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馬がかわいそう?

もう前にも言ったので、今さら言う必要がない、言っても無駄だというような場合に、夫や息子が使う慣用句があります。

I already told him that he should do this, but he won't listen, so I did not want to beat a dead horse.
(こうすべきだと彼にはもう言ったが、言うことを聞かないので、もう無駄なことはしたくなかった。)

beat a dead horse (死んだ馬にむちを打つ)は、文字通り読んでも理解できますね。

死んでしまった馬に、いくらむちを打っても動かないということで、「無駄なことを繰り返す、無駄骨を折る」 のような意味があります。

他にも次のような使い方がありました。

Sequels are basically about slowly beating a dead horse.
(続編は、基本的に、ゆっくりと前の話題を蒸し返している [ だけだ ]。)

これは、映画などの続編が、第一作目と同じアイデアで繰り返し作られたものだということで、beat a dead horse は、「決着のついた話題を蒸し返す」 という感じですが、結局は無駄なことをしているということなのでしょうね。

ところで、最初にこの beat a dead horse という表現を聞いたとき、もう死んでいる馬にむち打つなんて、かわいそうな感じがしてしまいました。

この表現について調べていると、PETA (People for the Ethical Treatment of Animals)=動物の倫理的扱いを求める人々の会が考えた beat a dead horse の言い換え案が、次のように載っていました。

feed a fed horse

なるほど、音的にも beat a dead horse と韻を踏んでいて、意味的にも、「餌をやった馬に餌をやる」 ということで、確かに残酷さもなく、「無駄なことを繰り返す」 という意味で使えそうですね。

でも、馬に餌をやりすぎると、馬が動けなくなったり病気になって、それこそ馬にとっては、命とりだということもあるそうで、なかなか難しいものですね。

英語の勉強のためには、いろいろな慣用句を学びたいとは思いますが、beat a dead horse のような表現は、想像したり、考えすぎると使いにくいなあと思いました。


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No title

こんばんは。

中国の古典からの故事成語を思い出しました。

死者に鞭打つ。

本人が死んだ後も、非難攻撃を加えるという意味ですが、
中国人の苛烈さには、私たち日本人はついていけない感じです。
日本では、
死んだら悪人でも仏さまと考えるようですから。

No title

こんばんは。

PETAは馬鹿げたことをやろうとしていますね。
(ここでも、馬と鹿をバカにしているので、PETAが文句をいうところでしょうか)

慣用句は、慣用なんです。
新たに、人為的に作ったものではないんです。
多くの人の口を介して、長い年月言われてきたので、そこに意味と価値があるんですが、昨今はなんちゃら団体がなにかとうるさいような気がするのですが・・・

Re: No title

こんにちは。いつもありがとうございます。

死者に鞭打つとは、確かに、あまりに人情がないように思うのですが、そうさせてしまう歴史があったということが悲しいことだなあと思います。

PETAの件、馬鹿げたという言葉も、そうでしょうね。文句言われそうですね。
調べると、baka は、サンスクリット語で、「無知、迷妄」を意味するそうですね。
ちなみに、vaca はスペイン語で「牛」ですね、、とこれは関係ないですが(笑)

確かになんちゃら団体がいろいろと言うので、発言しにくいことがありますね。

さまざまな文化背景などから生まれた表現で、ある人には心地よくないと思う言い方もあるのでしょうが、私も昔からの慣用句を変える必要はないと思います。。気にする人は使わないようにすればよいですね。




No title

こんにちは~

英会話サークルのスピーチの時に使えそうな言葉が沢山あり、
大変勉強になります。
feed a fed horse
今回も自分にぴったりだわ、と思っています。^^;

Re: No title

Keiko さん、こんばんは。
いつもありがとうございます。

feed a fed horse は、一見、よさそうに見えますが、馬が病気になってしまうこともあるようなので、動物に優しいというわけでもないようですね。

動物を使った慣用句も多いので、いろいろ調べると楽しそうですね。
be like a dog with two tails で、very happy という意味のようです。Keiko さんに、ぴったりですね。。
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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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