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一文字で大違い

私は 5 文字の単語を当てる Wordle と Quordle というオンラインの単語ゲームを解くのが日課になっているのですが、その中に fiend という語がありました。

fiend という語を見ていると、一文字違いの friend を思い出します。

見た目は似ているこれらの二つの語は正反対の意味がありおもしろいなあと思いました。

なんとなくドイツ語系の語だなあと想像はできますが、どういう成り立ちなのか気になり調べてみました。

fiend の定義は次の通りです。

a person of great wickedness or maliciousness
(ひどく意地悪な悪意のある人)

devil (悪魔)という意味もあり、a dope fiend (麻薬中毒者) のように、~ fiend という形で ~狂という意味でも使われるようです。

fiend は古英語では feond = enemy, foe (敵)、friend は freond = 愛するものという意味の語で、どちらも動詞の現在分詞から成る語です。

fiend は hate、friend は love という意味の動詞からできた語です。

そしてオンライン語源辞書には、次のように載っていました。

"fiend" word was a Germanic analogical formation from the "friend" word.
(fiend という語は friend という語からゲルマン語を類推的に構成したものだった。)

fiendfriend は異なる動詞からできた語ですが、その歴史、成り立ちには関連があるのかもしれません。

fiend は 憎む → 敵 → 残忍な人、意地悪な人、悪魔
friend は、愛する → 愛するもの → 友人、仲間   という流れですね。

ところで、敵というと、enemy という語がありますが、fiend と同じ系統からできた foe という語もあり、enemy よりも文語的に使われることが多いようです。

friend or foe (敵味方) という表現もあります。 日本語では敵味方と敵が先に来ますが、英語では味方の方が先に来るのが普通のようです。

現在は fiend には敵という意味はありませんが、スペルも似ているので friend と対で覚えておくといいかもしれませんね。

ついでに、fiendish という形容詞には 「非常に難しい」 という意味があります。 fiendish について書いた記事は→fiendish



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stadium の複数形

テレビでサッカーワールドカップを見ていた時に、解説者が使った単語に興味を持ちました。

次のように言っていたように思います。

All the stadia are close together.
(すべてのスタジアムは、それぞれがすぐ近くにある。)

試合に使われるスタジアムはいくつかあるようですが、stadium の複数形として stadia という語が使われるのは初めて聞きました。

一緒に見ていた夫や息子も stadiums の方が普通だろうと言い、私もそう思いました。

それで、辞書を引いてみると、stadiumsstadia も両方 stadium の複数形と載っています。

stadium という語は、ラテン語では長さの単位(約600フィート)、または競争する場所という意味の語のようです。

またギリシア語でも stadion という語があり、同じく長さの単位、競走用のトラックで特にオリンピアのトラックを意味していたと語源辞書に載っています。そしてその長さは one stadion であったようです。

その後、stadium は現在のスタジアム(競技場)という意味で使われるようになりました。

ちなみにスペイン語で stadium は estadio です。

datum と data では data の方が一般的に使われますが、stadia は現在では一般的な語ではないようです。

stadium の場合は複数形として stadia という形が残っていますが、実際のニュース記事などもほとんどは stadiums が使われています。

なので、stadia を使う必要はないと思いますが、ラテン語を会話に入れるとちょっと知的な響きが出るのかもしれませんね。

ところで、日本はドイツに勝ってよかったですね。また次も応援しようと思っています。


(訂正)長さの単位を6フィートと書いていましたが、600フィートが正しく訂正しました。失礼しました。

asynchronous class とは?

今週の木曜日はアメリカでは Thanksgiving Day (感謝祭) という祝日で、学校などは前後数日休みになることが多いです。

私が通っている大学のクラスも最初はズームで授業がある予定でしたが、教授が clase asíncrona に変更すると言いました。

これは英語では asynchronous class となりますが、分かったような分からないような言葉だなあと思いました。

日本語では 「非同期式学習」 とでも言えばよいのでしょうか。

a = not, without + synchronous = happening at the same time で、asynchronous は、「同時に起こらない」 ということですね。

synchronous の chrono は 「時間」 という意味で chronology (年表) という語もありますね。

そう言えば以前は synchronized swimming と呼んでいましたが、artistic swimming に変わりましたね。

asynchronous class は、教室やズームなどで他の学生と一緒に学習するのではなく、それぞれが自分の好きな時間に与えられた課題をオンラインのテキストなどを使って学習するような教育方法ということのようです。

私のクラスでは二日間だけ asynchronous class になり、家で与えられた課題をこなしているのですが、homework とあまり変わりがないように思ってしまいました 。

パンデミックを経験して教育方法も変わってきましたね。 asynchronous classsynchronous class も両方ともメリットがあり、両方をうまく取り入れていくのも悪くないように思いました。


shy の用法

アメリカの感謝祭では七面鳥のローストにデザートはパンプキンパイというのが定番で、この時期には私もパンプキンパイを焼いています。

いろいろなレシピを読んでいると、次のような文章がありました。

Some people shy away from making pie crusts.
Here is a recipe to banish all fear.

(パイ生地を作ることにしり込みする人もいます。 
その心配を払いのけるためのレシピがここにあります。)

確かにサクッとしたパイ生地を作るのは簡単ではなく、私もあきらめて冷凍の生地を買ったこともあります。

shy というと 「内気な、恥ずかしがりやの」 という意味が浮かびますが、このように動詞でも使えます。

shy away from の意味は次の通りです。

to avoid doing or dealing with something because you are not confident enough or you are worried or nervous about it
(自信がなかったり心配したり緊張するために、何かをすることや何かに取り組むことを避けること)

あまりうまくできないし、できればやりたくないということがありますね。 そういう時に使える表現ですね。

また次のような例文も載っていました。

They shied away from the deal because they did not trust the salesman.
(彼らはセールスマンを信用できなかったので、その取引から手を引いた。)

shy away from は 「~するのを避ける、しり込みする、引き下がる」 などの訳が載っています。

心配で何かをすることを嫌がるという感じですね。

もう一つ、よく耳にするのは、「足りない、不足している」 という意味の shy で次のように使われます。

We're only $50 shy of the total amount.
(総額から50ドルだけ足らない。)

He's two credits shy of his bachelor's degree.
(彼は学士号に2単位不足している。)

この shy は short (不足している)と置き換えられますね。 元々はギャンブルの場面で使われていたようで、スラング的な使い方なのかもしれません。

また、食事の際などに、ホストが次のように言うこともあります。

Don't be shy. Have some more.
(遠慮しないで。もっと食べて。)

shy = 恥ずかしい とまず覚えますが、そこから少しずついろいろな用法を学んでいければいいですね。 私もあれっと気になったら辞書を引いて確かめるようにしています。


circumlocution

私が通っているスペイン語のクラスで circumlocution の練習をしました。

circumlocution の定義は次のように載っています。

an indirect way of expressing something
(物事を表現する間接的な / 遠回しな方法)

the use of unnecessarily wordy language, especially in being vague or evasive
(不必要に言葉数が多い言葉遣いで、とりわけ曖昧、回りくどいもの)

Politicians are experts in circumlocution.
(政治家は遠回しな表現の専門家だ。)  のように使えます。

このように見ていると circumlocution というのはあまり良いイメージがないように思いますが、外国語を学習するためには良い方法だと思います。

例えば、「郵便局」 という言葉を知らなかったら、手紙を出したり切手を買ったりする場所と言えば、相手は分かってくれますね。

私も単語を知らなかったり度忘れした時などには、circumlocution で相手に単語を教えてもらうことがよくあります。

丸い、赤い、おいしい→りんご というようなクイズ番組もあったように思いますが、そういう感じです。

スペイン語で circumlocution の練習をした後、外に出ると、大学のミュージアムの建物の前に circa 1937 (正確な年代は覚えていません。) と書いてあるのに気づきました。

circa は、ラテン語で approximately (約、およそ) という意味で、年代と一緒に使われることが多く、大体そのぐらいの年に建てられたということですね。

circa は、circum の別の形でどちらも around, round about (ぐるりと回って) という意味の語で、circle (円) や circus (サーカス) という語もここから来ています。

around 5 o'clock (5時ごろ) という言い方もありますね。

circus は、古代ローマで使われていた円形の競技場という意味から現在のサーカスという意味へ広がったようです。

circumlocution は roundabout expression (遠回し表現) とも言い、やはり遠回り、回りくどいという round という意味が生きていますね。

locution は、speak という意味の語で、言い回し、言葉遣いということですね。

自分が知っている語彙を使って話していると、相手がよりふさわしい語彙を使っていたり、教えてくれたりすることがあります。

英語でもスペイン語でも何語でも、言いたいことを手持ちの語彙で言えるように練習するのも必要なことですね。 そして circumlocution を使って、相手から知らなかった語彙を引き出すことができると勉強になり楽しいものです。


ご参考まで → 回りくどい言い方をする

内側に破裂させる

先日テレビのローカルニュースの中で、ある工場が爆破解体されている映像がありました。

そのキャプションとして unexpected implosion (予期せぬ爆破解体) と画面に出ました。

explosion に対して implosion という語があるのですね。

動詞は explode / implode です。

どちらも爆発することですが、ex- (外側へ)と im-(内側へ) という違いがあります。

export (輸出) と import (輸入) の ex- im- と同じですね。

この工場の爆破 について、事前に消防署や近くの住民が知らされておらず、次回からは連絡すべきだという内容のニュースでした。

They weren't notified of an implosion at a plant on Tuesday.
(彼らは火曜日の工場の爆破について知らされていなかった。)

ただ Pennsylvania Department of Environmental Protection (ペンシルベニア環境保護局) の人は現場にいて、郡から解体の許可も得ていたそうですが、地域の住民の耳には入っていなかったということでした。

建物を解体するために爆破させるのは、外側へ飛び散るような爆発ではないので implosion なのでしょうが、そのために使う爆発物は explosive ですね。

explosive には、「爆発物」 の他に言語学上では 「破裂音」 という意味も載っています。

これに対して implosive は 「内破音」 という意味が載っています。

爆破させるには explode にも implode にも explosive を使うということですね。

また demolish (解体する、破壊する、取り壊す) という語があり、名詞形は demolition ですね。

The old houses were demolished so that the supermarket could be built.
(スーパー建設のために古い家屋は取り壊された。) のように使われます。

demolish する方法として、大型の建造物の場合は、explosive を使って implode することがあるということですね。


レモンをもらったら

アメリカでは birthday (誕生日)、wedding anniversary (結婚記念日)、congratulations (結婚、卒業などのお祝い)、get well (お見舞い)、sympathy (お悔やみ) など目的に合わせてカードを送る習慣があり、カード売り場には様々なカードがたくさん並んでいて、ついつい長居をして見てしまいます。

先日行ったお店のカード売り場には love and support というカテゴリーがあり、表紙にレモンの絵が描かれて次のように書かれたカードがありました。

When life gives you lemons

直訳すると、「人生があなたにレモンを与えたら」 ですね。

そして、カードを開けると次のように書かれていました。

Call me. I have all the lemon recipes.
(電話して。 レモンを使ったレシピは全て揃ってるから。)

レモンが sour (酸っぱい)で、つらいことを示していて、何となく言おうとしていることは分かりますね。

調べてみると、次のようなことわざがあるようです。

When life gives you lemons, make lemonade
(レモンを与えられたら、レモネードを作れ。)

レモンはさわやかなよいイメージではなく、酸っぱいもの→困難さ、不運なことを示し、レモネードはそれをポジティブに変えたものということになります。

そして、このことわざは、Elbert Hubbard という作家が一人の障害のある俳優の死亡記事の中で次のように書いたことが元になっているようです。

He cashed in on his disabilities. He picked up the lemons that fate gave him and started a lemonade stand.

(彼は自分の障害からうまくチャンスをつかんだ。 彼は運命が彼に与えたレモンを手に取り、レモネードスタンドを始めた。)

このことわざは、私が見つけたカードのように、いろいろなバリエーションがあるようで、スペイン語では、レモンを与えられたらタコスに入れろというのもありおもしろいですね。

困難なことを抱えている友人に、一緒にそれをポジティブに変えてみようとサポートするような状況で使えることわざですね。

私の冷蔵庫にはいつもレモンがゴロゴロと入っていて、レモンを使ったお菓子も大好きでよく作りますし、ドレッシングにしたりお水やお茶に入れたり、レモンは私にとってはなくてはならない食材ですが、人生における困難さを表すこともあるわけですね。

酸っぱいレモンをもらっても、悲観的にならずに、それを望ましいものに変えていければいいですね。


死ぬほど恥ずかしい?

私が通っているスペイン語のクラスで、生徒が失敗して落ち込んでいると、教授も自分の失敗談を話し、間違って恥ずかしかったけれど、そのおかげで同じ間違いは二度としなくなったと言っていました。

確かに恥をかいて覚えたことはずっと覚えているものかもしれませんね。

言葉の間違いだけではなく、誰でも恥ずかしい失敗をしてしまった経験があるかと思いますが、そのような失敗のことを教授は次のように言っていました。

I made a mortifying mistake.
(私はとても恥ずかしい間違いをした。)

私なら mortifying の代わりに embarrassing を使っていたなあと思いました。

私の口からは mortifying という語はなかなか出てきませんが、言われると、フランス語から入った語なので、意味は想像できました。

mortify は、ラテン語 mortificare = make dead (死なせる)が由来で、フランス語 mort は death (死) を意味します。

日本語でも、死ぬほど恥ずかしいと言うこともありますが、mortifying もそういう感じなのかなあと思います。

mortifying の定義は次のように載っています。

causing feelings of strong shame or embarrassment
(強く恥じたり、恥ずかしいと感じさせる)

ここでちょっと気になるのが shame と embarrassment の違いですが、shame は、よくない行いについて恥じることで、Shame on you . (恥を知れ。) のように言うことがありますね。

embarrassment は、自分の恥を人に知られたり、人にどう思われるかということで恥ずかしいという感じかなと思います。

I feel mortified.
I feel extremely embarrassed.
I feel humiliated.
これらは、大体同じで 非常に恥ずかしい思いをする / 屈辱を覚える というような意味になりますね。

外国語学習において、私も今までにいくつもの mortifying mistakes をしてきていますが、教授の言うように、間違ったおかげで覚えたことがたくさんあります。


エレベータースピーチ

私がスペイン語の授業を受けている大学から、いろいろなメールや郵便物が届き、私には必要のない一般の学生宛のものもよく含まれています。

その中に Career and Professional Development Center からのものがあり、卒業後の就職のための game plan (戦略) についての冊子がありました。

ちらちらと見ていると、次のような文がありました。

Update your elevator speech.
(エレベータースピーチをアップデートしておく。)

elevator speech または elevator pitch の定義は次のように載っています。

a short but effective explanation that is intended to persuade someone to buy a product or accept an idea

(短いが効果的な説明のことで、誰かに商品を買うように説得したり、アイデアを受け入れてもらうためのもの)

ビジネスで使われる表現のようですが、学生にとっては自分自身を売り込むための短いスピーチということでもあります。

a brief way of introducing yourself, getting across a key point or two, and making a connection with someone

(自己紹介をする短い方法で、キーポイントの一つや二つを理解してもらい人とつながりを作ること)

簡単に言えば、自己紹介を30秒ぐらいでするということですね。

エレベーターに乗っているぐらいの短い時間ということで、elevator speech と言われるようです。

短い時間で相手に自分のどんなことをを理解してもらいたいのかを効果的に伝え、その人とコネクションを作るというのは簡単ではありませんね。

私ももう一度学生時代にもどりたいなあと、最初に就職した時の面接のことを懐かしく思い出しました。 


お知らせ
プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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