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unqualified は、「資格がない」だけではない

私がよく知っている unqualified は、「資格のない、無資格」という意味で、次のように使われます。

You are unqualified to teach at a public school.
(あなたは、公立学校で教える資格がない。)

ところが、次のような、unqualified を、新聞記事の中で見つけました。

セリーナ ウィリアムスが、試合中に審判に暴言を吐いたことについてのもので、かなり古い記事で失礼します。

Refuse to officiate Williams' matches until she has issued an unqualified apology to Ramos.
(ウィリアムスが、ラモスへの全面的な謝罪をするまで、彼女の試合の審判を務めることを断りなさい。)

このような unqualified は、「全面的な、制限のない、まったくの」という意味で、complete と同義語です。

「資格がない」というのは、理解しやすいのですが、「制限がない、まったくの」というのは、どういうことか、少し悩んでしまいました。

調べてみると、qualify は、もともとは、「何かに particular quality = 特別な性質を持たせる」という意味で、limit = 制限するという意味へと広がるようです。

制限するという意味に、否定の un が付いて、「制限のない、まったくの」という意味になるわけですね。

そして、qualify には、「particular quality necessary = 必要な特別の性質を与える」 という意味が加わり、資格を与えるという意味へとつながるのでしょう。

スポーツでは、qualifying match は、「予選」のことで、決勝へ進むための資格を得る試合ということですね。

qualifier は、「有資格者」以外に、「予選通過者」という意味もあります。

そして、disqualify は、「失格させる」ということで、資格を奪うということです。

言葉は、広がっていくものですね。。


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某文章(https://dhh.dk/2014/tdd-is-dead-long-live-testing.html)で、"unqualified good"という表現があり、どうにも「無資格な善」というマイナスな意味合い(身勝手で独断的な善てこと?)では、辻褄があいませんでした。
"unqualified good"で調べてみると、そういう表現は他にもありましたが、何か決め手となる説明が欲しかった所、この記事を見つけることができ、大変ありがたく思いました。
「無資格の」というより「無条件の」といったニュアンスなのですね。
(「無条件」と訳している例:https://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/jss/pdf/jss560506_003026.pdf

Re: タイトルなし

KiLi さん、はじめまして。
コメントをありがとうございます。

この unqualified は、ちょっと考えますよね。

「無条件の」と訳している例も教えてくださって、ありがとうございます。complete や absolute と置き換えられるような意味なので、「無条件な」というニュアンスとも言えますね。

無条件降伏の場合は、unconditional を使いますけどね。
どちらも「完全な」ということで、同意語ですね。
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プロフィール

Author:Yurikoyama
アメリカ人の夫と息子と三人家族です。高校ではバージニア州のハイスクールで交換留学生として1年間過ごし、その後日本の大学でフランス語を学びました。
いろいろな言語に興味があり、現在はスペイン語もぼちぼち学習しています。

アメリカのニューメキシコ州、テキサス州で12年、香港で6年、そして2018年から約3年大阪で住み、2021年12月にアメリカのペンシルベニア州に引っ越してきました。
息子はニューヨーク州にある大学で寮生活をしており、これからリタイアした夫と二人の生活です。。。

日常、気になった言葉や表現について書いています。
よろしくお願いいたします。

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