found in the cabbage patch.
(キャベツ畑で見つけたんだよ。)

日本ではよくコウノトリが運んでくると言われますが、それも同じようによく言われるようです。

The stork brought him.
(コウノトリが運んできたんだよ。)

ところでキャベツ畑は、cabbage patch で、かぼちゃ畑も pumpkin patchpatch という語が使われます。

patch とはどういう意味の言葉なのでしょう。

次のような定義が載っています。

A small plot or piece of land, especially one that produces or is used for growing specific vegetation

(小さな土地の一画、一区画の土地、とりわけ特定の植物を作り栽培するために使用されるもの)

パッチワークの布切れの patch のように、布だけではなく小さい土地、畑という意味もあるわけですね。

cabbage を garden で育てることもあるのでしょうが、キャベツ専用の畑は cabbage patch と言うのが一般的なようです。

gardenpatch と同じような定義が載っています。

a small piece of ground used to grow vegetables, fruit, herbs, or flowers.

(野菜、果物、ハーブ、花を育てるために使用される一区画の土地)

garden は、もともとは enclosure (囲い地) という意味の語のようです。

patchgarden も野菜、花などを育てる土地ということですが、garden の方が見て楽しめるような洗練された感じがします。

畑と菜園という言葉のニュアンスの違いのようなものなのでしょうか。

なぜ cabbage garden ではなく cabbage patch が一般的なのかはよく分かりませんでした。


かわいいキャベツ

愛情を示す呼びかけ語として honey や sweetheart などがあるのはよく知られています。

また、お母さんが子供に、pumpkin と呼んでいるのも聞いたことがあります。

pumpkin はパイを作ったり甘くてかわいい感じがするので、それほど違和感がなかったのですが、cabbage はどうでしょう。

今、私が読んでいる本 The dictionary of lost words の中で、子供への呼びかけ語として、cabbage が下記のように使われると載っています。

この本は事実を含んだオックスフォード辞書についての歴史小説で、たまたま空港の書店で見つけてメモしておいて、図書館で借りて読んでいます。

Come here, my little cabbage, and give me a hug.
(かわいい子、ここに来てハグしてちょうだい。)

夫も pumpkin は聞いたことがあるけれど cabbage は聞いたことがないと言うので、イギリス英語なのでしょうね?

それにしても、cabbage は甘いかわいい感じではないように思い、どうしてキャベツなのだろうと思い調べてみると、フランス語 mon chou (私のキャベツ = かわいい人)と関係するようです。

シュークリームのシューはフランス語の chou で、キャベツの形をしていますね。

シュークリームという言葉は、英語の cream puff と フランス語の chou à la crème を組み合わせたのでしょうね。

ということで my little cabbage というのも甘いお菓子のイメージなのだと分かって納得しました。

アメリカでは sweetie pie という呼びかけ語はよく聞きますが、そのようなものかもしれませんね。


止まっている時計

前回に引き続き、Better call Saul というドラマの中で使われていたことわざです。

Even a stopped clock is right twice a day.
(止まった時計でも一日に二回は正しい時刻を示す。)

とても分かりやすくておもしろい言い回しですね。

次のような意味が載っています。

Even people who are usually wrong can be right sometimes, even if just by accident.
(通常は間違う人でも、偶然正しい場合もある。)

止まった時計は役に立たないけれど、その時計の針が示している時刻は一日に二回は正しいということからこのような意味で使われるようです。

数学が苦手な生徒がたまたま難しい問題に正解できた時などにも使えそうですね。

I can't believe he solved that hard math question. I guess even a stopped clock is right twice a day.

(彼があの難しい数学の問題を解いたとは信じられない。止まった時計でも一日に二回は正しい時刻を示すということかな。)

a stopped clock の代わりに、a broken clock と言う場合もあるようです。

このことわざについて夫と話していると、次のような似たような表現もあると教えてくれました。

Even a blind squirrel finds a nut once in a while.
(目が見えないりすでも時には木の実を見つけることがある。)

当てにならないような人でも偶然正しいこともあり、いつも間違っているとは限らずラッキーなこともあるということですね。


待っていると沸かない?

私は毎朝、お湯を沸かしてお茶を飲んでいます。

朝食の用意をしながら、お湯が沸くのを待っているのですが、もうすぐ沸くかなあと電気コンロの前で待っていると、なかなか沸かないものですね。

そういう状態をそのまま英語で次のように言うようです。

A watched pot never boils.
(お鍋は見ていると、沸くことがない。)

Better call Saul というテレビドラマのシリーズを夫と息子がネットフリックスで見ていて、その中でおもしろいことわざや言い回しがよく出てくるので、私も見ることがあります。

これもその中で使われていました。

次のような定義が載っています。

used to mean that time passes very slowly when one is waiting for something to happen if that is the only thing one is thinking about.

(何かが起こるのを待ってそればかりを考えていると、時間が過ぎるのがとても遅くなるという意味で用いられる。)

ドラマの中では、主人公があることをするのをずっと隣で待っている人に対して、次のように言っていました。

Have you ever heard the expression "A watched pot never boils." ?
(「お鍋は見ていると沸かない」っていう表現を聞いたことある?)

そんなに隣でずっと見ていると、なかなか終わらないよということですね。

誰かから電話がかかってくるという時なども、そのことばかり考えていると、なかなか電話がかかってこないということがありますね。

Don't just keep looking at the phone while waiting for her to call because a watched pot never boils.

(彼女からの電話を待って電話ばかり見ない方がいい。お鍋は見ていると沸かないっていうだろう。)

そればかり考えて何かを待っていても、余計に時間が経つのが遅く感じて起こってほしいことが起こらないということですね。


Aging is not so bad.

I don't want to get old. (年をとりたくない。)と、つい言ってしまうことがありますが、そう言うと、よく次のように返されます。

Getting old is hard, but what is the alternative?
(年をとるのはつらいことかもしれないが、それに代わるものは何?)

年をとらないということは、死んでしまうということですね。 なので、次のように言われます。

Getting old is hard, but it beats the alternative.
(年をとるのはつらいが、それ以外の選択肢よりはいい。)

先日、友人の誕生日にお祝いのメッセージを送ったら、お礼のメールが来て、おもしろい表現が書かれていました。

My day was wonderful even though I am a year older, but it is better than a dirt nap hahaha

(私の記念すべき日は楽しかった。一つ年をとったけどね。でも死んで埋葬されるよりはいいよ。笑)

take a dirt nap は、私の周りで聞く表現ではないのですが、俗語で to die and be buried (死んで埋葬される) という意味があるようです。

dirt (土) + nap (昼寝) なので、何となくそういう意味になるのは分かりますね。

私もできるだけ健康に年がとれるように、毎日最低 8000 歩は歩くようにしています。

本当に、Aging is better than the alternative. ですね。


注目を奪う

以前に The Big Bang Theory という連続テレビドラマを見ていて、途中で日本に引っ越したので結末が分からなかったのですが、再放送で最終回まで見ることができました。

その中で、主人公のシェルドンがノーベル賞を取り、同時期に、友人夫婦が子供を授かったことをシェルドンに言わなかった理由を、upstage という語を使い次のように言っていました。

We weren't gonna tell anybody so we wouldn't upstage your big day.
(誰にも言おうとしなかったのは、お前の記念すべき日から、他の人の注目を奪いたくなかったからだ。)

シェルドンがノーベル賞を取ってお祝いしている時に、自分たちの妊娠を発表して、他の人の注目を自分たちに向けたくなかったという友人の優しい気持ちが表れていますね。

upstage がこんな風に使われるのかと勉強になりました。

定義は次の通りです。

to take people's attention away from someone and make them listen to or look at you instead

(誰かから注意をそらせて、代わりに自分のことを聞かせたり、自分を見るようにさせること)

ところで、upstage というのは stage (舞台) のどこなのでしょう。

調べてみると、舞台の後ろの方が upstage で、観客に近い前の方は downstage と言うようです。

自分が後ろの upstage へ行くということは、相手の役者が自分の方を向くために背中を観客に向けるということです。

それで、upstage に移動した自分が注目を浴びるということのようです。

なるほど、それで upstage には 「人気 / 注目を奪う」 という意味があるのですね。

数人で会話をしていても、upstage に行きたがる人がいますが、そういう時に、舞台を想像してみるのも楽しいかもしれませんね。


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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