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arguably から考えたこと

いろいろな英文を読んでいると、その内容よりも、文中で使われている単語や表現について気になることがよくあります。

先日の新聞で、地域の高校生のクロスカントリー競技の記事が載っていたのですが、下記はその一文です。

It was arguably his best of the 12 (runs).
(それは、ほぼ間違いなく、過去の12のレースの中で彼のベストであった。)

この arguably が、ひっかかりました。

arguably は、もちろん、argue の派生語です。

argue は、「議論する」と覚えていたので、それがどうして副詞 arguably になると、「ほぼ間違いなく、おそらく」という意味になるのだろうと思いました。

調べてみると、argue は、ラテン語 argure にさかのぼり、意味は、make clear、prove (明らかにする、証明する)ということだそうです。

argue という単語は、次のような意味の流れになるようです。

明らかにする→立証する→議論する

arguably は、議論の余地はあり、確かだとは言えないが、ほぼ明らかだという感じでしょうか。 自分の意見として、まずまちがいないだろうという場合に使える表現のように思います。

そう考えれば、arguably を、「ほぼ間違いなく」と訳すのも納得できます。

また、おもしろいことに、arguable と形容詞になると、①「異論のある、疑わしい」という意味と②「論証できる、もっともな」という両方の意味になり得るということです。

次のような例が辞書に載っていました。

It is arguable that this phrase was quoted from Shakespeare.
(この句がシェイクスピアから引用されたことは確証できる。) 

argue = 議論する とだけ覚えていると、なかなか深く理解できないものがありますね。

歴史から学ぶことがたくさんありますが、言葉の世界も同じだなあと思います。

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Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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