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「台湾海峡」 から考えたこと

先日の日米首脳会談に関する記事を読んでいると、peach and stability of Taiwan Strait (台湾海峡の平和と安定) という表現がありました。

「海峡」 は、strait というのは聞いたことがありましたが、ふと、channel も 「海峡」 という意味で使われることを思い出しました。

イギリスとフランスの間のイギリス海峡は、English Channel です。 そしてその東の端は、the Strait of Dover (ドーバー海峡)で、channel の方が、strait より幅が広いようです。

ついでに、最近、船の事故があったスエズ運河は Suez Canal ですが、こちらは、人工的に作られたものですね。

channelcanal は、何となく語源が同じなのではないかと想像できます。

どちらもラテン語 canalis = water pipe, groove (送水管、溝)から派生しており、フランス語の辞書を見ると、 canal には、「運河、海峡」 と両方の意味が載っています。

ところで、strait は 、straight (まっすぐな) と同じ発音ですが、何か関係があるのだろうかと思いました。

辞書を見ていると、the straight and narrow (正しい生き方) という慣用句がありました。

My father's word put me back on the straight and narrow.
(父の言葉が私を正しい生き方に引き戻しました。)

straight というと、何となくまっすぐな正道という感じもします。

そして、narrow は、strait (海峡 = 陸地に囲まれた海の狭い部分) と関係ありそうな気がして調べてみました。

the straight and narrow は、聖書のマタイ伝7由来の言葉のようです。

Enter ye in at the strait gate: for wide is the gate, and broad is the way, that leadeth to destruction, and many there be which go in thereat: Because strait is the gate, and narrow is the way, which leadeth unto life, and few there be that find it.

ちょっと難しいですが、次のような訳が載っていました。

(狹き門より入れ、滅びにいたる門は大きく、その路は広く、これより入る者多し。 生命にいたる門は狹く、その路は細く、これを見出すもの少なし。)

これは、神の救いを得るためには、それ相応の努力をしなければならないということのようです。

strait は、古語で 「狭い、厳格な、公正な」 という意味があると辞書に載っています。

strait gate より入り、 narrow な道を見出すことが、正しい道 = straight and narrow となるわけですが、なぜか、慣用句では、straitstraight に変わっています。

そして、straightstrait の語源は異なります。

straight は、古英語 streccan が語源で stretch と同じ系統です。 strait は、ラテン語 stringere が語源で、strict と同じ系統です。

straightstrait は、異なる語源の語ですが、関連はあるようですね。

台湾海峡とは関係のないことについて、いろいろと考えてしまい、何かを読んでいても、つい脱線してしまいます。


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No title

Yurikoyamaさん、こんにちは。

the straight and narrowが正しい生き方という慣用句なのですね。
聖書のマタイ伝7章の由来の言葉なのですね。

yeという言葉もどういう意味なのかしらと思って調べたら、汝らという意味なのですね。
leadethもどういう意味かしらと思って調べましたら、leadの古い表現なのですね。

私はキリスト教の信者ではないのですが、英訳付きの新約聖書を持っているので、訳を比べてみました。私が持っている聖書はわかりやすく訳してあると思いますが、参考になればと思い載せてみますのでYurikoyamaさんの正規の訳と比べてみてください。

''Enter by the narrow gate; for wide is the gate and broad is the way that leads to destruction, and there are many who go in by it.
'' Because narrow is the gate and difficult is the way which leads to life, and there are few who find it.

私もしまいっぱなしにしてあった聖書を開く機会と、マタイ伝のこの言葉にまた触れることができて良かったです。
ありがとうございます。

Re: No title

sara さん、こんばんは。

丁寧に読んでいただいて、ありがとうございます。
ye などの古語も調べられたのですね。

そうですね。sara さんの聖書の訳は分かりやすいですね。
こちらは、strait が、出てこないですね。
strait is the gate, and narrow is the way → narrow is the gate and difficult is the way

strait は、現代語では narrow になっていますね。そして、narrow な道はdifficult な道なのですね。
なので、この現代語で書かれた聖書だと、the straight and narrow とのつながりが見えないですね。

聖書を読みこなすのは難しいですね。私もクリスチャンではありませんが、時には聖書の言葉に触れるのもいいものですよね。

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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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